太陽の10分の1以下の質量しかない暗く冷たい赤色矮星に、
驚くほど強力な磁場が見つかったんですねー
この恒星からの放射は太陽の1万倍も強いので、
もし近くを惑星が回っていたとしても、星の強烈なフレア活動によって、
荷電粒子が絶えず降り注ぐことになり…
生命にとっては過酷な世界になっているそうです。
強力な磁場のなぞ
今回観測されたのは、
うしかい座の方向約35光年の距離に位置している、
赤色矮星“TVLM 513-46546”。
質量が太陽の10%しかない非常に小さく冷たい星で、
水素が核融合して輝く星と、核融合していない褐色矮星の、
ちょうど境界線に分類される天体です。
また、太陽の自転周期が約25日なのに対して、
“TVLM 513-46546”は、わずか2時間という特徴も持っています。
アメリカ国立電波天文台の
カール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡(VLA)による以前の観測では、
この恒星が太陽の最も強力な磁場に匹敵する磁場を持ち、
それは太陽の平均的な磁場より数百倍強いことが分かっていました。
でも、太陽で磁場を発生させる物理的なプロセスは、
このように小さな恒星では起こりえないので、研究者の頭を悩ませていたんですねー
磁力的には太陽とは異なる怪物
今回の研究では、
ハーバード・スミソニアン天体物理センターの研究チームが、
アルマ望遠鏡でこの恒星を観測しています。
すると95GHzという、
特に高い周波数(波長にすると約3ミリ)の電波を検出したんですねー
赤色矮星において、フレアで発生するような電波が、
これほど高い周波数で検出されたのは初めてのこと。
さらに、このような恒星がミリ波で検出されたのも初めてのことでした。
こうした電波信号が発生する過程は、シンクロトロン放射と呼ばれています。
シンクロトロン放射は、
電子が強力な磁力線の周りを勢いよく進むときに出る放射で、
磁場が強力であるほど電波の周波数は高くなります。
恒星のフレアは磁力線に絡みつくように発生し、
磁力線はまるで粒子加速器のように働き、
電子が軌道をゆがめられることで電波の信号を発生します。
アルマ望遠鏡は、その電波をとらえたことになります。
太陽フレアでも似た放射が見られますが、それは瞬間的なもの。
一方、この恒星は太陽の10分の1以下の質量しかないにもかかわらず、
その放射は太陽の1万倍も強いんですねー
アルマ望遠鏡がたった4時間の観測で放射を検出したことからも、
この赤色矮星は途切れることなく活動しているといえます。
赤色矮星を回る惑星に生命は存在する?
今回の結果は、生き物が存在するかもしれない、
太陽系外惑星の探査と重要で密接な関係があります。
それは、赤色矮星が天の川銀河内で最も典型的な星なので、
今後の系外惑星探しのターゲットになるからです。
その赤色矮星は太陽よりずっと低温なので、
惑星が表面に液体の水をたたえるほど暖かくなるには、
星のすぐ近くを公転する必要があるんですねー
でも、そのように近いところでは、
星からの強烈な放射を受けることになります。
なので、惑星では表面の大気が剥ぎ取られたり、
強烈なフレア活動で荷電粒子が惑星に絶えず降り注いで、
複雑な分子が破壊されてしまったりすることに…
このような荒れ狂う環境で、
生命が進化していくのは非常に困難なことになります。
今後、似ている星を研究し、
今回の星が珍しい変わった星なのか、
それとも嵐のような星の仲間の一例にすぎないのかを、
調べる必要がありますね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 150光年の近い場所に、地球より1.5倍大きい惑星を発見!
驚くほど強力な磁場が見つかったんですねー
この恒星からの放射は太陽の1万倍も強いので、
もし近くを惑星が回っていたとしても、星の強烈なフレア活動によって、
荷電粒子が絶えず降り注ぐことになり…
生命にとっては過酷な世界になっているそうです。
強力な磁場のなぞ
今回観測されたのは、
うしかい座の方向約35光年の距離に位置している、
赤色矮星“TVLM 513-46546”。
質量が太陽の10%しかない非常に小さく冷たい星で、
水素が核融合して輝く星と、核融合していない褐色矮星の、
ちょうど境界線に分類される天体です。
また、太陽の自転周期が約25日なのに対して、
“TVLM 513-46546”は、わずか2時間という特徴も持っています。
赤色巨星“TVLM 513-46546”(イメージ図) |
アメリカ国立電波天文台の
カール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡(VLA)による以前の観測では、
この恒星が太陽の最も強力な磁場に匹敵する磁場を持ち、
それは太陽の平均的な磁場より数百倍強いことが分かっていました。
でも、太陽で磁場を発生させる物理的なプロセスは、
このように小さな恒星では起こりえないので、研究者の頭を悩ませていたんですねー
磁力的には太陽とは異なる怪物
今回の研究では、
ハーバード・スミソニアン天体物理センターの研究チームが、
アルマ望遠鏡でこの恒星を観測しています。
すると95GHzという、
特に高い周波数(波長にすると約3ミリ)の電波を検出したんですねー
赤色矮星において、フレアで発生するような電波が、
これほど高い周波数で検出されたのは初めてのこと。
さらに、このような恒星がミリ波で検出されたのも初めてのことでした。
こうした電波信号が発生する過程は、シンクロトロン放射と呼ばれています。
シンクロトロン放射は、
電子が強力な磁力線の周りを勢いよく進むときに出る放射で、
磁場が強力であるほど電波の周波数は高くなります。
恒星のフレアは磁力線に絡みつくように発生し、
磁力線はまるで粒子加速器のように働き、
電子が軌道をゆがめられることで電波の信号を発生します。
アルマ望遠鏡は、その電波をとらえたことになります。
太陽フレアでも似た放射が見られますが、それは瞬間的なもの。
一方、この恒星は太陽の10分の1以下の質量しかないにもかかわらず、
その放射は太陽の1万倍も強いんですねー
アルマ望遠鏡がたった4時間の観測で放射を検出したことからも、
この赤色矮星は途切れることなく活動しているといえます。
赤色矮星を回る惑星に生命は存在する?
今回の結果は、生き物が存在するかもしれない、
太陽系外惑星の探査と重要で密接な関係があります。
それは、赤色矮星が天の川銀河内で最も典型的な星なので、
今後の系外惑星探しのターゲットになるからです。
その赤色矮星は太陽よりずっと低温なので、
惑星が表面に液体の水をたたえるほど暖かくなるには、
星のすぐ近くを公転する必要があるんですねー
でも、そのように近いところでは、
星からの強烈な放射を受けることになります。
なので、惑星では表面の大気が剥ぎ取られたり、
強烈なフレア活動で荷電粒子が惑星に絶えず降り注いで、
複雑な分子が破壊されてしまったりすることに…
このような荒れ狂う環境で、
生命が進化していくのは非常に困難なことになります。
今後、似ている星を研究し、
今回の星が珍しい変わった星なのか、
それとも嵐のような星の仲間の一例にすぎないのかを、
調べる必要がありますね。
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