生命科学と宇宙論とを組み合わせた研究で、単純な化学反応から生命が誕生する可能性が検討されました。
確率としては非常に低いものですが、それでも宇宙の広さを考えればどこかには発生しうるはず…
ただ、広大な宇宙で、その生命と私たちとが出会う可能性も非常に低いようです。
最初の生命はRNAから始まった
生命は宇宙にどのように誕生したのでしょうか? それは、自然科学における最大の謎の一つになっています。
現在有力視されている“RNAワールド説”では、最初の生命はRNAから始まったと考えられています。
でも、そもそもRNAが単純かつランダムな化学反応(非生物的な過程)から、どのように誕生したのかは謎のままなんですねー
生物的遺伝情報を持つDNAやRNAはヌクレオチド(核酸塩基)と呼ばれる多数の分子で構成されていて、4種のヌクレオチドのつながり方によって複雑な情報を保存することができます。
生命科学の研究によれば、自己複製などの活性を持つRNAが生まれるためには、ヌクレオチドが最低でも40個、典型的には100個以上につながらなければならないと考えられています。
仮に、ヌクレオチドが一つずつランダムに結合する化学反応だけで十分な長さになり、正しい情報配列を含んで生まれることが可能であれば、単純な化学反応でもRNAが誕生しうることが示されます。
実際に、そのようなことは起こりえるのか? 起こるとしたらどのくらいの確率なのでしょうか?
生命誕生に必要な長さと情報配列を持つRNAが生まれる確率
今回の研究を進めているのは東京大学大学院理学系研究科のチーム。
原始の地球型惑星において、ヌクレオチドがランダムに結合し、生命誕生に必要な長さと情報配列を持つRNAが生まれる確率と、宇宙の中の星の数とを結びつける方程式を考案。
宇宙のどこかでランダムな化学反応だけによって生命(知的生命体ではなく最初の生命体)が誕生できる可能性を探っています。
そして分かってきたのが、40単位の長さで特定の情報配列を持つRNAが偶然に生まれるためには、宇宙の星の数は1040個ほど必要になり、100単位の長さなら10180個の星が必要になること。
この数は、私たちが観測可能な領域である半径138億光年の範囲に含まれる星の数(1022個)をはるかに超えたもの…
でも、観測可能な領域を超えた宇宙の大きさを考えれば十分に可能な数字でした。
宇宙全体は半径138億年よりもずっと広く、ほとんどの研究者に支持されているインフレーション宇宙モデルが正しければ、少なくとも1078倍以上に広がっています。
そう、広大な宇宙のどこかで、単純な化学反応だけで生命が誕生することは、十分あり得ることなのかもしれません。
天文学と生命科学を組み合わせた研究に期待
今回の研究の主な成果は、ランダムな化学反応というプロセスだけで、宇宙の中に自然に生命が発生できることを示した点にあります。
複雑な生命情報の無生物からの誕生という難問に、初めて一つの回答を出したものといえるのかもしれません。
一方でこのシナリオに基づけば、生命を育むことができる天体は、観測可能な半径138億光年の宇宙の中で地球ただ1つということも示されました。
もちろん、もっと効率の良い未知のRNAの生成プロセスがあり、観測可能な宇宙にも生命が満ち溢れているという可能性は否定できません。
現在、太陽系外惑星は4000個以上も見つかっていて、太陽系内にも木星の衛星エウロパや土星の衛星エンケラドスなど、生命の存在に適した環境があると考えられている天体もあります。
今後期待されるのは、天文学と生命科学の双方から生命の誕生についての理解が深められること。
生命そのものやその材料となる物質探し、効率の良いRNA生成メカニズムの解明などを進めていけば、地球外生命と私たちとが出会う可能性も増えるのかもしれませんね。
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十分な紫外線がないと惑星に生命は生まれない?
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ただ、広大な宇宙で、その生命と私たちとが出会う可能性も非常に低いようです。
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生命は宇宙にどのように誕生したのでしょうか? それは、自然科学における最大の謎の一つになっています。
現在有力視されている“RNAワールド説”では、最初の生命はRNAから始まったと考えられています。
でも、そもそもRNAが単純かつランダムな化学反応(非生物的な過程)から、どのように誕生したのかは謎のままなんですねー
生物的遺伝情報を持つDNAやRNAはヌクレオチド(核酸塩基)と呼ばれる多数の分子で構成されていて、4種のヌクレオチドのつながり方によって複雑な情報を保存することができます。
生命科学の研究によれば、自己複製などの活性を持つRNAが生まれるためには、ヌクレオチドが最低でも40個、典型的には100個以上につながらなければならないと考えられています。
仮に、ヌクレオチドが一つずつランダムに結合する化学反応だけで十分な長さになり、正しい情報配列を含んで生まれることが可能であれば、単純な化学反応でもRNAが誕生しうることが示されます。
実際に、そのようなことは起こりえるのか? 起こるとしたらどのくらいの確率なのでしょうか?
生命誕生に必要な長さと情報配列を持つRNAが生まれる確率
今回の研究を進めているのは東京大学大学院理学系研究科のチーム。
原始の地球型惑星において、ヌクレオチドがランダムに結合し、生命誕生に必要な長さと情報配列を持つRNAが生まれる確率と、宇宙の中の星の数とを結びつける方程式を考案。
宇宙のどこかでランダムな化学反応だけによって生命(知的生命体ではなく最初の生命体)が誕生できる可能性を探っています。
そして分かってきたのが、40単位の長さで特定の情報配列を持つRNAが偶然に生まれるためには、宇宙の星の数は1040個ほど必要になり、100単位の長さなら10180個の星が必要になること。
この数は、私たちが観測可能な領域である半径138億光年の範囲に含まれる星の数(1022個)をはるかに超えたもの…
でも、観測可能な領域を超えた宇宙の大きさを考えれば十分に可能な数字でした。
宇宙全体は半径138億年よりもずっと広く、ほとんどの研究者に支持されているインフレーション宇宙モデルが正しければ、少なくとも1078倍以上に広がっています。
そう、広大な宇宙のどこかで、単純な化学反応だけで生命が誕生することは、十分あり得ることなのかもしれません。
天文学と生命科学を組み合わせた研究に期待
今回の研究の主な成果は、ランダムな化学反応というプロセスだけで、宇宙の中に自然に生命が発生できることを示した点にあります。
複雑な生命情報の無生物からの誕生という難問に、初めて一つの回答を出したものといえるのかもしれません。
一方でこのシナリオに基づけば、生命を育むことができる天体は、観測可能な半径138億光年の宇宙の中で地球ただ1つということも示されました。
もちろん、もっと効率の良い未知のRNAの生成プロセスがあり、観測可能な宇宙にも生命が満ち溢れているという可能性は否定できません。
現在、太陽系外惑星は4000個以上も見つかっていて、太陽系内にも木星の衛星エウロパや土星の衛星エンケラドスなど、生命の存在に適した環境があると考えられている天体もあります。
今後期待されるのは、天文学と生命科学の双方から生命の誕生についての理解が深められること。
生命そのものやその材料となる物質探し、効率の良いRNA生成メカニズムの解明などを進めていけば、地球外生命と私たちとが出会う可能性も増えるのかもしれませんね。
生命が誕生したことが確実に分かっている現在のところ唯一の天体。 |
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