俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

単品ダイエット

2013-04-21 10:00:02 | Weblog
 単品ダイエットは有効だろう。その理由は2つある。①栄養の不足②その食品固有の毒素の集積。どちらにしても有害だから痩せるということだ。
 私が単品ダイエットについて初めて知ったのは「ゆで卵ダイエット」だった。当時オリックスに所属していた門田博光選手が取り組んで効果があったと言われていた。
 多分ゆで卵ダイエットは一番マシな単品ダイエットだろう。あらゆる食物の中で最も完全栄養食に近いと言われる鶏卵を使うからだ。生命そのものとも言える卵をそのまま食べれば一物全体食にもなる。それでも痩せるということこそ単品食の危険性の証明だ。
 ある本で医師がこんな報告をしていた。それまでに全く知られていない奇病の患者に出会った。その患者はここしばらくハクサイしか食べていなかったとのことだった。これは栄養失調だけではなく、ハクサイの微量毒素が蓄積されたことが原因らしい。
 総ての植物は何らかの毒素を持つ。これは草食動物によって絶滅させられないために必要不可欠な進化だ。食用に使われる野菜は人類が長い年月を費やして品種改良を重ねた物だ。それでも微量の毒素が残っている。だから同じ野菜を大量に食べればこの毒素が有害なレベルに達してしまう。
 地産地消も危険だ。その土地特有の微量毒素が蓄積されるからだ。これは極端な例だが、水俣に住んで地元の新鮮な魚を沢山食べた人ほど多くの水銀を摂取したので水俣病が重篤化した。
 単品ダイエットは危険だ。門田選手の場合はそれまでに充分な栄養の蓄積がありしかも最も栄養価の高い卵だったから成功した訳であり、多くの場合は健康を損なう。最悪はコンニャクだ。大宅壮一氏はこれが原因で亡くなったらしい。そして既に充分過ぎるほどに痩せている若い女性の単品ダイエットに至っては狂気の沙汰としか言いようが無い。

アンケート

2013-04-21 09:27:18 | Weblog
 yesかnoかを問うアンケートを悪用すれば簡単に情報操作ができる。4月17日の朝日新聞の朝刊にはこんなアンケート結果が掲載されていた。
 〔前略〕国会に提出された新しい区割り法案では、一票の価値が重い選挙区と軽い選挙区の格差は最大でほぼ2倍です。格差の是正はこれで十分だと思いますか。不十分だと思いますか。
     十分だ 18(%)    不十分だ 64(%)
 この結果から「0増5減では駄目だと国民は考えている」と結論付けるのだけはやめて貰いたい。こんな質問をされたら私だって「不十分だ」と答えるが、とりあえず「0増5減」ぐらいは早急に実現すべきだと考えている。
 この質問には価値判断が含まれている。「一票の価値が重い」や「格差の是正」などだ。こんな余計なことなど言わずに「0増5減は必要か否か」を問うべきだろう。
 私の本音は国民が「票」という抽象的な形でしか意思表示ができない選挙制度そのものに反対だ。「選べない」選挙区が沢山あることにも、死に票が大量発生する小選挙区制度にも反対だ。そして東京に沖縄の10倍もの議席が割り当てられている(東京は小選挙区25議席+比例区17議席=42議席、沖縄は小選挙区4議席)「地域間格差」にも反対だ。ところが選択肢から選ぼうとすれば「不十分だ」しか選べない。選挙制度そのものに不満があるのに、最低限必要だと考えている「0増5減」に反対という形で集計されてしまう。これはかなり明確に悪意のある情報操作だろう。
 例えばこんなアンケートがあればどんな答が集まるだろうか。「TPPのために日本の農業が滅んでも構いませんか。」多分殆んどの人がnoと答えるだろう。だからと言って「農業を破壊するから殆んどの国民がTPPに反対している」と結論を出されては困る。
 これほど露骨なインチキアンケート結果に騙される人は流石に少ないとは思うが、これと同じようなアンケートが頻繁に見受けられる。

環境

2013-04-19 13:55:13 | Weblog
 何が大気の温度を決めるだろうか。素人考えだが①太陽85%②地球10%③人類5%、ぐらいではないだろうか。太陽の活動が最重要であり、黒点の増減だけで地球の大気の温度は大きく変動する。あるいは火山が大噴火をすれば気温が低下することは科学的にも歴史的にも実証されている。
 これらと比べれば人類による影響など微々たるものだ。二酸化炭素による地球の温暖化はその一部に過ぎない。これを針小棒大に騒ぐなど馬鹿げている。どうでも良いことをやって自己満足を得るのは、飢餓に苦しむ人を救うために日本人全員が食事の量を1%減らす運動と同じぐらいに虚しい。
 地球温暖化を騒ぐ人に、太陽と火山の見通しについて尋ねても何も答えられない。温暖化あるいは寒冷化の要因の95%を無視して5%だけを騒いでいる。
 彼らは反論するだろう。「太陽や地球は変えられないがCO2の排出量なら改めることができる。」一理ある。それでも太陽と地球の動向について見通しを立てた上で人類に可能な対策を検討すべきだろう。もし太陽活動が不活発になりつつあるのなら温暖化は必要なことだ。こんな優先事項さえ調べずに議論すべきではない。
 こんなくだらないことを騒ぐよりも中国による大気汚染こそ問題とすべきだろう。これは国内問題ではない、国際問題だ。温暖化とは違って99%人為でありしかも大半が国内法にさえ背いている。
 できないこと・分からないことを改善しようとするよりもできることに目を向けるべきだ。

養老放棄

2013-04-19 13:27:55 | Weblog
 今年1月の生活保護受給世帯数は1,572,966世帯で9ヶ月連続して過去最高を更新し続けているそうだ。内訳は高齢者43%、傷病者19%、障害者11%、母子世帯7%、その他18%とのことだ。
 マスコミがしばしば問題にするのは、働ける人が多く含まれる「その他」だが、私は高齢者を問題にしたい。
 なぜ682,428世帯の高齢者が生活保護を受けているのだろうか。年金も身寄りも無い可哀相な人だろうか。多分、養老放棄が少なくないと思う。
 育児放棄なら犯罪だ。両親が遊び呆けて子供に充分な食事さえ与えていなければ児童虐待として罰される。同様に息子・娘が遊び呆けて養老を怠ることも犯罪ではないだろうか。
 遊び呆けるというほど極端な話でなくても、両親が普通の生活をしながら子供に不自由な生活をさせているなら問題だろう。ところが息子・娘が親を助けなくても問題にはされず国が生活保護で面倒をみる。
 殆んどの人は養老放棄などしていない。年老いた親の生活を支援している。ところが養老放棄をすれば親は生活保護の対象になる。これは実質的に養老放棄者に対する支援になる。
 普通なら自分達の支出を削って親の支援をするものだ。この支援を国が肩代わりしてくれるというのだから、これでは親不孝奨励策のようなものだ。
 子供の負担にはなりたくない、という親の心情は理解できる。しかし親不孝者の利益の拡大のために税金が使われていることは納得できない。扶養親族控除などの見直しによって何らかの改善ができないものだろうか。

自然

2013-04-18 10:02:08 | Weblog
 日本人は自然が大好きだ。自然は優しく癒されるものというイメージを持っている。しかし自然とは危険なものだ。
 プールと比べて海や川は怖い。海には潮の流れがあるし危険な動物も沢山いる。鮫だけではない。実は鮫による被害は意外と少ない。この10年間では世界で年平均60人が被害に会い死者は6人ほどだ。映画の「ジョーズ」のショックが強過ぎるようだ。むしろ無数に棲息するクラゲのほうが怖い。川は急に深くなるし上流で雨が降れば突然増水する。海や川と比べればプールの安全性は桁違いだ。
 野生の植物も怖い。毒があるのはキノコだけではない。大半の植物が毒性を持っている。これは草食動物に食べられないために進化したからだ。実を食べられることは種の拡散に繋がるが「身」を食べられたら元も子も無い。
 もっと恐ろしいのは地震だ。勉強不測なので大地の移動によって接岸した島を私は2つしか知らない。伊豆半島とインド亜大陸だ。たまたま私が知っているこの2ヶ所の近辺で続けざまに、地球スケールで言えば殆んど同時に、地震が起こった。これがプレートの移動の前兆であれば恐ろしい。伊豆半島を日本列島に接続し、インド亜大陸をユーラシア大陸にぶつけてヒマラヤ山脈を造ったプレート移動という巨大な力が働けばとんでもないことになる。
 インド亜大陸の激突が再現するなどと言うつもりは無い。それの何万分の一、何億分の一の力で人類は空前絶後の被害に見舞われる。
 プレートなんて地表だ。地球全体から見ればほんの上っ面に過ぎない。そんな表層の異変だけで人類は大きな被害を被る。プレートのエネルギーに対して人類の文明は余りにも無力だ。東日本大震災や阪神大震災とは次元の違う大地震に対して人類はなす術を知らない。我々は薄氷の上で生きているということを痛感せずにはいられない。

薬のリスク(6)

2013-04-18 09:28:28 | Weblog
 薬のリスクについてこれまでにバラバラに何度も書いたので一度整理しておく。
 薬とは本質的に毒物であり、薬による治療とは「毒を以って毒を制す」ことだ。薬を飲めば次に挙げる4種類の弊害を覚悟する必要がある。①副作用②機能の低下③利敵行為④医原病。
 ①副作用・・・副作用の無い薬は無い。薬は毒物だから想定外の場所で良からぬ作用をする。サリドマイドによる奇形児出産や胃腸薬に使われていたキノホルムによるスモン病などが代表例だ。
 ②機能の低下・・・薬が内臓の機能の一部を代行すれば内臓はその機能を更に低下させて薬に依存するようになる。これは歩かなければ足の機能が衰えて歩けなくなるのと同じことだ。不調を薬によって補うのはあくまで緊急避難に留め、食事や運動などの生活習慣を改めて体質改善を図ることが必要だ。
 ③利敵行為・・・風邪をひいた時の解熱剤が典型例だ。体温が上がることには2つのメリットがある。熱に弱い細菌・ウィルスの活動を抑えることと免疫機能の活性化だ。薬で体温を下げることは細菌・ウィルスを利することにしかならない。風邪を治す薬を発明したらノーベル賞が貰える、と昔から言われている。つまり現時点では風邪を治す薬など存在しない。感冒薬と称する物はいずれも症状を誤魔化す効果しか持っていない。
 ④医原病・・・これは①~③と重複するが問題が深刻なので敢えて項目として取り上げた。血圧や血糖値を下げる薬を処方された老人が認知症のような症状を起こすことがある。これは薬のせいで脳に充分な栄養が回らなくなるせいだ。薬をやめさえすればこの症状は治まるのだがそうせずに認知症の治療薬として殆んど薬効の無い新たな毒物まで処方されていれば廃人にされる。医原病はこれ以外にも無数にある。薬で治された人よりも殺された人のほうが多いのではないだろうか。

枠の中

2013-04-16 10:23:27 | Weblog
 行動経済学あるいはゲーム理論の分野で一時期大ブームになった心理実験がある。独裁者ゲームという。これは最終通告ゲームのバリエーションの1つだ。
 最終通告ゲームでは預かった金の分配を通告者役が提案して、被通告者役はその提案を受け入れて金銭を得るか拒絶して両者を無報酬にするかを決める権限を持つ。この拒否権を無くして通告者役が一方的に分配額を決めるのが独裁者ゲームだ。このゲームでは独裁者役の70%が被通告者役に分配し、その平均額は20%程度だそうだ。
 人間の倫理性を信じたがる無邪気な人達はこの結果を喜んだ。人は何のメリットも無くても利益を分かち合えることが証明されたと彼らは考えた。
 ところが捻くれた人はいるもので、独裁者ゲームのルールをこう変えた。「被通告者役に分配しても良いし1ドルを巻き上げても構わない」すると状況は激変した。分配する人は35%に半減し、20%の人は分配しないだけではなく1ドルを巻き上げた。
 この実験が明かしたことは人間の倫理性とは全く関係が無い。人は枠組みの中で考えるということだ。「分配せよ」と言われたら分配するし、「巻き上げても良い」と言われたら巻き上げることも含めて考えるということだ。
 前にも紹介したことがあるが、中国には小学生を対象にしたこんな試験問題がある。
 A君とB君は1m離れている。B君とC君は3m離れている。A君とC君は何m離れているか。
 友人に尋ねたところ「不明」と答えた。これこそ日本の教育の欠陥だ。中国での正解は「2~4m」だ。答えは確固たるものでなければならないとする日本式教育と比べて、可能な限り答えを求めようとする中国式のほうが優れている。
 実社会において正解を特定できることは少ない。その際取るべき姿勢は正解を諦めることではなく「どの範囲に正解があり得るか」を明らかにすることだろう。確固たる答えしか認めないという狭い枠組みに囚われるべきではない。

数値化

2013-04-16 09:44:16 | Weblog
 数値化すれば客観的になると思い込まれ勝ちだが多くは単純化の極みだ。
 私が初めて数値化に憤ったのは小学生の時だ。「リンゴ3個とミカン4個なら合わせて何個か」という問題だった。試験だから出題者の意図に迎合して「7個」と答えたがこんな乱暴な数値化はすべきではない。人が死ぬ時体内の約600兆個の細菌も死ぬが、これを600兆1個の生命が失われたと考えることは馬鹿げている。質の異なるものを単純に数値化すべきではない。
 そもそも「数」という概念には無理がある。これは同じ物が存在するということを前提にしている。同じ物など存在しない。「普通名詞」でさえ実は抽象語だ。ウチの犬はヨソの犬とは違うし、王将の餃子とミンミンの餃子は異なる。同じ1匹だからと言って等価ではないし、王将の餃子6個よりミンミンの餃子8個のほうが量が多い訳ではない。
 数値化とは一元化の極みだ。その個別性を無視してたった1つの指標で評価することだ。
 マスコミは1票の格差を騒ぎ立てるがこの1票の価値は限りなく低い。衆院で4年に1度、参院で3年に1度投票するだけだ。それ以外では「主権」を行使できない。実質上、権力者の奴隷だ。国民は非常に貧弱な選択肢から選ばされる。そしてこの訳の分からない選挙で選ばれた議員はまるで国民から白紙委任を受けたかのように勝手気儘に権力を行使する。国民は決して白紙委任をしたつもりではなくても議員は勝手にそう位置付ける。
 投票は最悪の数値化と言える。国民の意思は票という形で数値化される。個人の意思など全く無視して議席が決まり、更に議席数という数値化に基づいて国の方向性が決められる。二重の数値化によって国民の意思は完全に葬られる。

都会と地方(2)

2013-04-14 10:04:40 | Weblog
 地方に住んでいて一番不便に感じるのは電車を日常的に利用できないことだ。電車は安い・早い・安全と三拍子揃っている。これは吉野家の旨い・安い・早いよりもずっと魅力的だ。
 大阪に住んでいた頃は安い・早いは実感していたが、安全ということは意識していなかった。電車を殆んど利用できない地方都市に住むと毎日交通事故に脅えることになる。徒歩であれ自転車であれ自動車であれ、交通事故発生率は電車と比べて桁違いに高い。電車に乗っていれば事故のことなど殆んど想定しないし、万一事故に会っても多くが補償される。何と酷い格差だろうか。
 これは間違い無く平均寿命にも影響する。都会の電車利用者の交通事故死亡率は明らかに地方の自転車・自動車などの利用者の死亡率よりも遥かに低い。
 飲酒運転の厳罰化の効果も疑わしい。確かに飲酒運転が減れば歩行者の安全性は高まるが、飲酒者本人の安全性はどうだろうか。これはアメリカでのデータだが、飲酒歩行者の距離当りでの交通事故死亡率は飲酒運転者の8倍も高いそうだ。電車を利用できない地方住民が飲酒時に歩行を強いられることは交通事故の増加に繋がっている可能性が高い。
 それだけではない。私は中学・高校と自転車通学をしていたが、都会の生徒は電車での通学時間を勉強に充てることができる。毎日のことだから累積すればかなりの時間になる。何と酷い格差だろうか。
 経済合理性から考えて、大量輸送交通機関が人口密集地でしか成り立たち得ないことは明らかだ。だからと言って都会居住者だけがこれほど優遇されることが正当とは思えない。露骨な差別が認められているからこそ人は都会に集まる。
 この差別を解消するためには安くて便利で安全な都会の電車に課税をして地方振興費に充てると共に、地方の高校生が受験で不利にならないように下駄を履かせるべきではないだろうか。

活断層

2013-04-14 09:34:19 | Weblog
 昨日(13日)の淡路島を震源とする地震はこれまで知られていなかった活断層が動いたらしい。
 以前から私は地震学者に対して極めて高い不信感を持っていたが、今回は流石に愛想を尽かしてしまった。彼らは科学者の名に値しない。
 活断層とは何なのか。以前は「13~12万年前以降に動き今後再び動く可能性の高い断層」だった。ところが1月29日に突然定義が変更された。原子力規制委員会が開いた有識者会合で「40万年前以降」が活断層とされた。
 定義が突然27万年も変更された理由は単純だ。柏崎刈羽原発の敷地内に約24年前のものと思われる断層がありこれを活断層と決め付けるためだ。つまりこれを活断層と認めなければその根拠を問われる。そんな面倒なことに巻き込まれるぐらいなら学説そのものを変更してグレーを黒に変えてしまえ、という魂胆だ。これで安楽な生活が保証される。
 この姿勢に科学者としての誇りは微塵も感じられない。あるのは事勿れ主義と責任逃れだけだ。かつてガリレオ・ガリレイは地動説を唱えてキリスト教と対立した。これは国家と戦うよりも恐ろしい神との戦いだ。ところが現代の地震学者どもは都合に応じて平気で学説を覆す。学者としての自由と独立と誇りはどこへ行ったのか。
 そして今回の地震だ。阪神大震災以降の主な地震14回はいずれも地震調査研究推進本部が警告していた活断層以外で起こっており今回も「未知の活断層」だと言う。「仏の顔も3度」と言うが15回連続は論外で占いのほうがマシなのではないだろうか。最早「活断層」という言葉は死語にすべきだろう。総てただの断層であり、今後震源になるかどうか分からないし、多分、次の地震も「想定外」の場所で起こるだろう。根拠の無い与太話で世間を騒がせるのはもうやめてもらいたい。地震と気候変動について語る似非科学者どもを沈黙させよ!