胎児の先天性異常の有無を調べる出生前診断が新潟大病院などで始まった。そのことの倫理的是非についてはここでは問わない。誤診率の高さのみを指摘する。約16.7%の人が誤って陽性と診断される恐れがあるからだ。(多分、100人に1人もいないと思うが、ここでピンと来た確率論に強い人には以下の文章は不要。)
前提条件を整理する。
①受診者の胎児にダウン症などの異常がある可能性は0.5%。
②陰性を陽性と誤る率は1/1000。(アメリカでのデータ)
③陽性を陰性と誤る率は1/100。(アメリカでのデータ)
以上が公表されているが、陽性と診断される人の約16.7%が実は陰性であることは書かれていない。わざと書かなかったのか気付かなかったのかは分からないが、このことまで公表すべきだろう。
なぜ1/1000と比べてこんなに大きなギャップが生じるのだろうか。これが確率のマジックだ。
受診者を10,000人とする。異常が無い人は9,950人で、ある人は50人と推定できる。
異常が無い9,950人の内、正しく陰性と判定される人は9,940人で、誤って陽性と判定される人は10人になる。
異常がある50人の内、正しく陽性と判定される人は49.5人で、誤って陰性と判定される人は0.5人となる。
以上から、60人が陽性と判定されるが、その内10人(16.7%)の人が実は異常が無い。
学校の数学ではこんなことを教えていないと思う。確率計算がこんなに役に立つことを知っていれば、みんなもっと熱心に数学の勉強をするのではないだろうか。
前提条件を整理する。
①受診者の胎児にダウン症などの異常がある可能性は0.5%。
②陰性を陽性と誤る率は1/1000。(アメリカでのデータ)
③陽性を陰性と誤る率は1/100。(アメリカでのデータ)
以上が公表されているが、陽性と診断される人の約16.7%が実は陰性であることは書かれていない。わざと書かなかったのか気付かなかったのかは分からないが、このことまで公表すべきだろう。
なぜ1/1000と比べてこんなに大きなギャップが生じるのだろうか。これが確率のマジックだ。
受診者を10,000人とする。異常が無い人は9,950人で、ある人は50人と推定できる。
異常が無い9,950人の内、正しく陰性と判定される人は9,940人で、誤って陽性と判定される人は10人になる。
異常がある50人の内、正しく陽性と判定される人は49.5人で、誤って陰性と判定される人は0.5人となる。
以上から、60人が陽性と判定されるが、その内10人(16.7%)の人が実は異常が無い。
学校の数学ではこんなことを教えていないと思う。確率計算がこんなに役に立つことを知っていれば、みんなもっと熱心に数学の勉強をするのではないだろうか。