スポーツにおいて逆転勝ちはなぜ起こるのだろうか。日本人には非常に悪い癖がある。すぐに精神論や根性論に結び付けたがる。これは戦前から変わっておらず、特に体育会系で受け継がれる悪しき偏見だろう。実際には運動を続ければ誰でも体力も気力も消耗する。但し体質によって消耗の仕方が異なる。基本的には瞬発力が高い人やチームは序盤に強く、持久力が高ければ終盤に強い。これを根性などの精神論に置換すべきではなかろう。
なぜなのか分からないが日本人は概して瞬発力が乏しく持久力が高い。この傾向はスポーツに限られたことではなく日常生活やビジネスにおいても同様だ。どちらかと言えばスロースターターでありそのペースを維持する能力に長けている。これは日本人の肉体的特徴と言えるだろう。
これは多分日本という風土によって培われた民族性だろう。海で隔てられた狭い国土に住む日本人にとっては短期決戦よりも長期的な勝利のほうが重要だったのだろう。大陸のように様々な人々が入り乱れる状況であれば先手必勝が鉄則だ。最初の戦いで負ければ殺されるから次のチャンスは無い。だから瞬発力の高い人々が生存競争を勝ち抜いた。
日本においては負けは死を意味しない。負けても命までは奪われないことが多い。だから耐え忍んで次のチャンスに備えることが戦略として有効だった。日本の将棋では取った敵の駒が味方の駒になる。外国にはこんなルールの将棋は無く敵兵は殺す対象でしかない。狭い国土で文化を共有する日本人は、言葉も文化も異なる異民族同士での殺し合いとは異なる闘い方をしていたと思われる。
全く違った仮説も成り立つ。短期決戦は弱者の戦略だ。弱者が強者に勝つ可能性が最も高いのはイチかバチかの大博打においてだ。じっくり戦えば地力に優るほうが勝つ。リーグ戦を勝ち抜くことが難しいチームでもトーナメント戦で奇襲を仕掛ければ勝ち残れるかも知れない。
その一方で強者は勝ちを急ぐ必要など無い。勝つことよりも負けないことを目標にして相手の首を真綿で締め上げていればその内、相手が音を上げる。雌雄を決するよりも戦わずして勝つことこそ好ましい。
弱者の戦略と強者の戦略を比べた場合、後者の勝率のほうが圧倒的に高くなるだろう。それは、不利な側が無理攻めをすることによって一層不利になるからだ。これを外から観察していればどう見えるだろうか。奇襲を仕掛けた側が消耗し、堂々と受けた側は序盤の不利を覆したように見える。「勝てば官軍」なのだから耐えた末での勝利が高く評価される。このことによって日本人は余計に逆転勝ちが好きになる。
逆転勝ちの多くは堅実な勝利だ。元々地力に優る側が相手の奇襲を凌いで勝つか、持久力に優る側が相手のスタミナ切れに付け込んでの勝利だ。決して「諦めなかったから勝てた」訳ではない。地力において劣る側が玉砕覚悟で掴んだ勝利こそ真の「諦めなかったからこそ得られた勝利」だろう。こちらのほうが逆転勝ちよりも値打ちがあると思うのだがなぜか日本人はこんな勝利を余り高く評価しない。
なぜなのか分からないが日本人は概して瞬発力が乏しく持久力が高い。この傾向はスポーツに限られたことではなく日常生活やビジネスにおいても同様だ。どちらかと言えばスロースターターでありそのペースを維持する能力に長けている。これは日本人の肉体的特徴と言えるだろう。
これは多分日本という風土によって培われた民族性だろう。海で隔てられた狭い国土に住む日本人にとっては短期決戦よりも長期的な勝利のほうが重要だったのだろう。大陸のように様々な人々が入り乱れる状況であれば先手必勝が鉄則だ。最初の戦いで負ければ殺されるから次のチャンスは無い。だから瞬発力の高い人々が生存競争を勝ち抜いた。
日本においては負けは死を意味しない。負けても命までは奪われないことが多い。だから耐え忍んで次のチャンスに備えることが戦略として有効だった。日本の将棋では取った敵の駒が味方の駒になる。外国にはこんなルールの将棋は無く敵兵は殺す対象でしかない。狭い国土で文化を共有する日本人は、言葉も文化も異なる異民族同士での殺し合いとは異なる闘い方をしていたと思われる。
全く違った仮説も成り立つ。短期決戦は弱者の戦略だ。弱者が強者に勝つ可能性が最も高いのはイチかバチかの大博打においてだ。じっくり戦えば地力に優るほうが勝つ。リーグ戦を勝ち抜くことが難しいチームでもトーナメント戦で奇襲を仕掛ければ勝ち残れるかも知れない。
その一方で強者は勝ちを急ぐ必要など無い。勝つことよりも負けないことを目標にして相手の首を真綿で締め上げていればその内、相手が音を上げる。雌雄を決するよりも戦わずして勝つことこそ好ましい。
弱者の戦略と強者の戦略を比べた場合、後者の勝率のほうが圧倒的に高くなるだろう。それは、不利な側が無理攻めをすることによって一層不利になるからだ。これを外から観察していればどう見えるだろうか。奇襲を仕掛けた側が消耗し、堂々と受けた側は序盤の不利を覆したように見える。「勝てば官軍」なのだから耐えた末での勝利が高く評価される。このことによって日本人は余計に逆転勝ちが好きになる。
逆転勝ちの多くは堅実な勝利だ。元々地力に優る側が相手の奇襲を凌いで勝つか、持久力に優る側が相手のスタミナ切れに付け込んでの勝利だ。決して「諦めなかったから勝てた」訳ではない。地力において劣る側が玉砕覚悟で掴んだ勝利こそ真の「諦めなかったからこそ得られた勝利」だろう。こちらのほうが逆転勝ちよりも値打ちがあると思うのだがなぜか日本人はこんな勝利を余り高く評価しない。