徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

眠い、眠らない/「HAZARD ハザード」

2006-09-27 19:39:40 | Movie/Theater
朝から改めて、園子温監督の『HAZARD ハザード』を観る。2002年、わずか10日間で撮影された映画だが、この秋にようやく公開されるパンクムーヴィー。1991年の設定とは言え、時代背景として「眠い日本、眠らない日本」という言葉で表現される状況は、ほとんど現代と変わりない。生温い日本を抜け出してニューヨークで暴力にまみれながら成長していく青年(男の子)を演じるのは4年前のオダギリジョー。なぜ彼は飛ぶのか、いかにして彼は飛ぶのか、そして果たして彼は飛んだのか。ストーリーらしいストーリーはあってないようなもので、とにかく映画は、ひたすら暴力と初期衝動でカメラも走る。

で、映画を観終わったら丁度タワレコから浅井健一の『Johnny Hell』が届く。これまた、『HAZARD ハザード』にぴったりなロックンロール。園監督への質問を考えながら爆音で聴く。

そして午後から五反田で園子温監督にインタビュー。事務所の屋上を使わせて頂いて、短い時間だったがお話を伺った。70年代のニューシネマのテイストを映画の節々に匂わせながら、園監督自身の「妄想のニューヨーク」「妄想の日本」を描いた理由、衝動的で暴力的な(ハザードな)青春を描いた理由を聞く。映画に出演している池内博之が、エキストラで出演した(おそらく)本物のチャイニーズマフィアたちの頭をパコパコ叩く場面の話には爆笑した。