ロック探偵のMY GENERATION

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9.11のチックス

2020-09-11 21:49:08 | 時事


今日は9月11日。

あのアメリカ同時多発テロから、19年ということになりました。

今年は、アメリカの大統領選が控えています。コロナ禍という特殊な状況でもあります。そのなかで、果たしてトランプ大統領がどういう発言をするのか……ある意味では注目です。

せっかくなので、この日にふさわしい曲をなにかと思い、Travelin' Soldier という歌をチョイスしてみました。

The Chicks - Travelin' Soldier (Official Video)

以前紹介した Dixie Chicks の曲……なんですが、彼女らは今年、グループ名を The Chicks に変更しました。
これも一度このブログで書いたと思いますが、BLM運動がその背景にあります。ディクシーという言葉には、奴隷制が存在した南部を懐かしむ響きがあるということで、改名したのです。

この改名には、過去に正面から向き合い変化をおそれないという姿勢がみられます。
同時多発テロ後のアメリカにおいて、ディクシー・チックスは時折政治的な話題で名前を取り沙汰されました。

たとえば、先に紹介した Travelin' Soldier は、戦場にいった恋人が戦死し取り残された女性を題材にした歌で、イラク戦争当時のアメリカでは反戦歌とみなされていたようです。実際のところ、ディクシー・チックスはイラク戦争反対を鮮明に打ち出していて、当時のブッシュJr大統領を「テキサスの恥」と批判していました。その結果大バッシングを受け、テキサスではディクシー・チックスのレコードを集めてローラーで踏みつぶすなどということも。そんな彼女らが アルバムTaking the Long Way でグラミー賞を受賞したのは、アメリカ社会が変化したためだ――といったようなことを、以前 ディクシー・チックスを紹介する記事で書きました。

アメリカが素晴らしい国とも思いませんが、そういう変化しうる力は、そなわっているのでしょう。

アメリカには、同時多発テロ後の負の遺産がまだ残されているようですが、過去を直視し、社会をよい方向に変えようと考える人たちがいるかぎり、それらもいずれ解消していくんじゃないでしょうか。
とりあえず来年、同時多発テロから20年という節目の年にスピーチするのが現大統領ではないことを期待したいと思います。




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