俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

2013-12-03 09:00:29 | Weblog
 変な記事ばかり書いているが私は極めて常識的な人間だ。大学生の頃は「狂気」を求めたものだ。余りにも常識的過ぎる自分に腹を立てたからだ。ところが酒を飲むと常識の枠が緩んで発想が柔軟になる。通常なら思い付かないことにも突然気付く。脳の一部が機能不全に陥ることによって普段とは違った思考回路が働くからだろう。勿論、大半は酔っ払いの思い付きのレベルに過ぎない。たまに妙案があるだけだ。
 アルコールはまずアセトアルデヒドと水に分解される。この化学式は
 2C2H5OH+O2→2CH3CHO+2H2Oとなる。
 アセトアルデヒドは有害物であり脳に異常な反応を起こさせるほか悪酔いや二日酔の原因ともなる。アセトアルデヒドは更に分解されて酢酸になる。この化学式は
 2CH3CHO+O2→2CH3COOHだ。
 この2つの化学式から明らかなようにアルコールの分解には酸素が必要で、酸素が充分に補給されれば無害な酢酸にまで分解されるが不充分だと有害なアセトアルデヒドのまま留まるということだ。飲酒時に呼吸が荒くなるのは正常な反応であり、カラオケで歌えば呼吸量が増えるので悪酔いしにくくなることも納得できる。
 アルコールの一番の利点は気分が軽くなることだ。抑鬱的な性格の人は思考が堂々巡りをして前へ進まないことがあるが、脳が軽快になれば発想も広がる。
 酒は気狂い水と酷評されることもあるが、肝臓を傷めない程度での飲酒なら抗鬱剤よりも遥かに有効で安全な薬ではないだろうか。だからこそ人類は数千年に亘って酒を楽しんでいる。 

失業対策

2013-12-03 08:29:05 | Weblog
 終戦(正しくは「敗戦」)直後には国中に失業者が溢れていたので失業対策が急務だった。失業者の受け皿は主に3つあった。零細農家と個人商店と公務員だ。これらは失業対策だったから法律などによって保護されこれが長期に亘って日本の社会を歪めた。
 GHQの農地改革によって生まれた大量の零細農家は食管法などによって保護された。農家は米さえ作っていれば生計が成り立つように優遇された。その後は「減反」という働かなければ金が支給されるという訳の分からない制度や、税金で票を買う戸別所得補償というバラ撒き政策まで行われていた。このようにして農家を守るために農業が犠牲にされ続けた。
 個人商店は百貨店法や大店法などによって保護された。意欲も能力も乏しい商店主を保護するために商業の合理化が犠牲にされ消費者がそのツケを払わされた。こういった個人商店は大店法によって規制されないコンビニによって淘汰されつつある。
 地方公務員は必要数の数倍が雇用された。穴を掘っては埋めるだけの作業と同等であろうとも、彼らが失業者を経て犯罪者になるよりはマシだった。だから暇を持て余す公務員が日本中に溢れ返った。当初の公務員の給与水準は低かった。失業対策なのでそれは当然のことだ。ところが民間企業の賃金の上昇に合わせて賃上げされ、民間の賃上げが止まっても公務員の給料だけは上がり続けた。
 失業対策に使われたのは税金だ。零細農家と個人商店は税制においても優遇された。9・6・4(クロヨン)とも10・5・3(トーゴーサン)とも揶揄されながらも不公平税制が是正されなかったのはこれが失業対策だったからだ。公務員の給料は100%税金だ。
 これらの非生産的な失業対策が戦後70年を費やしてようやく終わりつつある。最後に残されていた農家に対する過保護も2018年には解消されるようだ。これらを悪政と決め付けることは必ずしも正しくなかろう。70年懸けてソフトランディングさせたと考えれば長期ヴィジョンに基づいた政策だったと評価できるだろう。