開園は朝の9時。10分過ぎには着いた。福岡市動植物園だ。
ここに来たのは孫が3、4歳の時だったか。
その孫は、今はもう23歳だから20年ぶりくらいの再訪になる。
市営の動植物園とあって、65歳以上の高齢者は入場無料。
それを簡単にパス出来る老夫婦が2人でやってきたのだ。
年寄りが、孫を連れてくるでもなく、2人で動物園にやってきたのには、
もちろん理由がある。チンパンジーを見たい、
もう少し詳しく言うと、大暑になったのを機に飼育員さんが手製の氷を
チンパンジーにプレゼントするそうで、氷を口にしたチンパンジーを
写真に撮りたいということなのだ。
この氷のプレゼントは7月23日にツキノワグマ、25日にニホンザル、
そして26日にチンパンジーの番になったわけだ。
このイベントの開始は10時。すでに開始前から多くの人たちが集まっていた。
やはり小さな子が一緒の家族連れが多い。
まず、飼育員さんがえさ場にキャベツやピーマンなどの野菜を置く。
そしてバケツで成形した氷、この中には果物類が詰められている。
これを野菜類とは別に、やはり2カ所に置いた。これで準備ОKだ。
さあ、チンパンジーの入場。氷に一目散かと思ったらそうではなかった。
けたたましい叫び声を出しながら見物客の方へ
体当たりでもしようかという勢いでやってきた。
間には仕切りのガラス板1枚、思わずのけ反った。
威嚇まがいの挨拶なのかもしれない。
それを済ませ、ようやく氷の方へ向かった。
氷を抱え込むようにしてかじりついている。
どうやら、氷そのものが目当てではなさそうだ。
本当の目当ては氷の中にある果物類か。それをなかなか取り出せずにいる。
それで時折癇癪をおこし、またまたけたたましい叫び声だ。
このチンパンジー舎のすぐ近くにキリンの親子がいる。
母親は「リンダ」と言い、子どもは2月に生まれたばかりの「ニコ」だ。
ニコはオスで、名前は市民に公募してつけてもらった。
サイが2頭、角突き合わせている。「大丈夫かな」と思ったら、
ちゃんと説明板があった。
「ケンカをしているのではなく、これも遊びの1つ」なのだそうだ。
このサイは南アメリカ生まれのミナミシロサイと言い、
サイの中で最も体が大きい、そう説明があった。
ちなみに2頭は、2歳のオスとメス。どちらがどうかは分からなかった。
隣接して植物園もある。いろんな花々に体も心も癒された。
昼間に咲いている「月下美人」には驚いたが、開花調整によるのだという。
人間はそんなことまでやっているのか。
歩いた歩数は8051歩。ウオーキング代わりでもあった。