徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

#4 ボブ・ディラン

2008-04-13 18:06:56 | 今日のお言葉
生きることはかなしいよ
生きることはさわぎだよ
できることは しなきゃならないことなのさ
しなきゃならないことをするんだよ
だから うまく できるのさ

(ロックの神様)

原作『アイデン&ティティ 24歳/27歳』(角川文庫)、『アイデン&ティティ32 第3部』(青林工芸舎)、映画版『アイデン&ティティ

それぞれのインデペンデンテ/第6節名古屋戦

2008-04-13 13:00:57 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
健太「わかってます。あなたがたぶん生まれる前から、私は清水でずーっとサッカーやってますし、清水がどうあるべきか、どうなきゃいけないべきかっていうのは、十分わかってるつもりです」「自信がなきゃやってられないです。諦めたら終わりじゃないですか? ねえ、違いますか?」(Sの極み 4月12日付)

スカパーで「清水対名古屋」戦。
以前、清水のプレーヤーも似たようなコメントをしていたような記憶がある。「自分たちがやっていておもしろかったら、たぶんみんなが観ていてもおもしろいと思うし、今はそれができていると思うので、すごく良い状態だと思う」。もちろんこれは名古屋・玉田のゲーム後のコメントだ(J's GOAL 4月12日付)。現在の名古屋の調子の良さは本物で、まるで2年ほど前の清水を観るような錯覚さえ覚えた。圧倒的なカリスマの下でプレーヤーがコンセントレーションを高め、主体的にゲームを支配していく様子(これは単純にボールポゼッションの問題ではない)がまざまざと観て取れた。ピクシーから目標と目的を与えられたプレーヤー、そして名古屋サポーターが、現在の名古屋というチームをサポートしていて楽しいのは当然だろう(これもまた単純に連勝しているから、という意味ではない)。それは清水エスパルスと長谷川健太、そしてオレたちも確実に通過した季節なのだから。
そして、清水が陥った悪循環も同じように本物だと言わざるを得ない。昨夜のSの極みに掲載されたゲーム終了後の一部サポーターによる選手バス囲みとその後のやり取りはかなり生々しくショッキングなもので、まだまだリーグ序盤ながら、チームの命運を分ける分岐点に差し掛かってしまったことを実感させた。バス囲みそのものには異論もあるだろうが、この状況で健太との交感が必要だと思った一部サポーターの気持ちは理解できる。それは誰が何と言おうと、そういう「空気」が日本平には間違いなくあるのだから、その「空気」を払拭するためには(またある種の「空気」を作るために)行動が必要だと感じたのだろう。その「空気」を健太が感じないわけがない。
文字にして言いたくはないが、もはやこれはリスクを負ってでも一歩踏み出すべき個人の自覚や責任感の問題だ。あまりにもリスク回避の意識が強く、状況に萎縮し自滅してしまっているように見える。若く、生真面目なプレーヤーが多いチームが陥りやすい負のスパイラルである(もはや構築から3年を経過したチームが単純に若いとは言えないが)。アウレリオ、パウロがなかなかフィットしない中で、健太が精神的支柱として構想していたであろう兵働の長期離脱、開幕当初はほとんど唯一調子の良さを見せていた中核的存在の淳吾の離脱、思えば負の条件は真綿で首を締め付けるかのように揃っていた。いくら層が厚いとはいえ、チームとしてのコンセントレーションが取れなければ綻びは徐々に目立つようになる。大分、大宮、名古屋のような好調クラブやガンバ、浦和のような強豪クラブがその綻びを突かないわけがない。

<サポーターは(中略)「監督だけ来てもらい選手には帰ってほしい」と伝えたが、「監督をみんなの前に出すわけにはいかない」ということでクラブ側は拒否。その結果監督・スタッフ・選手(18名)はバスに乗ったまま足止めされる形になった。(中略)座り込みから約3時間後、クラブ幹部と協議の末監督がサポーターの前に立つ。>(Sの極み 4月12日付)

健太、プレーヤーは2時間もの間、こう着状態をバスの中で過ごしたという。彼らは何かを感じただろうか。何も感じなかったはずはないだろう。何も考えなかったとは思えない。
しかし、この局面を自力で乗り越えることができれば間違いなく、オレたちは本物のチームになれる(はず)。サポーターから「空気」を突きつけられた勝負師・健太はこれからチーム内外にどんなメッセージと目標を打ち出して「空気」を作っていくのか。プレーヤーはどうやって自ら考え、「空気」を作り、一歩を踏み出していくのか。リーグの行く末とは別に楽しみでもある。それこそが本当の勝利への道であり、それぞれのインデペンデンテへの道、である。
ましてやサポーターが、<清水がどうあるべきか、どうなきゃいけないべきかっていうのは、十分わかってるつもりです>という健太をこのまま終わらせるわけにはいかないだろう。

次は水曜日、日本平でナビスコカップ予選東京ヴェルディ戦。後半からでも行く…つもり。個人的に思うところがあり、ここのところ貧すれば鈍するを実感しているのだけれども、鈍する精神は何が何でも自力で乗り越えていかなきゃ何も切り拓けない。
サッカーは人生の比喩であり、人生はサッカーの比喩でもある。そこに清水エスパルスと清水の象徴である長谷川健太がいる以上、オレたちは彼らをサポートし続けなければならない。オレは健太のカリスマと彼らのポテンシャルを確信しているし、まだまだ諦めるつもりはないよ。

清水サポーター怒りのバス出口封鎖/J1(日刊スポーツ 4月13日付
暫定16位後退に清水サポーターも怒(報知スポーツ 4月13日付
清水サポーター、怒りの座り込み(スポニチ 4月13日付
清水ファンが座り込み 長谷川監督が釈明(スポーツナビ 4月12日付

(追記)
名古屋戦後、バス止め騒動時の健太監督とサポーターの様子(YouTube)
その1
その2
その3