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そろそろ観測スタート! ヨーロッパ宇宙機関の近赤外線宇宙望遠鏡“ユークリッド”が第2ラグランジュ点に到着

2023年08月05日 | ダークマターとダークエネルギー
ヨーロッパ宇宙機関の近赤外線宇宙望遠鏡“ユークリッド”のイメージ図。(Credit: ESA. Acknowledgement: Work performed by ATG under contract for ESA., CC BY-SA 3.0 IGO)
ヨーロッパ宇宙機関の近赤外線宇宙望遠鏡“ユークリッド”のイメージ図。(Credit: ESA. Acknowledgement: Work performed by ATG under contract for ESA., CC BY-SA 3.0 IGO)
今年の7月1日に打ち上げられたヨーロッパ宇宙機関(ESA)の近赤外線宇宙望遠鏡“ユークリッド”が、観測を行う場所である太陽-地球系の第2ラグランジュ点(L2)に7月28日に到着しました。

L2点は、地球から見て太陽の反対側、約150万キロ離れたところにあります。
打ち上げ後、“ユークリッド”は約4週間かけてL2点に移動していました。

L2点では“ユークリッド”より先に、位置天文衛星“ガイア”や“ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡”が観測を行ってきました。
Webb and Gaia welcome Euclid to L2. L2点を回る“ユークリッド”(緑)、“ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡”(青)、“ガイア”(黄)の軌道を示した動画。(Credit: ESA/Gaia/DPAC; CC BY-SA 3.0 IGO)
この動画は、L2点を回る“ユークリッド”(緑)、“ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡”(青)、“ガイア”(黄)の軌道を示したもの。
ただ、それぞれの機体の位置は、現在のものを示しているわけではありません。

深宇宙の観測を行う際、太陽や地球、月は邪魔になります。
L2点では、太陽と地球、月を常に背後に置いた状態で深宇宙の観測を行えるんですねー
また、通信用のアンテナを常に地球に向けておくことも可能になります。

“ユークリッド”の軌道は、L2点を中心に変化していて、最も近いところで約40万キロ、最も遠いところで最大80万キロになります。
“ユークリッド”がL2点の周りを1周する間、月は地球の周りを6周するそうです。
なお、“ガイア”の軌道は“リサージュ軌道”と呼ばれるもので、L2点の中心から最大約35万キロ離れています。

“ユークリッド”は全天の3分の1の領域について、100億光年までの銀河の形状や位置、距離を測定し、宇宙の3Dマップを作成します。

それにより、ダークマター(暗黒物質)やダークエネルギー(暗黒エネルギー)の謎に迫ることを目的としています。


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