ロシア軍がウクライナに侵攻しました。
かねてから危機は伝えられていましたが、とうとうやってしまったか、と……
ロシアにはロシアの言い分もあるでしょうが、どんな言い分があろうと今回のような行動が許容されるとは思えません。
日本の憲法9条がどうだとか、核保有がどうだとかいろんな話が出てきています。
そのあたりについては私も言いたいことが山のようにありますが……それはまたいずれ別の機会に譲るとして、今回はとにかくロシアの暴挙を批判するにとどめましょう。
そのうえで一つ指摘したいのは、今回の侵攻の背景にはやはりコロナ禍があるのではないかということです。
コロナ禍が引き起こした社会不安が権威主義を台頭させているということは、よく指摘されます。
それが、専横的な“強い指導者”を求める心理につながる。そして、指導者の側は己の強さを誇示するために、ことさらに敵を作りだしてそれを攻撃する……今回の侵攻が日本にとって対岸の火事でないというのは、まさにこの文脈においてではないでしょうか。
新型コロナに関していえば、ロシアは世界最悪レベルで状況が悪化しています。
それを求める大衆側の期待に反して、“強い指導者”は往々にして国内の災害や疫病といったことには無力です。相手を威圧して黙らせることに慣れてしまった人は、脅しが通用しない相手には何もできないということだと思われますが……そういったことを踏まえると、このコロナ禍という状況において“強い指導者”を求めてしまうことの怖さを冷静に考える必要があると思われるのです。