養老孟司先生の動画があったので、久しぶりに見てみる。
自然についての話だ。
先生の考え方は、唯一無二で、独特なものだ。
刺激的で、話を聞くと、僕の頭が活発に動き出す。
解剖学者で、そこから脳に関する問題を、1人で徹底的に考えたからだと思う。
ああ、そうだった。自然の話だった。
養老先生の定義によれば、「自然」とは、人が意識的に作らなかったものだという。
養老先生のいう「意識」は、人のコントロールと言い換えてもいいかもしれない。
つまり、人のコントロールの及ばないものが自然なのだと。
個人的に気に入っている話は、「机の上に沢庵石を置いておけ」というもの。
机は意識の象徴だ。そこに、自然物である石をボンと置く。何故に?
都会人は、自然を忘れてるからですよ。自然を忘れるなという警告です。
それから、猫は絶対、字が読めない話がおもろかった。
「紙に漢字で白って書いてみなさいよ。それ黒だもん(インクは黒)。だから猫は白という字を黒と読む、猫に字を教えられないんだよ。動物は感覚が先だから」
人間は黒いインクで書かれていたとしても、「白」って書いてあると、抽象化された文字の方に、意識がいく。
だから、白と読める。
しかし、猫は、黒い色しか見ていない。
だから、白と書かれていても、赤と書かれていても、黒のインクの色だけしか見ていない。
感覚だけで生きているから。
人間が、いかに抽象的な世界に生きているかわかります。意識は、物事を抽象化します。文字のように。
自然は、あるがままのものです。
猫は、自分が自然であり、また自然に溶け込んで生きています。
ややこしい話だが、面白い。
興味があったら、動画を見てください。
それにしても、養老先生には、長生きしてもらいたいな。