電脳くおりあ

Anyone can say anything about anything...by Tim Berners-Lee

二宮金次郎の像

2004-08-13 21:23:33 | 日記・エッセイ・コラム
 妻が、実家の物置にあったという二宮金次郎の鋼の像をもらってきた。我が家の猫の額のような庭の赤と白のハナミズキの間においた。それはそれで、落ち着いた。息子の担任が家庭訪問に来て、庭の金次郎の像を見て、「気持ちが和みますね」と言ったという。
 
 息子は、薪を背負いながら本を読んでいる姿をうさんくさそうに眺めている。「どうせ、ぼくにも、本を読みなさいと言うことでしょう!」などと叫んだりする。そう、何となく分かるものだ。

 ところで、この金次郎の像については、山ちゃんガハハ / 考証 紅蜻蛉団が、面白い考証と追跡調査をしている。金次郎の像には、大きく二つあり(もちろん、後の調査でもう少しバリエーションがあることが分かったそうだが)、グループA (鳩豆R型)とグループB (鳩豆L型)とに分かれるそうだ。

……グループ間の違いを2つ挙げよ…そのような試験が出されたらどうしますか ? …何の試験だ。
ちなみに僕の二宮金次郎イメージは、両手で本を持っているはずだったが違ったようでした。

さて、答えですけどね、  
まず共に共通するのは、右手で軽く薪を押さえ、左手だけで本を持つところです。
次に違い…いいですか、この発表は世界を揺るがしますからね。
グループAのR型は、着物の裾が出ている。そして必ず右 (R) 足が前になっている。
グループBのL型はモンペを履いて裾が出ていない。そして必ず左 (L) 足が前になっている。
つまり、着ているものと足の出方には統一性があるのだっ。


 しかし、これについては、いろいろな人からの報告があり、さらに、次のような金次郎の像があるそうだ。

拝んでいるニノキン
草鞋を差し出すニノキン
物を読んでいるのではなく、書いているニノキン
大人のニノキン…この場合「尊徳」さんなので"ニノソン"


 ちなみに、我が家の金次郎の像は、グループA (鳩豆R型)の典型で、一番左上の像とほぼ同じである。

 それは、とにかく、金次郎について、金次郎の生き方と像とを結びつけながら、面白い報告をしている。よくこれだけ、調べたなと感心する。現地調査をして、写真まで撮っている。山ちゃんガハハさんのサイトは、この外にも、とても面白い記事がたくさんあり、身につまされる思いがする。
 
 私も昔、二宮金次郎の伝記を書くために、資料を読んだり、小田原や今市へ行ったりしたことがあるが、こういう視点があるということには、思いもつかなかった。私が見て来た金次郎の像の形は、今我が家にある像の形のものばかりだったような気がする。

 ところで、金次郎の経営哲学は「勤労・分度(倹)・推譲」であり、「勤労」とは徳に報いるために働くこと、「分度」とは収入の範囲内に支出をおさえること、「推譲」とは勤労、分度をしてたまった物を将来のために残したり、人に与えたりすることである。こういうことは、今の政府の役人にしっかり見習って欲しいところである。特に、国家の予算と経営は、こういう哲学で実行されて欲しいと願う。
 

コメント
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