俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

藪医者

2013-05-04 11:16:00 | Weblog
 突然、歯を1本失くした。勿論、事故に会った訳ではない。歯科に行っただけだ。
 3週間ほど前に左下の奥歯の詰め物が取れた。私は医療を余り信用していないが、歯には自然治癒力が働かないのでかなり小まめに歯科に通っている。大阪にいた頃とは違ってこちらには行き付けの歯科が無く、たかが詰め替えだと思ったからロクに調べもせずに近所の歯科へ行った。これが大失敗だった。歯科医師は肝心の歯を無視して左上の歯を散々いじり、何の支障も無かった詰め物を詰め替えた。その後、歯垢や歯石を取り、更にレントゲン写真を撮った。
 左上の新しい詰め物は翌日には外れて、左奥の上下の歯に穴が空いた不愉快な状態で1週間を過ごした。
 二回目の診察はレントゲン写真の説明から始まった。「歯茎が弱っている」とのことだった。それから歯科技工士による歯石取りが30分ほど続いた。終わってホッとしているといきなり「歯を抜く」と言われた。左の上下のどちらかがそれほど悪いのかと思っていたら、治療をしたことさえ無かった右上の奥歯を抜き始めた。口を開けた状態だから文句も言えない。
 結局、歯科に2回行って、穴が空いたままの歯が1本、穴を空けられた歯が1本、勝手に抜かれた歯が1本という結果だ。その後、穴を空けたまま放置されていた歯はボロボロに欠けてしまった。中央に空洞があるままの状態で噛んでいたからだ。これで穴を埋めるだけではなく被せることが必要になっただろう。
 田舎の老人は医師を過信しているから言いなりになる。だからこんな無茶苦茶な医療が罷り通っているのだろう。ここにも都会と地方の格差を感じる。
 医療にはインフォームド・コンセントという言葉がある。当然、抜歯にも適用される筈だが、私は一度も同意した覚えが無いのに歯を抜かれてしまった。小学生の時に虫歯が悪化して乳歯を抜かれて以来初めてのことだ。治療の必要な場所は放置して悪化させられ、必要とは思えない抜歯だけをされた。日本の医療の問題点の縮図のような経験だ。

相互作用

2013-05-04 10:44:39 | Weblog
 3種類以上の薬を処方する医師は藪医者と考えて間違い無かろう。安全性が確認されていないことをするからだ。なぜ安全性が確認されていないのか。3種類以上の薬の相互作用については動物実験さえされていないからだ。
 100種類の薬があるとする。これから2種類の薬を選ぶ組み合わせは100×99=9,900通りだ。これが3種類になれば100×99×98=970,200通りになる。これほどバリエーションが多ければ有意なレベルでの実験など不可能だ。従ってやってみなければ分からない未知の領域であり、患者は実験動物だ。
 これと比べれば、遺伝子組替え食品の安全性は驚異的に高いレベルで実験されている。世界中の何億頭もの家畜が実験台になり、天文学的な量のデータが蓄積されている。
 マスコミは遺伝子組替え食品の危険性を指摘したがるがそれよりも遥かに危険な薬の相互作用については沈黙している。これは製薬会社が大切な「スポンサー様」でありその機嫌を損なわないことのほうが国民の健康よりも大切だと考えているからだろう。
 もし遺伝子組替え食品のメーカーがスポンサーになればマスコミは手の平を返して、遺伝子組替え食品の素晴らしさを絶賛するようになるだろう。