27日から読書週間が始まった。その初日が「文字・活字文化の日」。つまり秋は読書の季節。JR熊本駅前、電車通りを挟んで〝くまもと森都心”ビルが建つ。3階と4回が熊本市立プラザ図書館。
読書週間ということではないが、最近〝うちの奥さま”と一緒に足蹴く通っている。静かでとても爽やかな図書館だ。蔵書も3万冊を超えるという。
訪ねたときには2~3時間机に向かいゆっくりとお好みの本を読む。読み残せばそれをお借りして家に持ち帰る。
先日は山崎豊子全集「運命の人」3巻を借りた。「運命の人」はご読まれた方も多いことと思うが、毎日新聞の辣腕政治記者が巻き込まれた「外務省機密漏えい事件」が題材となったフイクション。過酷な運命を背負った小説の主人公が再生する場所となった「沖縄編」に前が奪われた。
読谷村チビチリガマの集団自決の残酷とも思えるおどろおどろした凄惨な証言。沖縄師範学校鉄血勤皇師範隊、女子師範と一高女で編成されたひめゆり部隊の死と対じする逃げ惑うばかりの沖縄戦。占領下のアメリカ兵士による復帰後の暴力事件や強姦などの事件が詳細に描かれ、それがフイクションではあろうとも生々しい衝撃を与える。
太平洋戦争の激戦地となった沖縄は、鉄の暴風雨にさらされた戦争の傷跡を今も引きずり、占領下の兵士による航空機の墜落などの事件や事故に、復帰後もさらされ続けている。その苦しみと悲しみには耐えがたいものがあることだろう。言い尽くせない言葉もあることだろう。
沖縄の悲しみや苦しみは体験しなければ理解できない。今「運命の人」を改めて読み、少しでも沖縄の方々の気持ちを理解できればと強く思い、日本人として無関心ではおられない。〝ヤマトンチュウ”の多くの方々に、今からでも遅くない沖縄の苦しみと悲しみを知り、少しでも関心を持っていただきたいものだと思う。
昨日、辺野古埋め立てに反対する沖縄県民を無視するかのように、政府は埋め立て工事を強行した。普天間の危険を除去するために必要と政府のいうこともわからぬではないが、なりふり構わぬ政府の姿勢には大いに疑問を感じる。必ず道は開ける筈だ。最善の方法を時間をかけて両者で話し合うことこそ大切なことではなかろうか。
翁長沖縄県知事は「基地問題で政府の対応は県民をある意味で見下している」と述べておられる。「国民を見下す」このことば、安倍総理の今の政治姿勢につながるものではあるまいか。