脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

アメリカよりも財界よりも、市井の国民を愛せよ。

2015年07月18日 23時13分28秒 | 雑談
巨額工費で着工されかけていた新国立競技場建設問題が白紙に戻った。
安保法制が、国民の広範から反対・疑問視されつつあった折、政権が
急遽、政治決着に乗り出した感じである。つまり何事もなければ、
多分あのプラン(総工費2520億円)で通ってしまったのだろう。

2012年の国際コンペ当時では、総工費は1300億円だったそうで、それが
どのようにして倍近くに跳ね上がったのだろうか? 様々な利権業者が、
大規模なハコモノ建設に食らいつき、数字を膨らませてしまったのだろ
うか? 業者や利害関係者の「前捌き」が上手に出来ないと、予算はピ
ラニア業者の餌食ともなろうが、今回の件もそんな処だったのだろう。

オリンピックというものは、第一回目の開催は国家の威信、先進国の通
過儀礼、世界規模のスポーツの祭典という、ややキレイ目な線で見える
ものだが、二回目以降は、建設その他事業者にビジネスチャンスを与え
るための、「事業者五輪」「経済五輪」っぽくなっていく気がする。

私はオリンピックをやるくらいなら、福祉にカネを使えという方の人間
であるが、誤解も覚悟で千万歩譲ると、オリンピックをやるくらいなら、
個別的自衛権を強化する何らかの方途にカネを使って貰いたい。
ミサイル防衛システムの導入やスパイ衛星を打ち上げる予算に届かなく
とも、近隣諸国との局地紛争への備えや、諜報活動の予算執行でもよい。

こんな案を記すのも本当はイヤなのだけど、国際情勢・軍事情報がアメ
リカ頼りで、独自に自国で収集する能力も低いニッポンの現状では、こ
のような基礎的側面でさえ対米従属で、日米安保を堅持せねば、国が危
ういという結論に行き着かざるを得ない。

日本は古来より、独立国家である。自衛隊はアメリカのための極東部隊
ではない。国際紛争を解決するに、日米同盟も大事ではあろうが、我が
国は平和主義(憲9条)が国是であるので、アメリカとは距離を図りつつ
付き合うべきであるし、と同時に自国自前での個別的自衛力を保持する
必要も決然とある(と私は考える)。

戦後の自民党政権では、田中角栄が日本独自の石油輸入ルートを確保し
ようと画策して、アメリカの逆鱗に触れて失脚(ロッキード事件)させら
れた。今の安倍政権は、岸・佐藤政権時代を踏襲する古臭い親米政権と
何ら変わらない。親米が一概に悪いとは思わないが、アメリカの家来で
は困るという話である。

アメリカの家来と経済界の政治部をやってきたのが、戦後の自民党であ
る。今もそのまんまである。戦後レジーム・戦後スキームそのものであ
る。長い封建時代から近代に移行した日本の政治風土と、日本の民主主
義に足りないものは、「愛国民心」、民を愛し思いやる気持ちである。

アメリカよりも、財界や富裕層よりも、市井国民とその生活を主役主眼
に据えた政治をどのようにして創り出せるかが、日本における真の民主
主義を量る試金石だと思う。


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