ベルのきもち

日常のささやかな幸福感を書いていきたいと思います。

スウェーデンミステリー『目くらましの道』

2013-05-28 07:27:59 | 本の紹介
 またまた、byヘニング・マンケル。柳沢由実子訳。創元推理文庫。
 ここではヴァランダー刑事の家庭事情がていねいに描かれている。妻と娘と別れ、新しい恋人ができたが、やはり仕事が忙しくなかなかその恋人と会えず。別に暮らしている元画家の父は妻に先立たれたあと、ヘルパーに来てもらっている、しっかり者の女性と再婚・・・しかし認知症の初期だと診断され・・・妻、娘、恋人、父、父の再婚相手、姉ら肉親への思い、孤独、寂しさ、事件への思い入れ、正義感、様々な感情がごちゃまぜに入り乱れ・・・悩み、迷い、考え、事件解決へ。
 それにしても・・・ここでの殺し方が残虐。額を斧で真っ二つ、頭皮を剥ぐ・・・など。犯人はどうしてこんことが思いつくのか。
 恐怖と残虐性。支配と服従。闇と光。嘘と真実。それらは表裏一体だと今さらのように思う。
 CWAゴールドダガー賞受賞作。

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