20歳からスタートした合唱人生だが、振り返ってみれば大変濃密であったと言える。特に印象深いのは指揮者としての初ステージの緊張感である。場所は旧札幌市民会館、たしか、札幌市民合唱祭のステージであった。ものすごく緊張していて、アッという間に終わってしまった感じだが、静止した時の手は間違いなく震えていたはずだ。その他、グリークラブではトップテナーの一員として、ソロもやらせてもらったり、初心者としては過分な経験をさせてもらった。
ジングアカデミーでは、定期演奏会の他に初のテレビ出演(白黒?)もあった。放送合唱団は臨時団員であり、僅か1年ほどの在籍であった。アポロ男声合唱団は、小樽出身で大学同期の友人A氏から誘われて参加した。アアポロでは、合唱連盟のコンクール全国大会に2度出場できた。1度めは、東京文化会館のこけら落とし事業として行われた大会であり、2度目は仙台大会であった。そして、この時代の画期的なこととして、創立直後の札幌交響楽団演奏会で、ベートーヴェンの交響曲第九番に出演したことである。もちろん、私自身初めての第九であり、札響にとっても初演奏であった。