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やっと実現? 航空機を使った衛星の低コスト打ち上げ

2014年04月05日 | 宇宙 space
2014年3月31日、“ALASA”の開発契約がボーイング社に決定したと発表があったんですねー

“ALASA”というのは、米国防高等研究計画局“DARPA”が提唱する、
航空機を使った超小型衛星の低コスト打ち上げシステムです。

増大する国防関連衛星打ち上げの費用を削減し、
ロケット打ち上げ場の条件にとらわれない柔軟な運用を目指しているんですねー

約45キロまでの超小型衛星を、1回100万ドルの費用で打ち上げるのが目標で、
これは、従来の打ち上げ費用から66パーセントもの削減になるようです。

“ALASA”のコンセプトデザインに参加していたのはボーイングのほか、ロッキード・マーチン、ノースロップ・グラマン、ヴァージン・ギャラクティックなど。
結局、ボーイング社の研究開発部門ファントムワークスの設計によるシステムが、採用されることになります。

今後、“ALASA”システムは、3060万ドルの開発を元に11か月間で開発されることになります。

全長7.3メートルのシステムはF-15Eの下部に取り付けられ、高度約1万2000メートルで発射。
4つのメインエンジンに点火し、地球低軌道に1機または複数機の超小型衛星を打ち上げ可能にしています。

そして、開発期間が11か月と短期間なので、2015年にも実証打ち上げが行われる可能性があるんですねー

民間の商用衛星と防衛衛星は、費用の算出基準が異なるので一概には比較できないのですが、
一例として、国際宇宙ステーションからの超小型衛星打ち上げ機会提供などを行う、スペースフライト社をあげることができます。

スペースフライト社では、50キロ級の超小型衛星を地球低軌道に打ち上げる場合の費用を、175万ドルとしています。
なので、“ALASA”の100万ドルが実現すれば、大幅なコスト削減になるんですねー

これまで、航空機を使った空中発射による人工衛星打ち上げシステムのコンセプト発表はいくつもありました。

2011年にNASAが発表した報告書では、
今回と同じボーイング社が2006年に検討した、
F-15グローバル・ストライク・イーグルの上部に空中発射システムを取り付けるシステムや、
フランスのダッソー社による、
ミラージュIVの下部に空中発射システムを取り付けて、最大70キロの衛星を打ち上げる“MLA”システムなど…
119もの構想があるそうです。

“ALASA”の実現により、
長年検討されてきた低コスト打ち上げシステムが、やっと登場することになるんですねー


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