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大阪メトロ 機器小型化など 進む撤去 乗客、存続求め
大阪メトロの8駅に置かれている気象観測用の「百葉箱」が、今後も存続することになった。メトロ前身の大阪市営地下鉄の開業直後から各駅への設置が始まって80年超。中に入る気温と湿度の測定機の小型化などに伴って全て撤去される予定だったが、存続を求める声が相次ぎ、方針が一転した。「なんで駅に?」と見られることも多いというが、今日も駅の片隅で静かに測り続ける。(松久高広)
多くの乗降客が利用する御堂筋線梅田駅(大阪市北区)では、上りホームの壁際に百葉箱が置かれている。高さ1・8メートル、白色の三角屋根が特徴で、駅の係員が測定機のデータを定期的にチェックする。かつて学校などでよく使われた木箱だけに、通勤で駅を利用する池田市の男性会社員(43)は「最初は『なんで駅に?』と不思議だったが、今となってはなじみの風景。なくならなくて良かった」と話す。
メトロによると、市営地下鉄が開業した翌年の1934年、同線の淀屋橋駅に設置されたのが始まり。大きかった測定機を収納し、車両が走る際にホームに吹く「列車風」の影響を避けるのに百葉箱が適しており、導入が決まったという。
データによると、60年8月の淀屋橋駅の平均気温は33度で、開業した頃に比べて10度も上昇。列車の編成が長くなるとともに上がり続け、利用客からは「蒸し風呂状態だ」と苦情も出た。
市営地下鉄は60年代、計21駅に百葉箱を設置。測ったデータを基に駅の冷房化を進め、2001年までに全駅に完備した。一方、測定機の小型化とデジタル化によって、ホームの天井に取り付けたセンサーで測る仕組みを導入。百葉箱が不要になり、順次撤去した。
残ったのは、梅田、淀屋橋、天王寺、天満橋、西梅田、緑橋、鶴橋、堺筋本町の8駅だった。市営地下鉄では12年頃、8駅分についても撤去する方針だったが、利用者から「名残惜しい」といった声が相次ぎ、再検討。18年4月に地下鉄事業を引き継いだ大阪メトロが残す方針を確認した。今年1月には、百葉箱が駅の環境整備に役立ってきた経過を振り返りながら「(駅で)探してみてください」などと呼びかけるPR動画も作った。
大阪メトロでは、百葉箱以外にも、民営化に伴って引退した市営地下鉄のマスコットキャラクター「にゃんばろう」の復帰を決め、各種イベントなどのPR役として起用中だ。担当者は「歴史あるより良いものを残しながら、地下鉄ファンをさらに増やしたい」と話している。