台風接近に伴い、熊本地方に暴風警報が発令されたのは昨日の昼頃、老人夫婦は戸惑いながら力を合わせ、やっとのことで台風対策を行った。対策といっても老人のできることは知れている。
まず、各部屋の雨戸を閉める。植木鉢などを風に飛ばされないよう一か所に集める。庭にある小物類は部屋の中に入れる。門扉を倒しひもで縛る。老人夫婦にとっては大変な作業だ。台風は怖い。万全とまでは言えないまでも、どうやら午後5時ころには作業を終えた。あとは台風の通過を待つばかり。
強い風と大雨をともなった非常に強い台風16号は、20日午前0時過ぎ鹿児島の大隅半島に上陸し、九州南部を直撃、各地に記録的な猛雨をもたらした。
熊本地方に最も接近し暴風域に入ったのは午前3時過ぎ、強い雨と風の音に耳をとがらせ、部屋の中で震えながらじっと台風の過ぎるのを待っ時間の長いこと長いこと。雨は降り続いているが午前5時ころには風が止んだ。外に出て付近を見回すと我が家は何事もなかった様子。
よかった。ホットして〝うちの奥さま”と顔を見合わせた。