俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

誤報

2013-12-26 19:11:17 | Weblog
 毎日新聞による誤報が相次いでいる。忘年会の酒が抜けていないのだろうか。
 23日には「高橋は五輪絶望」という見出しの記事を掲載した。ところがその日の夜に高橋選手はフィギュアスケートの日本代表に選ばれた。
 25日には「阿部首相:年内の靖国神社参拝見送り」という見出しの記事を載せたが、安倍首相はその翌日26日に参拝した。
 25日の記事には同情の余地がある。もしかしたら毎日新聞がこう書いたから、周囲から突き上げられた首相が参拝を決断したのかも知れない。これは予言のパラドクスであり得る。しかし23日の記事は全く駄目だ。記者もデスクも「代表選考基準」を理解していなかったための誤報だ。その後の対応も不充分だ。他紙もテレビも大半が「高橋か小塚か」という曖昧な予想を報じ、決定後はその事情を割りと詳しく報じた。毎日新聞だけは「触らぬ神に祟り無し」とばかりに極力触れないように努めているようだ。勿論、誤報の存在については全く無視している。情けない話だ。
 この毎日新聞の姿と比べて誤報のご本尊たる朝日新聞は堂々としている。流石に珊瑚礁のKY落書き事件だけは、事実が余りにも明々白々だったために陳謝したが、それ以外では開き直りと詭弁によって絶対に誤りを認めようとはせず、これが日中・日韓関係の悪化の原因であろうとも全く意に介しない。頬被りする毎日新聞は誤報を恥じているようだが、強弁する朝日新聞は最早確信犯だ。多分、誤報対応マニュアルまで用意してあるのだろう。嘘も言い続ければ本当になると信じているのだろうか。困ったものだ。

 ♡コメント欄に毎日新聞の記事を掲載しました。

天才の引退

2013-12-26 10:09:15 | Weblog
 安藤美姫選手が引退を表明した。惜しい選手だ。本来の才能を発揮し切らないままでの引退だ。天賦の才においては浅田真央選手を上回っていたのではないかと私は思っている。女子で殆んど唯一と思える4回転ジャンプの成功や突然見せる爆発力(世界選手権でも2度優勝)などのムラのある実績は天才性の現れだろう。
 なぜ才能を生かし切れなかったのか。それは彼女の競技に対する不真面目さが最大の原因だろう。最盛期に芸能活動に精を出し、最後のチャンスには妊娠・出産をした。なぜあと1年待てなかったのだろうか。ソチ五輪までは恋愛も自粛すると宣言した浅田選手とは余りにも姿勢が違い過ぎる。
 もし出産から1年後でもオリンピックに出られると思っていたのなら思い上がりも甚だしい。他の選手が黙々と練習に励んでいるだけにそのギャップが埋まる筈が無い。芸能活動を続けていても一流であったことが招いた思い上がりだろう。とは言え、体形も変化したのに復帰後、僅か半年のトレーニングで全日本選手権で7位になったのだから、やはり凄い才能だ。もし優勝を狙わなかったら3位ぐらいにならなれたのではないだろうか。
 「策士、策に溺れる」と言うが、天才は才に溺れ勝ちだ。頑張らなくてもNo.1であれば世間を甘く見てしまう。残念ながらコーチとして成功することは難しかろう。例えば長嶋茂雄氏は天才的な選手だったからこそコーチとしては殆んど役に立たなかった。なぜなら「ピュッと来た球をパッと打て」という類の感覚的な指導では誰も納得できない。天才が無意識で行う技は本人にも他人にも理解できない。むしろ努力を積み重ねて技術を習得した一流半の選手のほうが良いコ^チになれるだろう。
 運動神経を司る小脳と同程度に大脳が働いていれば、彼女はもっと偉大なアスリートになれたと思うだけに残念な選手だ。

文明破壊

2013-12-26 09:37:12 | Weblog
 北京市共産党委員会は「人口増加を抑えることが大気汚染や交通渋滞など、様々な問題解決の核心である」と発表した。皮肉なことにこの目標は共産党が頑張らなくても達成される。北京の人口は勝手に減って「問題解決」へと向かう。主な原因はPM2.5などによる大気汚染だ。
 寒冷地である華北の空気は南部よりも酷く汚染されている。マサチューセッツ工科大学などの調査によると華北に住む5億の中国人民の寿命は南部より5.5年短いらしい。今後、視界の不良により交通事故が多発するし、紫外線欠乏症も起こるだろう。そしてこんな危険な環境から逃れる人も少なくなかろう。
 人は文明によって幸福になれる。人を幸福にしないならそれは文明ではない。権力者による文明破壊だ。同様に人は政治によって幸福になるべきであって人を不幸にする政治は人民のための政治ではない。単に権力者のための政治だ。
 中国と朝鮮の歴史を勉強していて呆れることがある。政治が国民不在の権力争いであることだ。国が危機的状況に陥っていても権力争いが最優先され続けた。「一時休戦」ということは起こらない。権力者だけが主権者であって人民は奴隷か家畜のように位置付けられた。
 元恋人の玄松月氏に続いて叔父の張成沢氏も粛清した金正恩第一書記が「米の代わりに肉を食べれば食料不足は解消する」と訓示したそうだが、これはマリー・アントワネットの「パンが無ければお菓子を食べれば良い」のパロディではないようだ。「人肉を食べて飢餓を凌げ」という物凄い命令なのではないだろうか。
 マシンガンでバラバラにされた後、火炎放射器で焼かれたと噂される張氏の遺体は犬の餌にされたのではなく兵士に食料として配給されたのではないだろうか。この時期での場違いな「肉を食え」という発言はそんな恐ろしい意味ではないだろうか。