何とか今回竿頭を獲って、頭3回達成の可能性を竿納めの最終戦に繋げたい。
今回も正念場ですよ。
正念場を共有するのは今回船釣り3回目になるYさん。
「釣りを始めて30匹アジを釣る」の目標に対して、前回までの2釣行で22匹の実績で進捗率73%。
あと8匹なら1回で達成は固い、と今回野毛屋さんに同行することになった。
(毎度。)
野毛屋さんに5:05着で6番目。
暫くしてYさんが到着し、後ろに着ける。
車を降りて話をしていると、車列の先頭に常連の「上手なMさん」の姿が見えた。
その瞬間、終わったー、竿頭は無理だー、と悟る。
車列の先頭で大艫が約束されたMさんを差し置いての竿頭なんて今の腕ではまず無理、到底無理。
目標達成に最大の試練が立ち塞がった。
淡い期待は唯一、Mさんがマダイ船に乗ることか。
(毎度。)
開店後の席取りで、Mさんはフグ船だったんで淡い期待は儚く散ったものの、取られているのはMさんの左舷大艫のみ。
ならば、と右舷大艫をゲット。
大艫ならば可能性は低いものの勝負になるかもしれない。
まだ終わりじゃないぞ。
Yさんは午前アジ船の右舷大艫に収まる。
こちらの目標は楽勝でしょう、と朝の時点で話していたんだけど・・・
(久しぶりの大艫ゲット。)
右舷は7名に増え、胴の間には女性2人組みがいる。
女性だけで湾フグ釣りに来るなんてカッコイイね。
出船前から気になってたのだけど、北風が強くて平潟湾を出たところから波がバチャバチャしてる。
船長アナウンスに従ってキャビンに待避したものの、ドッタンバッタンと揺れに揺れる。
こりゃ釣りづらいぞ。
Yさん大丈夫だろうか?と心配になる。
後で聞いたら、それが現実になってましたよ。
(潮はこんな感じ。)
10分ほど揺られた後、八景沖で釣り開始。
仕掛けはノーマルカットウオンリーで曇天を見てオモリは白のナツメをチョイス。
潮かあるから誘いは3秒に1回ね、という健船長のアナウンスどおりに誘う。
海はうねりがあるものの対応可能なレベルなんで、ビタッとゼロテンを決めますよ。
すると、早速アタリが出てサクッと来た。
抜き揚げたのは小型のショウサイ。
船中1匹目をゲットだ。
(小型ショウサイ。)
更に打ち返して数回誘うと再びサクッと来た。
これはおチビのコモン。
更にその数分後、竿先に出たアタリにアワセが一発で決まる。
ゴンゴン引きから抜き揚げたのは中型のアカメ。
(アカメ。)
何だか前回の一郎丸さんでの勢いが続いてるような展開だぞ。
ひょっとしてイケるんじゃないの?
更に嬉しいゲストが顔を見せてくれる。
(イシモチ。)
フグのゲストとしては初だろうイシモチ。
釣りものでしっかり血抜きした刺身の評判をよく耳にするから、食が楽しみだ。
(ラッキーなマダコ。)
東京湾産の天然マダコ。
中と小の2杯が獲れたのは嬉しいぞ。
大晦日向けに冷凍しておこうかな、と即座に思いたった。
この後、リリースしたもののイイダコも1杯揚げる。
(嬉しいスミイカ。)
良型のスミイカ。
水面から揚げたところで右手のグローブを外し素手で取り込みましたよ。
かつてグローブのまま掴んで、ツルンと滑ってボチャンと逃がした経験があるんでね。
首根っこを掴んでカットウを外してるところに健船長が来てバックから袋を取り出してくれて無事にイン。
これも大晦日にかみさんの実家で振る舞うために冷凍だな。
(中型のアカメが揃う。)
ポツと本命も追加して悪くないペースだな、と思っていたものの底リを迎えるにつれてペースダウン。
潮止まりから上げ潮になる午後は厳しい展開になった。
午前中でアカメ3匹、ショウサイ1匹の計4匹。コモンが2匹いるけど野毛屋さんではカウント外だ。
後ろの左舷大艫のMさんが「あと3つ欲しい」と言ってるのが聞こえたんで現状7匹なのだろう。
3匹のビハインドだ。
(ドック脇を攻める。)
午後は一流しで船中1、2匹がポツと揚がるというペース。
しかも、ガラが多くて、手応えに期待して巻き揚げるとガラだったりが頻発する。
大艫の利を活かして、キャストして流し筋を変えて探るもののなかなか反応が出ない。
そこにいないのか、いても食わないのか、定かじゃないけど手強い展開だ。
そんな中でキャストからの寄せの途中で久しぶりに中型のアカメを追加。
これで5匹。
(灯台脇を攻める。)
刻々と時が過ぎる中、あと2匹、あと2匹、と頭の中でリフレインして誘い続ける。
「上手なMさん」が7匹のままかは分からないけど、7匹以上を揚げないと頭はないのは確実だからね。
雲の切れ間から日差しが出る時を見計らって、オモリを白から信頼と実績の金メッキに替えてみる。
やれることはやってみようと、とにかく必死ですよ。
すると、金メッキのお陰かアタリが出る。
前のめりに竿先を見つめて、3度目のアタリで掛けたのは良型のショウサイ。
(6匹目!)
あと1匹、あと1匹、と更にリフレイン。
「この流しで終わりにします。」
と船長アナウンスがあって、いよいよオーラス。
ここが勝負どころだ。
力が入りそうなところを、優しく自然に無想の誘いだー、と念じながら誘い続ける。
手強い好敵手を相手にこの緊張感。
チャレンジしてる実感。
前回の爆釣では味わえなかった、趣の異なるこれも釣りの醍醐味ではなかろうか。
「これであがって行きます。」
と、健船長のアナウンスと同時の誘いでカッ!と来た!
追いアワセからの巻き揚げでブルブルと来る手応え。
最後の最後で掛けるとは持ってるなー。
やるじゃんオレ、と自分に感心しながらブチ抜く。
カットウの先には二枚貝の殻。
真ん中の蝶番の所に掛かってるから良い感じに振動したんだろうね。
そういうオチなのね。
(沖あがり。)
あと1匹が諦めきれずに、クーラーに納めてた2匹のコモンのうち1匹でもひょっとしたらショウサイではあるまいか?と取り出して念入りに確認したけど、お腹にちゃんとトゲトゲがあった。
間違いなくコモンだ。
残念無念。
港に戻って捌きの時に船長に聞いたら、Mさんを含めた3名が7匹でトップとのこと。
あと1匹、届かなかったか。
頭の道は遠いなー。
これで「フグ船竿頭3回」の目標未達成が確定、来年に持ち越しだ。
一方のYさん。
LINEで報告を受けると、船酔いと腰痛を発動してしまい、釣りどころじゃなくなったとのこと。
結果5匹で目標まで3匹届かず、こちらも未達だ。
釣りの女神さまは微笑む時もあれば、無慈悲な時もあるんだよね。