俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

生活習慣病

2016-08-04 09:38:09 | Weblog
 昨年、いつの間にかコレステロールの摂取制限が撤廃された。より正確には、厚生労働省の公式文書から、コレステロールの摂取制限に関する字句が削除された。これがお役所流だ。間違いを認めずにさりげなく抹消することによって無かったことにする。
 今年の5月には糖尿病の基準値が修正され、年齢ごとの基準値が改めて提示された。これは実質的には、従来の低過ぎる基準値を見直すものだ。
 厚労省は間違いとは認めずあくまで新基準と言う。そうやって済し崩しに誤りを抹消する。しかしこれらは次のステップのための布石ではないかと私は考えている。いよいよ来年辺り、本命が見直されると期待している。それは高血圧症の基準値だ。
 高血圧症の基準値はこれまで見直される度に厳しくされた。私が子供の頃は「年齢+90」と言われたものだが現在の基準値は年齢を考慮しないから殆んどの高齢者が降圧剤を飲まされている。
 加齢に伴って血圧が高くなることには生理学的な理由がある。主な原因は動脈に血栓などが付着することによって血管が固くかつ細くなることだ。弾力性のある血管は膨らむことによって血圧を下げるが血管が固くなれば膨らまなくなる。膨らむ余裕の無いタイヤや風船が空気圧を軽減できないように、弾力性の乏しい血管が血圧を高くする。
 年齢を重ねれば血管は細くなる。ホースに水垢が溜まるように血管には血栓が溜まって細くなる。狭くなった血管でそれまでと同量の血液量を流そうとすれば血圧を高めて血流を早めねばならない。高齢者の血圧が高くなるのは障害ではなく脳に充分な血液を巡らせるために必要な適応だ。こんな人の血圧を降圧剤によって下げてしまえばどうなるか?脳に充分な血が回らなくなるから知的障害や運動障害を起こす。血圧を下げられたために知的障害の症状を起こす高齢者は決して少なくない。藪医者はこれを初期のアルツハイマー病と誤診して効きもしないのに副作用ばかり多い認知症治療薬を処方して更に悪化させる。降圧剤をやめるだけで治る医原病であると彼らは考えない。
 三大生活習慣病はそれぞれの専門医の学会が勝手な基準値を設けることによって大量の患者が捏造された。無駄で有害なこれらの偽医療が見直されるだけで高齢者は今よりもずっと健康になり同時に医療費も大幅に削減される。無駄で有害な偽医療の存在を今すぐにでも認めて改めるべきだ。