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星の誕生の常識を変える? 最新観測が見せるオリオン座大星雲の新たな姿

2016年08月21日 | 宇宙 space
肉眼でも見ることができるオリオン座の3つ星付近に存在する“オリオン座大星雲”は、
膨大な量のガスや星間物質が集まって出来たと考えられています。

その“オリオン座大星雲”の新たな姿を、国際チームが撮影することに成功したんですねー

観測に用いられたのはヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡VLTと、
望遠鏡に設置された広視野近赤外線撮像装置“HAWK-I”だそうです。
超大型望遠鏡VLTに設置された広視野近赤外線撮像装置“HAWK-I”でとらえた
オリオン座大星雲の新たな姿。


オリオン座大星雲

星が生まれる場所として有名なのが、
地球から約1350光年彼方にあるオリオン座大星雲です。

今回の観測で発見されたのは、
これまで予想されていた10倍もの褐色矮星や低質量の惑星でした。

  褐色矮星とは太陽ほどの質量がないので、
  核融合が続けられずにだんだんと冷却している天体。


このような予想を上回る量の褐色矮星や低質量の惑星の存在から予測されるのは、
オリオン大星雲において星が生成されている部分が、これまでの予想よりも少ないということです。

これまで星の生成過程は、
星の数と質量の関係(初期質量関数)によって決定されていました。

でも、今回のオリオン座大星雲の観測によって、
そのモデルが変更を迫られることになったんですねー

現在、ヨーロッパ南天天文台はチリ“欧州超大型望遠鏡”の建設を進めています。

この望遠鏡は複数の鏡を組み合わせることで、
39メートルクラスの主鏡を搭載する世界最大の望遠鏡になります。

“欧州超大型望遠鏡”が観測に加われば、オリオン座大星雲のさらなる姿を見ることができ、
新たな知見が得られるのかもしれません。

ハッブル宇宙望遠鏡よりも詳細な天体観測を行える“欧州超大型望遠鏡”に期待しましょう。


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