徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

大きいとか小さいとか

2006-09-16 04:25:50 | LB中洲通信2004~2010
ひとまず今日は入稿前半戦。午前中から夕方にかけてゲラチェックとひたすら原稿。あーまたもや企画は手つかず…すみません。
16時からは11月号ラスト、高円寺にあるインディーズレーベル、漣レーベルを取材。照明家と並行して漣レーベルの現場担当をされている杉山哲也さんの話を伺う……つもりだったのだけれども、代表の蒲池岳さん(もちろんゴーグルエースのカマチさん)も業務中で、結局お二人に話を伺うことができた。テーマは「インディーズ=独立、そして独歩」。このテーマは連載の予定で杉山さんと漣レーベルは第一回目。まず杉山さんの舞台制作会社勤務時代から漣レーベル参加、そして現在。設立者であるカマチさんにもその辺りのことを伺いつつ、レーベル運営、ライブの現状についても聞く。

ある版元の編集者から「ここを辞めるとデカい仕事ができなくなるぞ」と言われたことがある。確かに版元の中でする仕事と外でする仕事では、役割としてのスケールの違いがあるのかもしれない。しかし、それはスピリットの問題だし、スタンスの問題だ。コトは面白いか面白くないか、楽しめるか楽しめないかでしかない。小さいけれども実は大きい、こそ正しい。
10月8日(日)、八王子RIPSにて漣レーベル所属の花団がフェスを開催する。その名も「花団の潤八Jr.チャリティーフェスティバル(JJCF)」。花団のベーシスト、秋田潤の第一子誕生を祝い、<イベント収益金の一部>は赤ちゃんのオムツ代、ミルク代として<寄付>されるという<チャリティー>フェスを開催しようというわけである。何でチャリティーなのかよくわからないが、花団を始め、ニューロティカ、ガガガSPほか30バンド近くが参加。午前10時オープン、午前11時スタート(コンセプト的に昼前から始めなければならないバンドはどうかと思うが)の本格的フェスだ。いやしかし、これこそ、スピリットだけは無駄に大きいインディーズの醍醐味ではないか。
嗚呼、馬鹿馬鹿しいことを真面目にやるって基本を忘れちゃいかんよなあ、と思ったです(そういやモト冬樹さんもそんなこと言ってたっけ)。
もうひとつ、漣レーベルではWeekday8と題して毎週水曜日20時から高円寺・CLUB ROOTSでライブ&DJイベントも定期的に開催中。こういう、続けていくことに意味のあるイベントも大事。

取材終了後神楽坂へ向かい、作業&ゲラの受け渡し。週末から入稿後半戦へ。

マッチ

2006-09-14 02:29:56 | Works
トリフォニーホールの取材の帰りに都立某高校のヒジョーにわかりやすい場所にあるのに、わかりにくい状況になっている「国産マッチ発祥の地」の石碑へ行く。夏を過ぎて草木がボーボーなのはわからないでもないのだけれども、あんまりな気がする。
ま、オレはマッチ業界の人ではありませんが。

家に帰り、ものすごい重い画像データをメールで送ろうとしたら、仕事用のメインPCの状態が、ちょっとどうかというくらい、ヒジョーに危険な状態に陥ってしまった。データ入稿の危険性とイライラ感を身をもって知ったわけっス。あーあ。しかし明日(今日)は一日部屋に引き篭もりたいので、急遽神楽坂へ向かいCD-ROMをツー・スリーのポストへ入れておく。

23時過ぎに帰ってきて、さ、これからという時に今度は仕事用の椅子がベキッと折れた。ぐあ。フテ寝して、仮眠するか。

オケ

2006-09-14 02:12:24 | LB中洲通信2004~2010
取材場所がご近所なのをいいことに、ぎりぎりまでいろいろと作業しつつ(そういう時に限って、またもやいろいろトラブる)、14時から錦糸町のすみだトリフォニーホールで、新日本フィルハーモニーオーケストラの主席ホルン奏者の井手詩朗さんと広報担当でチーフプロデューサーの関顕治さんにお話を伺う。
2004年から始まった久石譲さんと新日本フィルの試みである「ワールドドリームオーケストラ」と作曲家・久石譲について。
これでほぼ取材は終了。

ストレート

2006-09-12 22:22:41 | LB中洲通信2004~2010
秋葉原が早めに終わったので京橋のカフェで資料検索など。

17時30分から映画美学校で『キャッチボール屋』の大崎章監督の取材。
公園で10分100円の「キャッチボール屋」をする青年と、彼とキャッチボールする人々のファンタジー。キャッチボールを通してイメージできる、前向きなコミュニケーションや善意のようなものを、あまり変化球を使わずに、いくぶんストレート気味に伝える好編。実際にお話をしてみて監督の人柄が出ているという感想には納得できた。11月号に掲載予定。

ということで今日は熱が出ました。やうやく復活(ほぼ)。これから本格的に仕事するです。

生アシ

2006-09-12 22:02:18 | Works
次もテーマは未来。
秋葉原のクロスフィールド(ダイビル)にあるSTUDIO ASIMO。実はここ、全国各地のイベントに飛び回るASIMOのメンテナンスやトレーニングというASIMOの裏側がちょっと垣間見られるベーススタジオ。結構すごいスポットなのだけれども、あくまでもベースなので、いつ行っても見られるという場所ではなく、たまたま見ることができたらラッキー、というスポットなのである(前提として、一般に公開するためのスペースではないので)。
スタッフの方に取材用にちょっとプログラミングして頂いたりして、ちと感激モノだったのだけれども、ここから全国へ旅するASIMOの、その忙しさを聞くと、世界のHONDAと日本のロボット文化の優秀な売れっ子営業マンなのだとつくづく思う。間近に見ると、ホントにかわいい。

未来館

2006-09-12 21:47:32 | Works
月曜日は取材3本。

まずは宇宙飛行士の毛利衛さんが館長を務める台場の日本科学未来館。午前中なのに団体客を含め、予想以上に人が多い(夏休みが終了して落ち着いたというが)。ひとまず広報のYさんにひと通り案内していただいたが、広大な宇宙から微細な人体まで、「未来」というキーワードで括っているミュージアムなので、これは簡単に見て回る、というような場所ではない。「友の会会員になれば2回でモトが取れますから」ということで会員になることにした。
未来館の象徴である「ジオコスモス」を背景にメインカットを撮影。予定より時間がかかってしまったが、見所満載なミュージアム。ここオススメ。画像は館内にあるカミオカンデの実物大の光電子増信管。その一部だけれども、結構壮観。

移動前に未来館に併設されているウェンディーズで昼食。未来館のすぐ隣にフジテレビのスタジオが建設中。

第22節 初戦クリア

2006-09-11 00:13:43 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
テル「先制できて、良い形で入ってすぐ同点にはされましたけど、あとは焦れずに戦うことができたと思うし、まあそういう中からゴールが生まれたと思うし、攻守において非常に全員が良い仕事をしたんじゃないかなと」(Sの極み 9月9日付け)

西船橋で乗り換えに手間取ってしまい、ぎりぎりでフクアリに到着。アウエーのコーナー自由席で斎藤君とスマイリーさんと合流。
いきなりゲームは動く。市川のスーパーシュートが決まるが、その直後に佐藤勇人に決められ追いつかれてしまう。しかしこれで気負いのようなものが取れたようにゲームは落ち着いていく(良い意味で)。清水にとっては悪くない展開だと感じた。
疲労の色濃い千葉相手に結果は3-1の完勝。ちなみに西部の“ハンド”があったとしても、結果は変わらなかっただろう。
まずは“関東”シリーズ初戦をクリア。前半戦のように勝利と敗戦を繰り返しながら成長していくだけではなく、勝利から本物へ成長していくエスパルスが見たいと思う。

蘇我から錦糸町へ移動して午前4時まで。あー疲れた。でも気分はいい。
さ、仕事仕事。

「関東の奴ら」と勝負の月

2006-09-09 03:38:35 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
浩太「絶対良いよね。(中略)特に中断後はかなり良い仕事ができてるかなって思うし。ただね……もっと良くなるだろうし、その辺は満足してないですけど、でも僕だけじゃなくてみんな良いんじゃないですか、今。途中から出た人は」(9月2日付け)

純平「試合に入りやすい。(中略)流れが良いと。例え不利な状況でも、『大丈夫、大丈夫。何かやってやるよ』って気持ちが湧いて来るし、『これきついなぁ』とか昔は思ってたときもあったけど(苦笑)」(9月3日付け)

マルキーニョス「ここで毎試合毎試合みなさんがね、『これは決勝戦だ』と思って戦わないとやっぱ難しくなってくる試合じゃないかと私は思います」(9月6日付け)

藤本「今までやってきたことをその試合で出せるかっていうのと、あとは気持ちで負けたくないっていうのもあるし、(気持ちが)相手よりも上回れば勝てるんじゃないですか」(9月7日付け)

枝村「楽しみと不安が入り混じっているが、そのどちらになるかが明日証明される」(9月8日付け)

アレシャンドレ「いつも監督は(中略)信頼を自分に伝えてくれて(中略)やっぱり怪我したときのチームの順位も良かったですし、『ホントに良いチームに来たな』って自分ではずっと思っておりました」(9月8日付け)

健太「今までやってきたことを全てぶつけていくしかない。特別なことをする気はない。そのために7月8月と苦しみながら成長してきた。それを出すことができれば良い結果に結びつくと思う」(9月8日付け 以上Sの極みより)

<現況はリーグ戦2分1敗の千葉が3連勝中の清水に挑んだ、リーグ戦第4節の構図に似ている。あの1勝はその後の千葉に好影響を与えることになったが、今節も千葉が転機となる勝利を獲得することを期待したい。>(J's GOAL 9月8日付け)

さて、今週から3節連続で関東でゲームが行なわれる、「勝負の月」シリーズが始まる。来週は国立競技場でホーム鹿島戦。千葉戦は勝利はもちろん、国立での動員にも弾みをつけたい一戦だ。勝負ではあるが、入れ込まずに、いつも通りの戦いを見せて欲しい。さて、「関東の奴ら」(@和田)は現在の清水エスパルスをどう観るだろうか。

ちなみに<現況>は、第4節と必ずしも似ているわけではない。これで<似ている>と書くライターというのは出目を信仰する、神頼みに近い「予想屋」です。

お祝い会見

2006-09-08 02:27:36 | LB中洲通信2004~2010
ということで銀座東武ホテルにて、『長い散歩』のモントリオール世界映画祭グランプリ(コンペティション部門)、国際批評家連盟賞、エキュメニック賞三冠授賞記念記者会見が開かれた。
アポをいくつか取りながら、ゲラを持って家を出る。移動中に何とか済ませて受付へ。
急遽決まったようなので記者はいくぶん少ないようだが、テレビカメラは10台ほど入っている。17時30分をいくらか過ぎたところで、3つの盾を抱えた奥田瑛二監督が笑顔で登場。空港から直行したようで、率直に授賞の喜びを語っていた。中でも国際批評家連盟賞を授賞すると50ヶ所ぐらいの映画祭から招待を受けるそうで、これからも国際的に評価される場が増えるんでないかな(実際すでに複数のオファーが届いているそうだ)。18時15分過ぎに、遅れて到着したスーパヴァイザーで夫人の安藤和津と主演のひとり杉浦花菜が登場。花菜ちゃんはモントリオールではちょっとしたアイドルのようになっていたそうで、確かにカワイイ(劇中ではホラーみたいな表情を見せる場面もあるが)。和津夫人も誇らしげ。
記者会見での奥田監督のコメントと写真・レポートは11月号で。

錦糸町で途中下車して魚虎で肴、キオスクでビールを買って帰る。

やはりハードボイルド/「長い散歩」

2006-09-07 08:27:52 | Movie/Theater
奥田瑛二監督作品『長い散歩』。
家庭崩壊を経験した老人(緒形拳)と虐待を経験した子供(杉浦花菜)、2人の逃避行を描くロードムーヴィー。逃避行と言っても(2人には目指す目的地はあるが)、逃げる対象はいろいろある。家族、家庭、学校、会社、社会、そして日本。逃避行の途中、2人に加わる帰国子女・ワタル(松田翔太)は、逃避行とその結末をかなり象徴的するように描かれる。『イージー・ライダー』で言えばジャック・ニコルソン風の役回りか(その意味ではおいしい役)。
「散歩」というにはちとハードな道行である。

映画は最初から、一見児童虐待から少女を救う老人という物語が、実は老人の贖罪の物語であることがわかる。逃避行の最中も妙に少女を「大人」扱いする老人は、まだ加害者側の人間であることを匂わすし(虐待の連鎖)、ワタルも救えず、少女の前で嗚咽するだけの老人は結局何も救われない。そして最後まで老人がその焦燥感から救済されたようには描かない。でも、それでもオレは枯葉散る人生の並木道を歩いていかなきゃならないもんね、というラスト。逃避行を描きつつ、しかし逃れられない人間の業を感じさせる、かなりの力作。
そしてスタッフロールにはUAがカヴァーする井上陽水の『傘がない』が流れる。ちょっと、これはハマり過ぎです。136分という長い尺も忘れさせる。
映画情報サイトでは救済と再生、ファンタジーてなことを書いてあるんですけど、ちと違うような……気がする(確かにそんな描写はあるが、「男の心のハードボイルド」じゃないのか)。

原案は奥田瑛二監督、脚本は桃山さくら(これは監督夫人の安藤和津と長女と次女の合作ペンネームらしい)と山室有希子、女性のペンによるもの。これで腑に落ちた。どうも観ている間、台詞の端々に良くも悪くも女性っぽさを感じていたのだ。その辺は奥田瑛二の男臭い演出で相殺か(フォローになってないか)。
今日の夕方、モントリオール世界映画祭グランプリ(コンペティション部門)、国際批評家連盟賞、エキュメニック賞三冠授賞記念記者会見。

続けてサモハンの『ドラゴン・スクワット』も観ようと思ったのだけれども、映像が躍動しすぎで、疲れそうなので今日はここまで(『長い散歩』のあとに観るには落差がありすぎ)。

『長い散歩』
監督/奥田瑛二
出演/緒形拳、高岡早紀、杉浦花菜、松田翔太/他
秋、渋谷Q-AXシネマほか全国にて順次公開

三四郎

2006-09-07 06:34:13 | LB中洲通信2004~2010
夕方まで原稿を書いて、アポ取り。
16時から北野さんの「コの字」連載第2回目、錦糸町の居酒屋「三四郎」の取材へ向かう。雑誌の取材も多く受けている有名店だけに、ご主人に掲載誌や書籍を取り出しながら、いろいろと説明して頂いた。2階の宴会部屋も見せていただいた。年末の宴会場候補ですな。
11月号掲載予定です。

LEON RUSSELL『LOOKING BACK』、笠原和夫『映画はやくざなり』(講談社)購入。

10月号到着

2006-09-05 21:51:16 | LB中洲通信2004~2010
10月号到着。
昨日、東京に到着し順次発送中です。ご協力者の皆様、執筆者の皆様、ありがとうございました。
今回の特集は「監督」。巻頭インタビューには河崎実監督に登場していただき、ここ数年の河崎実ブームから現在まで。「映画監督というのはニートですから、わはは」というのは名言。編集やライターも似たようなものである。ニートというか、引き篭もりというか。その他、日本初のプロフットサルクラブである大洋薬品/BANFFと眞境名オスカー監督の東京遠征レポート、メジャー昇進に向けて奮闘中の審判・平林岳氏の「日米監督論」。
ジャズの新シリーズもスタートし、第一回に板橋文夫さんが登場。板橋さんも今月10に西アフリカツアーがスタート。その前日、9日には青梅市の「まだ名前もない小屋」開催される“里山音楽祭り”で壮行ライブを挙行。名前がないだけに、結構な道のりでありますが。その他、情報ページにはハシケンさん、柄本佑くん、そして来年創立20周年を迎える劇団若獅子の笠原章さんと、またもやインタビュー多発な中洲通信になっております。
よろしくです。

松阪取材④

2006-09-05 04:37:52 | LB中洲通信2004~2010
ブツ撮りもインタビューも18時近くまでかかってしまう。予定外のような、予想通りというか……(ブツ撮りは本当はもっと時間がかかる)。さらに文我さんお勧めの高知の栗焼酎「ダバダ火振」も少々頂く(一応「仕事」は終わったからいいのである)。栗焼酎というのは初めてだったのだけれども、これは飲みやすかった。入江が「危険」というぐらい飲みやすい。結局入江はほとんど飲まなかったが。今度酒屋で探してみよう。
『こんなんメッケ』書籍版の話等をしながら、お疲れ様トーク。
ということで、さんざんお邪魔して19時頃に退出。文我さん、奥様ありがとうございました。
松阪駅で「松阪牛せんべい」を買い、名古屋駅で「名古屋コーチン入り炊き飯の素」を買う。最終ののぞみまで1時間ほど時間があったので、名古屋駅構内にある定食屋さんでビールと味噌カツ(また鶏、今日は鶏三昧)を少々。最終ののぞみの乗客は7、8割方熟睡中。お疲れ様でした。

OST『austin powers the spy who shagged me』×2購入。

松阪取材③

2006-09-05 04:20:34 | LB中洲通信2004~2010
メインカットを撮影したあと、2人はブツ撮り。
文我さんとオレはリビングに移動して、こちらの本番、インタビュー開始。改めて文我さんにとっての「コレクション」とは? に始まり、コレクション歴などを伺う。文我さんの「古典落語」にとって、評論、雑誌、台本といったまっとうな演芸関係資料から、一見関係のなさそうなゲーム盤やフィギュアなどの「けったいな」コレクションがいかに影響を与えているか、裏付けになっているか、そして意味のあることか、2時間ほどインタビュー。
まだコレクションとまでは言えないけれども、自分の「蒐集癖」にもそれなりの意味はあるんだなあ……と再認識もできた楽しいインタビューになった。

コレクションは並んでいるだけで「絵」になるものだけれども(棚に並んでいるだけで5000本以上はあるカセットテープ棚などはなかなか壮観)、写真は中洲通信11月号に掲載予定。