【パリ時事】5日付の仏紙フランス・ソワールは、同国が20~30年以内に電力の原発依存を減らすことを望む人が83%に達したとする世論調査結果を掲載した。
フランスは電力需要の80%近くを原子力で賄う「原発大国」だが、東日本大震災に伴う福島第1原発の事故を受け、国民の間に不安が広がっていることが示された。
3月31日と4月1日、896人を対象に実施された調査によると、56%が原発に不安を感じると回答し、感じないとした44%を上回った。
実際に原発依存脱却が可能と考える人は73%だった。
フランスの年間原子力発電量:3893億キロワット時
フランス南東部、ローヌ渓谷にあるクリュアス原子力発電所。控え目な風力タービンの向こうには2基の巨大な冷却塔がそびえ立つ。
基礎免震構造を採用した世界で2基しかない原発の1基で、1980年代初期に建設された。
各原子炉の基礎部分には、振動吸収性の高いクロロプレンゴムのパッド(厚さ数センチ)が1800枚以上設置されている。
同じ構造を有するもう1基は、南アフリカ、ケープ・タウン近郊のケーベルグ原子力発電所だ。
世界第2位の原発大国フランスの原子力発電量は、トップのアメリカの半分に満たない。
しかし依存度は最も大きく、電力の8割以上を国内19カ所、計58基の原子炉で生産している。
アメリカ、ノースウェスタン大学の地球物理学者セス・スタイン氏は、「フランスの地震危険度はそれほど高くない。
最も活発な地域でも、地震の少ないアメリカ東部や中部と同程度だ」と言う。
クリュアス原発の立地場所は地震危険度の低い地域だ。
スタイン氏によると、最も地震活動が活発なのはドイツとの国境に沿ったライン川の峡谷付近だという。
フランス、ドイツ、ベルギー、オランダの地震危険度の一部は、峡谷に沿って走る断層系が原因になっている。
1977年に運転開始したフランス最古のフェッセンハイム原発も同地域の近くに存在する。
世界の地震危険度は、世界地震ハザード評価プログラムが作成した地図が参考になる。同プログラムは1992~1999年に活動。
各国で異なる危険度を統一基準で算出し直し、世界地図上に見やすく表現している。
Photograph by Charles Platiau, Reuters
フランスは電力需要の80%近くを原子力で賄う「原発大国」だが、東日本大震災に伴う福島第1原発の事故を受け、国民の間に不安が広がっていることが示された。
3月31日と4月1日、896人を対象に実施された調査によると、56%が原発に不安を感じると回答し、感じないとした44%を上回った。
実際に原発依存脱却が可能と考える人は73%だった。
フランスの年間原子力発電量:3893億キロワット時
フランス南東部、ローヌ渓谷にあるクリュアス原子力発電所。控え目な風力タービンの向こうには2基の巨大な冷却塔がそびえ立つ。
基礎免震構造を採用した世界で2基しかない原発の1基で、1980年代初期に建設された。
各原子炉の基礎部分には、振動吸収性の高いクロロプレンゴムのパッド(厚さ数センチ)が1800枚以上設置されている。
同じ構造を有するもう1基は、南アフリカ、ケープ・タウン近郊のケーベルグ原子力発電所だ。
世界第2位の原発大国フランスの原子力発電量は、トップのアメリカの半分に満たない。
しかし依存度は最も大きく、電力の8割以上を国内19カ所、計58基の原子炉で生産している。
アメリカ、ノースウェスタン大学の地球物理学者セス・スタイン氏は、「フランスの地震危険度はそれほど高くない。
最も活発な地域でも、地震の少ないアメリカ東部や中部と同程度だ」と言う。
クリュアス原発の立地場所は地震危険度の低い地域だ。
スタイン氏によると、最も地震活動が活発なのはドイツとの国境に沿ったライン川の峡谷付近だという。
フランス、ドイツ、ベルギー、オランダの地震危険度の一部は、峡谷に沿って走る断層系が原因になっている。
1977年に運転開始したフランス最古のフェッセンハイム原発も同地域の近くに存在する。
世界の地震危険度は、世界地震ハザード評価プログラムが作成した地図が参考になる。同プログラムは1992~1999年に活動。
各国で異なる危険度を統一基準で算出し直し、世界地図上に見やすく表現している。
Photograph by Charles Platiau, Reuters