はじめて、愛知県民の森を友人たちと訪れました。新城市の旧鳳来町にあり、こちらから行くとおよそ1時間15分ほど。湯谷温泉のすぐ近くです。
ゲートをくぐってから駐車場にたどり着くまでに数分。広大な敷地に驚きます。今回は、ともかくほぼ中央に作られた道をひたすら歩くことにしました。もともとはホソバシャクナゲの見頃に訪れたかったのですが、果たせなかったので、自生地にはいかずに道の突き当り方面にある滝を目指します。
このあたりは、愛知県では唯一の、活火山だった地帯。以前訪れた鳳来寺山もその一つ。そのため、独特の岩や石がむき出しになっていておもしろい。
こちらに来る途中、黄色い花らしいもののついた木を何本も見かけましたが、ツブラジイかスダジイの花らしい。人工林が主流の稲武や豊田山間地では見かけない色合いの花です。
川床も岩でできているせいか、水がきれい。
ほとんどツツジは終わっていましたが、このやさしいピンクの花だけはひっそり咲いていました。
道の両側には、実にいろいろの広葉樹や灌木が育っています。クロモジを見つけて一同興奮。芳香にしばしうっとりします。
写真には写っていませんが、小さな魚もたくさん泳いでいました。
目立つ花の、ヤブウツギ。普通の白いウツギの花とは色も形も違います。
巨木もあります。
県民の森は、敷地面積12,333㎡。明治百年を記念して50年ほど前に整備された土地だそうですが、高度成長期に作られた場所だからか、あちこちとてもふんだんに資金を投入した跡が見られるのだそうです。乳岩峡や鳳来寺山に続く山を背景にしたなだらかな土地なので、街の喧騒とは隔絶されていてしかも歩きやすく行きやすい、まさに県民の森、と呼ぶにふさわしい土地のように思いました。
当時は拡大造林の時代のはずなのに、よくまあ、この広大な敷地を大きな公園として残そうとかんがえたな、と感心します。もともとの土地にあったもの以外の植樹もなされたのでしょうが、それにしても後代の私たちには、うれしい財産です。
アメリカフウの実生。「楓」とかいて、「フウ」と読むのですが、楓とは無関係の種だそう。ややこしい。音読みさせたところにひそかに違いを主張したつもりかしら。
いつか誰かが差し込んだもの? 清水なんでしょうか。うまいこと流れています。
終わっているはずのホソバシャクナゲの花、発見! シャクナゲの種類は世界に多いのだそうですが、なかでもこのホソバシャクナゲは珍重されているものだそう。小ぶりの花のピンクが美しい。葉が細めなので、「ホソバ」です。
子供たちはカナヘビに夢中。
名前を忘れましたが、つややかな葉っぱが特徴的。ヤマボウシの花の咲く直前の姿?
下の写真は、タムシバ。香りをかぎたかったのですが、周辺に葉は落ちておらず、残念。
ヤブムラサキ。葉っぱが毛むくじゃら。こするとよくわかります。
ビロードのような厚地の葉っぱの大木がありました。常盤柿というのだそうです。
豆柿のような小さな実をつけ、周年葉の落ちない常緑樹の柿なのだそうです。だから「常盤」。
訪れたのは、ゴールデンウィークの最終日。広い駐車場は満杯で、臨時駐車場の一つに止めたほどだったのに、歩く人影はまばら。尾根伝いにあるくコースとか、そのほかあちこちに楽しめるコースがあるらしく、メインの道を歩いていた人は意外と少なかった。
マツカゼソウ。この草はうちにもありそう。
ユクノキ? 姿がいい。
子供が拾った蝶の羽。
友人の肩に止まった大きなトンボ。
別の友人の帽子にも止まりました。大きなブローチみたい。
道の突き当りにある休憩場所で、昼食。ここにも清水が湧き出ていました。
昼食を終えて、足場の悪い山道をのぼりました。目指すは、蔦の滝。
道は、大きめの平たい白っぽい石がごろごろ転がっていて、とても歩きづらい。しかも細いうえに急坂。登るのがやっとで、全く写真を撮る余裕がありませんでした。やっと少し広いところに出られたので、撮ったのが上の一枚。
大きな平たい岩の上を覆うようにして幾筋も流れている滝。覆っているところが、「蔦」と名付けられたゆえんかしら。滝のそばまで下りていくと、ひんやりとして寒いほど。まわりの巨岩も見ものです。
行きには気が付かなかったガクウツギの花。可憐です。
二つ目の滝見学。「亀の滝」と名付けられています。こちらは行きやすい。雨がしばらく降っていなかったので、どちらの滝も水量が少なめでした。多いときはもっと壮観だろうと思います。
帰りは、途中まで同じ道を辿り、橋を渡って、川向こうの小径を歩きました。ああいう小径、大好き。ちゃんと草刈りがしてあるから歩きやすくてありがたい。
県民の森は思った以上に素晴らしい場所でした。一人で歩くにはちょっと怖いけれど、人といっしょなら、歩きやすくて楽しい場所です。いつの季節に訪れても満足できる森です。また行こう。
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