
フロリレージュ(フランス料理/神宮前)
<2015年4月ネタ絶賛消化中>
【2016年11月に当時の日付で記事を編集しています】
※再訪店ですが、移転後初めての利用となるため、新規に記事を作成します。
*コの字カウンターが囲む丸見えの厨房はまるでキッチンスタジアム!
南青山から神宮前に移転しリニューアルオープンしたフロリレージュでランチ。超予約困難店につき、平日に会社を半休しました(ツイ実況がなかったのはそのためw)

前の店舗同様、表通りからちょっと外れた閑静な一角に(今度は熊野神社となり)ひっそりと存在しています。


店名サインも「こんなところに!?」というくらい控えめ(足元だし!)、店舗はビルのB1Fなので、気づかずに通り過ぎてしまいそう。ガラスの重い扉を開けると、ダイニング手前にレセプションスペースがあります。

店内風景とテーブルセッティング
グレーで統一されたスタイリッシュな空間には、フルオープンの厨房をコの字に囲むようにカウンター席が配され、かつての『料理の鉄人』のキッチンスタジアムを思い出させます(実はキッチン脇に個室もあり)。私たちが座った席の背後には立派なワインセラーが鎮座していました。
卓上には白いナプキンの上にメニュー、カトラリーはお料理登場前にその都度セッティング。左右にシルバーがズラリ…というスタイルを最近あまり見かけなくなりました。
グランクリュから作り出されるプレミアムなシャンパン、
Penet Chardonnet Grand Cru Extra Brut Reserveでゴージャスランチスタート!
投影 ハコベ 人参芋
本物の木片に盛り付けられた山羊のフロマージュブランには粉末にしたヨモギが塗され、ひんやりとしたセミフレッドのような食感。もう一品の鹿児島産の人参芋は温かなピューレ状。両方ともドルチェのようなテイストでした。
テーマは「待ちわびる春の訪れ」だそうです。

変遷 しいたけ 鴨
まさか―――!!のしいたけ登場は、席に着いてメニューを見て即「食べられません」と申告し、変更していただきました。というわけで、私は原木椎茸の代わりに「エリンギ」、鴨の生ハム、パルミジャーノチーズ、ハーブという組み合わせ。本来はここに「しいたけエキス」たっぷりのお出汁が注ぎ入れられ、「味、香り、食感の変遷を楽しむ」というコンセプトなのだけど、当然お出汁も椎茸ヌキで。というわけで、川手シェフの理想通りの状態で食することはできていないわけですが、十分美味でした。
添えられたグリンピースのフィナンシェは、旧店舗での人気アミューズ、四角いオリーブを思わせるテイスト。そのまま食べてしまったけれど、スープの中に入れても美味しかったかも。
Vaguera Alvar de Dios 2012
2杯目はスペインのバグエラ。
複数のアルビーリョの亜種に少量のモスカテルをブレンド。生産本数が少ないため日本ではめったに飲めません。

オープンキッチンではメインのお肉を仕込み中( ̄▽ ̄)

風土 筍 ヨード
なんとフレンチでまさかの「パスタ」登場です!
もちもちの太麺にヨード(海藻)とアワビの肝を練り込み、和歌山産の筍とアワビの炭火焼きをトッピング。
イタリアンな一皿と思いきや、噛みしめるほどにあふれ出る磯の香りや、シンプルに焼き上げた筍に和テイストも感じられ、カテゴリーを超えたフュージョンな趣に感動。

Domaine Cordier Pere et Fils Pouilly Fuisse Vieilles Vignes
絶品パスタといただいた3杯目は、平均樹齢60年を超える葡萄から造られるヴィエイユ・ヴィーニュ。

自家製パン
焼きたて・・・ではなくほかほかの蒸しパンです。


メインの松坂豚
ここでお肉が塊のままお披露目。タイトルの「分かち合う」は、この塊肉を当日のゲスト全員に分け与えるということらしい。どんな姿で再登場するか楽しみ♪

記憶 鱒 クレソン
お肉の前のお魚料理は、脂が乗った宮崎県産の鱒をシンプルに炭火焼き。ややレア感を残す絶妙の火入れもさることながら、トッピング豚の白レバームースが悶絶級の美味しさ! ほろ苦いクレソンのピューレも刺激的なアクセント。

Beau Paysage Tsugane La Montagne 2013
お魚といただいたのは、私のNo.1メルロー 黒アゲハ! 地元の山梨でさえめったに飲めないレアワイン。

分かち合う 緑苺
先ほど塊でお目見えした松坂豚さんが美しく切り分けられ、漆黒のお皿に飾られて再登場。お魚同様バッチリの火入れで素晴らしいピンク色に焼き上がったお肉はとても柔らかい。見た目がちょっと不気味な?緑の苺は甘さと同じくらい酸味が強く、お肉の付け合わせにはピッタリ!

Charmes Chambertin Grand Cru 2011
お肉料理を引き立てる赤ワインはドメーヌ デュロシェのこれまたレアなピノ。ヨーロッパ中のワインラヴァーたちの個人購入と地元ブルゴーニュのレストランの予約でほとんど完売してしまう稀少なグランクリュです。

食後酒
「何か甘いやつ」とおまかせしたら、登場したのはなんと「味醂」!!

佐賀産もち米を使用し、自家製麹、原料焼酎も純国産に拘って、さらに4年間の熟成により造られた、小笠原味醂醸造の最高傑作です。
詳細はラベルの記述を参照していただくとして、飲んだ感想は世界に誇れるデザートリカー。まるでトカイの貴腐ワインのよう。

再生 ミルク
「再生」という名のついたデセール。熱した南部鉄器に煎り胡麻、そこにフロマージュを注ぎ入れる。あっという間に溶けていくフロマージュ。その上にごま油を数滴・・・という劇的なパフォーマンス! 東北のミルクで作られたフロマージュには、シェフの「東北の再生」への願いが込められているそうです。

用の美 日向夏 ヨモギ
2つ目のデセールは、日向夏とヨモギのチップスを崩してグラスの底のピューレと混ぜていただきます。
食後のお飲み物はウーロン茶、ハーブティー、日本茶の三択。フレンチなのにコーヒーと紅茶のない選択肢、何気に挑戦的かもしれないと感心しました。デセールに胡麻やヨモギを使っているので、違和感はまったくないけれど。ちなみに私はハーブティーをいただきました。


こんなワインも
ペアリングのワインは、ソムリエさんが何種類かの選択肢を用意してくれて、好みのものを選べるスタイルだったけれど、とにかく「なかなか飲めない」稀少性を重視してチョイスしました。この2本は選に漏れたものの、とても気になって相当迷いました。。。
※いただいたワインの詳細データは
こちら をご参照ください。
流木、小石、落ち葉、野の花、小枝、砂・・・自然のモチーフを卓上風景や料理の盛り付けに取り込んだり、料理ごとにテーマを掲げてコースメニューを構成したり、というスタイルがどうやらイタリアンやフレンチで流行っているらしいと実感する今日この頃。
基本的に私は白いお皿に盛られたお料理の左右にシルバーがズラッと並ぶクラシックなスタイルの方が好きだし、料理を石や木片の上に盛ったりするのはどうかと思う方だけれど、ここまで徹底的にやられるともう感服するしかないという感じ。
というわけで、賛否両論あるらしい「新生フロリレージュ」、わたしは絶賛しかありません。ハコも料理も人も、全てが素晴らしい!
支払いはワインのペアリング込みで17,000円でした。
■Florilege
フロリレージュ
□12:00~13:30(L.O)
18:30~21:00(L.O)
□水曜定休
□渋谷区神宮前2-5-4 SEIZAN外苑B1
□03-6440-0878
※前回のフロリレージュは
こちら