前回紹介した植物園の入り口前に川が流れ、落差1mほどの滝があり、その川(尾頭沢)に沿って遊歩道のような道があったので歩いてみました。少し行くと川幅3mほど、増水した水で向こう側へ渡れなくなってしまいました。(この川に沿って塩原へと続く道があったようである。)その阻まれたところに「文政六銘石造道祖神」という説明板が立っていました。周りを見回してもそんなものが見つからず、どこだろうと探したら、道の斜面の4mほどの高いところに立っていました。なかなか珍しい物なので写真に撮りました。
説明板によると「総丈60cm、女子像23cm、男根長さ16cm、蓮台最大幅36cm、光背最大幅27cm 道祖神は、路傍・村境にあって、邪悪のカミの村への侵入をふさぎとめる「ふさぎ」が祖形である。その起こりは、奈良時代に求められ、全国的な民俗信仰の一態様である。
この神体は、娘が男根を胸にいだいた姿をいやみなく陽刻したものであって、この姿態の道祖神は栃木県内では全く他に類例をみない。のみならず、群馬県や長野県などに散見できる男女抱擁像などに対比できる全国的にも珍しく貴重なものである。……省略
こうした時代背景の中で、上三依村の活況や尾頭峠越え塩原郷との盛んな交流があったこと、さらには、六地蔵などの他の石像の建立と併せて幅広い信仰の世界が存在したことを裏付ける貴重な一資料といえる。このように、『文政六年』と本体の造立年代が判然としていうることが、本町史上の背景的なことがらと併せて、本体の資料的価値を高からしめているといえる。」となっていました。
ちなみに文政六年は1823年です。葛飾北斎63歳、歌川広重26歳、勝海舟が誕生した年です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます