ウクライナのBeton というパンクバンドが、クラッシュ London Calling の替え歌を作っています。
Kyiv Calling
もちろん、ウクライナ侵攻の状況について歌ったもので「自由ウクライナ抵抗運動」の資金集めの一環とのこと。クラッシュのメンバーも、この活動を支持しているといいます。
もともとの「ロンドン・コーリング」というタイトルは、第二次大戦中にイギリスのBBCが占領地にむけて行った放送に由来するといいます。
つまりは、闘争を呼びかけるということでしょう。
このあたりの話になってくると、反戦主義者にはちょっと難しいところになってきます。
ウクライナの人々は、一般市民も武器を手にとって戦うべきなのか、それとも命が大事ということで戦闘を回避するために逃げてしまった方がいいのか……日本におけるいわゆる左派のあいだでは、この点に関して少なからず動揺がみられるようです。
たしかにこれは、難しい問いです。
外部の人間がとやかくいうのはためらわれる。少なくとも私は、国にとどまって戦う、あるいは生き延びるために逃げる、どちらの選択も非難することはできません。ただ、国外への脱出を望んでいる人を無理やり引き留めて戦わせるのはちょっと問題があると思いますが……
いっぽう、侵攻している側のロシア兵に関しては、この点はっきりしています。
もし彼らに言葉をかけられるとしたら、ただ一言、戦うなといいたい。上官の命令なんか堂々と無視して、武器を置いて投降しろ、と。
この侵略行為は、ディランが「自由の鐘」で歌ったところの「戦わないことが強さ」という状況であり、命令に従わないことこそが真の勇気だと思うのです。
ドイツのメルケル前首相は、「不服従が義務となるときがある」といいました。
ナチの時代を念頭に置いたものですが、今はまさにそのときでしょう。不当な侵略行為の命令になど従う必要はない、というよりも、従ってはいけない。もっと上位の価値に従わねばならない……
実際、戦闘を放棄するロシア兵は相当いるようです。それがどの程度“良心”に基づくものかどうかはわかりませんが、まあ別に良心が動機でなくてもかまいません。戦争に反対するのに良心など必要ないのであって、単にこんなばかげた戦争で死ぬなんてくだらないということで大いに結構。ロシア兵にはどんどん職務放棄してもらって、プーチン大統領の面目を丸つぶれにしてもらいたいところです。