団地の中でホタルが舞う。我が家から約100㍍ほどのところ、団地と孟宗の竹林が境を接するところにホタルが出る。夕食を早めに終え、薄暗くなるのを待ってホタル見物に出かけた。
竹林の奥で量は少ないようだが水が湧き出している。湧き出た水は団地の建物と竹林の間を流れる溝のように狭く落ち葉で詰まった用水路を伝って坪井川に流れて行く。こんなところにホタルの出るとは思えぬ場所とは考えられないところだが、毎年、梅雨の初めころにはホタルの乱舞が見られる。
昨年は、熊本地震でホタルのことをすっかり忘れていた。昨夜、テレビのニュースで江津湖のホタルが舞うのを見て、団地のホタルを思い出した。今夜もホタルは出るだろうか。
ホタルが舞うには環境が悪すぎる。生息地を取り囲むように建っている付近の住宅は明るすぎる。用水路のすぐ側にあるアパートの防犯灯が昼のように明るくホタルの出るあたりを照らしている。
なかなかホタルは出ない。〝うちの奥さま”「もうホタルは出ないでしょう」と、少々あきらめ気味。そろそろ家に帰ろうとしたときだった。ホタルが1匹林の中を飛んでいるではないか。団地にホタルはいた。嬉しかった。だが、あとが続かない。確認できたのは3匹のみ。
熊本を含む九州北部地方が梅雨入りするという。翌日もホタル見物としゃれこんだ。ホタルの景勝地、八景水谷湧水公園であればホタルの乱舞がみられるだろうと、大いに期待したのだが、見えたホタルはここでも1匹だけ。
残念なことこの上ない。大いにストレスが高まった。