私が静修に赴任したころは、18歳人口の増加期に入り、毎年志願者が増加していた。ある年には、受験場が足りなくなって普段は教室としては使用していない部屋を利用するほどであった。志願者増と共に、入学してくる学生の知的レベルも上がり、短期大学としては札幌市内の老舗校と肩を並べるほどになっていた。合唱団の活動も順調に進み、毎年の定期演奏会は盛況であった。しかし、4年制大学が出来、さらには男女共学校になったころから学生の気風が変わってきた。もっと言えば、練習日が多く、地味な活動に見える合唱団に入る学生が減って来たのである。4年制になれば、さらに充実した活動ができるのではないか、という期待は見事に裏切られてしまった。そのような中、自分の定年の時期が近づいて来た50代後半には、後継の指導者のことを考え始めていた。ある年、声楽専門の若い先生が採用された。早速、合唱団顧問の交渉をして快諾をもらった。「やれやれ、よかった」と私は第一線を退くことができた。ちょうど、60歳の頃であった(定年は63歳)。ところが、新任の人は2年で退職してしまった。なぜ?と確かめてみたところ、なんと、新任(新卒)採用者には2年間の試用期間があり、お眼鏡にかなわなければ延長採用が無くなることもある、といことであった。次第に衰退しつつあった合唱団にとっては、衝撃的な事件であり、ついには消滅することになったようである(ということを、私は退職後に知った)。40年間(高等学校15年、大学18年)の教職、特に合唱指導者としての経験から持った私見であるが、「合唱部(団)は、学園の知的文化資産である」。大切に育ててほしいものである!
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