食道にステントを装着して以来、嘔吐をしなくなった。だから徐々にではあるが食事の量を増やしている。患う前と比べれば25㎏も体重が減っているから、食事の量を多少増やしても二度とかつてのレベルに戻ることは無かろうし体力も戻るまい。
徐々にしか増やせないのは常に痛みがあり、特に食中・食後には痛みが増すからだ。私だけではなく、ステント装着者の多くが痛みに悩み鎮痛剤を常用するそうだ。私の主治医もまた頓服薬を勧めるが私は極力飲まない。知人と会うなど特別な事情が無い限り痛みに耐えることにしている。
人は痛みに弱い。痛むだけで気力も意欲も萎える。腹部に痛みを覚えると少しでも楽になろうと考えて横になるから勉強する時間やパソコンを扱う時間が減って寝る時間ばかりが増える。痛みに悶々として時間を浪費するぐらいなら鎮痛剤で痛みを抑えて学習や思考に充てる時間を増やすべきではないかとしばしば迷う。残された時間が少ない私にとって生活の質を高めることが最優先課題なのだがそれでも鎮痛剤の使用を抑制するのは主に3つの理由に基づく。
①鎮痛剤は治療薬ではない。あくまで痛みを感じにくくするだけだ。今はこのレベルの薬で有効であっても常用すれば薬に対する耐性が高まってもっと強い薬が必要になるだろう。強い薬は副作用も強い。
②副作用が怖い。感染症と欠乏症に対する薬は原因療法薬だがそれ以外の薬は殆んどが体に異常反応を起こさせる危険物だ。病原菌に対する抗生物質と欠乏症に対する栄養補給剤以外の薬は殆んどがただの対症療法薬だ。不快な症状を緩和するだけであって治療効果は全く無い。特に鎮痛剤の多くは「痛みを鎮める薬」でさえなく神経に働き掛けて「痛みを感じにくくさせるだけの薬」だ。一時的に痛覚等を麻痺させることによって痛みを緩和する。痛覚を狂わせるということは神経細胞に異常反応を起こさせるということだ。当然副作用を伴う。抗癌剤ほど明確ではないとは言え、薬は必ず副作用を伴うものだ。
③痛みとは本来警鐘だ。痛みを感じることによって患部を保護するから悪化が防止される。ステントによる痛みは人工的な痛みだから自重しても鎮まらないが、それを強引に鎮めようとして薬に頼れば、本来感じて警戒すべき痛みが見過ごされかねない。手術のために全身麻酔をしていれば手術とは全然関係の無い場所が傷付けられても分からないように鎮痛剤のせいで不良個所が見逃される恐れがある。
私は対症療法を危険な医療と考えている。だからたとえ楽になると分かっていても鎮痛剤には極力頼りたくない。勿論それが耐え難いほどの痛みであれば事情は違う。末期の癌の激痛に苦しむ時には迷わずにモルヒネに頼るだろうが軽微な痛みなら極力我慢して済ませたい。
徐々にしか増やせないのは常に痛みがあり、特に食中・食後には痛みが増すからだ。私だけではなく、ステント装着者の多くが痛みに悩み鎮痛剤を常用するそうだ。私の主治医もまた頓服薬を勧めるが私は極力飲まない。知人と会うなど特別な事情が無い限り痛みに耐えることにしている。
人は痛みに弱い。痛むだけで気力も意欲も萎える。腹部に痛みを覚えると少しでも楽になろうと考えて横になるから勉強する時間やパソコンを扱う時間が減って寝る時間ばかりが増える。痛みに悶々として時間を浪費するぐらいなら鎮痛剤で痛みを抑えて学習や思考に充てる時間を増やすべきではないかとしばしば迷う。残された時間が少ない私にとって生活の質を高めることが最優先課題なのだがそれでも鎮痛剤の使用を抑制するのは主に3つの理由に基づく。
①鎮痛剤は治療薬ではない。あくまで痛みを感じにくくするだけだ。今はこのレベルの薬で有効であっても常用すれば薬に対する耐性が高まってもっと強い薬が必要になるだろう。強い薬は副作用も強い。
②副作用が怖い。感染症と欠乏症に対する薬は原因療法薬だがそれ以外の薬は殆んどが体に異常反応を起こさせる危険物だ。病原菌に対する抗生物質と欠乏症に対する栄養補給剤以外の薬は殆んどがただの対症療法薬だ。不快な症状を緩和するだけであって治療効果は全く無い。特に鎮痛剤の多くは「痛みを鎮める薬」でさえなく神経に働き掛けて「痛みを感じにくくさせるだけの薬」だ。一時的に痛覚等を麻痺させることによって痛みを緩和する。痛覚を狂わせるということは神経細胞に異常反応を起こさせるということだ。当然副作用を伴う。抗癌剤ほど明確ではないとは言え、薬は必ず副作用を伴うものだ。
③痛みとは本来警鐘だ。痛みを感じることによって患部を保護するから悪化が防止される。ステントによる痛みは人工的な痛みだから自重しても鎮まらないが、それを強引に鎮めようとして薬に頼れば、本来感じて警戒すべき痛みが見過ごされかねない。手術のために全身麻酔をしていれば手術とは全然関係の無い場所が傷付けられても分からないように鎮痛剤のせいで不良個所が見逃される恐れがある。
私は対症療法を危険な医療と考えている。だからたとえ楽になると分かっていても鎮痛剤には極力頼りたくない。勿論それが耐え難いほどの痛みであれば事情は違う。末期の癌の激痛に苦しむ時には迷わずにモルヒネに頼るだろうが軽微な痛みなら極力我慢して済ませたい。