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残念… 中国の月面探査車“玉兎” ついに稼動停止

2016年08月18日 | 月の探査
月のウサギに「おやすみ」を言う時が来たようです。

月面探査車“玉兎”の稼働停止を、
8月3日に中国の国家国防科技工業局が発表したんですねー

ソーシャルメディアを通じて多くの人に愛された月面探査車“玉兎”が、
とうとう最後の時を迎えてしまいました。

2013年12月14日に月面着陸に成功した無人月探査機“嫦娥三号”に搭載され、
“玉兎”が月面に降り立ってから2年が経過してのことでした。
“嫦娥三号”が2013年12月23日に撮影した、4枚の写真からなるモザイク画像。
探査車“玉兎”の右側のソーラーパネルが、
傾いた日光をうまくキャッチ出来るように少し下向きに調整されている。


月面で最も長く活動

月の仙女とそのペットのウサギ(兎)にちなんで名付けられた、
“嫦娥三号”と“玉兎”が着陸したのは、“雨の海”と呼ばれる月の北部にある海でした。

これにより中国は、
ソ連(現ロシア)、アメリカに次いで、月面への軟着陸を成功させた3番目の国になったんですねー

そして月に探査機が軟着陸するのは、実に37年ぶりのことでした。

“玉兎”による月面ミッションは、すべてが順調だったわけではありません。

2014年2月には、
月の夜の厳しい寒さにより、一度活動停止状態に陥っています。

数週間後に“玉兎”は息を吹き返し、地球にデータを送信する機能は回復するのですが、
走行はできない状態に…
“嫦娥三号”と周辺の景色をとらえたパノラマ画像。
(“玉兎”が2014年1月13日に撮影。)
この日から地球時間で2日後にモーターユニットの故障で“玉兎”は動けなくなる。

それでも通信機能が生きていたことにより、
“玉兎”は2015年10月、月面で最も長く活動した探査車になります。

“玉兎”から地球に送信されたデータは、
100本以上の学術論文に使用され月の地質研究に寄与することになります。

さらに、アメリカやソ連のミッションでは見つかっていなかった、
新しい種類の月の岩石の存在も明らかにしています。
“玉兎”が撮影した6枚の画像から作られた“ピラミッド・ロック”のモザイク画像。
この巨大な岩は“嫦娥三号”の着陸地点付近にあり、
太古の衝突で現在ある場所に吹き飛ばされてきたもの。

一方で“嫦娥三号”に搭載された機器は、着陸から2年以上がたった今でも、
月面にある唯一の望遠鏡を含め、順調に稼動を続けています。

現在、中国は地球に月のサンプルを持ち帰るため、新たな探査機を送り込む計画を進めています。
“嫦娥三号”に仲間が加わるのは2017年になるようですよ。


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