何年も前にいったん切った柿の木から、新芽がどんどん伸びだし、一昨年あたりから実をつけるまでに成長しました。その柿の葉を使って、柿の葉ずしを作りたい、とずっと思っていました。
でも、若葉がある程度大きくなっていて、しかもやわらかくて美しいときはわずかの間。いつも時機を逸してしまい、作れずじまいでした。
今年こそ作ろうと心に決めて、スーパーへ。生のサバやサケではなんとなく心配だったので、日本産の塩サバを1匹買ってきました。
まず葉を採ります。みんなきれいな葉だと思っていたら、けっこう虫に食われています。丈夫そうな柿の木も、苦労が多いようです。手の届く範囲で、大きくて柔らかい葉を選ぶのにはけっこう時間がかかりました。
サバは三枚におろして酢洗いし、中骨と皮を取り除いてから、純米酢とみりんの合わせ酢にコンブと一緒に漬けます。これが前夜の仕事。ほんとはつける時間は1時間足らずでいいのですが、わたしはいつもつけすぎくらい漬けてしまいます。
ご飯は、お酒をけっこう多めに入れて炊きます。私の家のすし飯は、酢と塩だけ。ご飯の甘みで十分いけます。
いよいよ、柿の葉に包みます。この包み方がよくわからなかったのですが、ネットで調べたら、家で作る場合は、「巻く」しかないみたい。ほんとうの奈良の柿の葉ずしは、きちんと四角に形作られているのですが、葉が小さ過ぎるのと固すぎるのとで、四角いかたちにするのは無理。それで、ひたすら巻きました。
巻いたすしを容器につめ、重石をして一晩おくのだそうですが、うえから押さえるとご飯が出てしまいます。四角くできないまでも、ぎゅっと固く巻くことができれば、それはそれで押しずしっぽくなるのですが、それもかなわないのです。しかたなく、そっとおひつにつめました。
翌日の昼、出してみました。いちおう形にはなっています。できたばかりの
醤油麹をつけて、いただきました。おいしいけれど、やっぱりこわれやすい。葉っぱで受けながら食べました。
ところで、この柿の葉ずし、柿の葉の香りというものがしません。こういうものなのでしょうか? 防腐効果か何かだけが、柿の葉で包む利点なのでしょうか? 包み方とともに、このことも、どなたか教えてください。