アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

3回目の草を採り草を食べ草の話を聞く会を開きました。

2018-05-12 14:36:39 | アンティマキの場所に生きる動植物
   昨年に引き続き、合同会社つむぎてのメンバーで、雑草料理研究家の前田純さんをお招きして、今年も草を採り草を食べ草の話を聞く会を開きました。

   採取場所は、アンティマキの雪割草ガーデン。まだ名ばかりのガーデンで、野原といったほうがいい場所です。こちらに前田さんをお迎えして、講座を開始。この日取り上げたメインの雑草は、ギシギシ、カキドオシ、白ツメグサ、セリです。2週間前に前田さんが下見にいらしたときは健在だったスミレは、もうすっかり姿を消しているそう。たった2週間で植物の様相が変わっていて、びっくりなさっていました。 

   カキドオシは漢方薬にも使われている植物。連銭草ともいわれています。カキドオシは「垣通し」からきていて、文字通り垣根を伝ってはびこる強い草です。薄紫色の花がかわいくて、強い芳香があります。一見ヒメオドリコソウと姿が似ていますが、においが違うし、花の付き方もことなります。

    前田さんが持っているのはどちらもカキドオシ。大きいほうは小屋の外壁を伝い上っていたもの。日陰で育ったほうが大きくて色が濃いのだそうです。逆境で育つもののほうが頑張るから、らしい。

    大きな葉をあちこちにひろげているギシギシ。これも日の当たる場所と日陰の場所とでは、味が違うのにびっくり。日陰のほうが酸っぱさがすくなく、おいしいのです。

    昨年はこの場所の奥のほうにだけ生えていたセリ。今年は、前面にも進出していました。前田さんもびっくりするほど旺盛に生育。セリは水分が多く含まれている場所に育つそうなので、前面にもセリが増えたということは、地中の水分が増えたということになるのでしょうか。東海豪雨のおり、一気に水があふれ、土砂崩れを起こした場所なので、地中に水分がたまるというのは心配なことです。

    でも前田さんによると、「いまは水分が多いからセリが繁殖しているのだろうけれど、セリはどんどん水分を吸うので、いずれ地中の水分は減りまあす。そうなったらセリはなくなる」とのこと。植物は大変な勢いで一気に増えても、必ず限界が来て、周囲とのバランスをとるようになる、というのです。おもしろい。

    これはヤエムグラ。万葉集の時代から歌に詠まれていた植物です。名前は知らなかったけれど、服にひっつくので、子供のころよく採って遊びました。美容にいいとかで、美容界注目の植物だとか。きくかどうかわからないけれど、焼酎漬けにしてみたい。

    採取の後はどんぐり工房の調理室で調理の開始。藤の花も食べます。藤の向こうがセリ。

    カキドオシのペーストは、バジルペースト同様、葉っぱ、オリーブオイル、塩、それにクルミで作りました。かなりにおいのきつい葉なので、好き嫌いがありそう。

    こちらは桑の葉入りマフィンの生地。稲武は昔養蚕が盛んだったので、あちこちに桑の木が生えています。私の家の敷地内にもあちこちにあり、成長がはやいので邪魔者になっていました。その桑の葉、薬効がすごい、と最近聞いたのでこの日のスイーツには桑の葉を使ってみることにしました。上には小さな桑の葉をのせて。

    そして焼き上がりはこちら。生地の中に粒あんを入れました。

    この日のメニューは、アンティマキのこねないパンのオープンサンド、生春巻き、新玉ねぎのポタージュ、桑の葉マフィン。

    オープンサンドに使うパンは、米粉バンズと有機小麦粉のブールを用意しました。トマト、キュウリ、ゆで卵、レタス、前日作っておいたひよこ豆のペーストに、クローバー、ヒメオドリコソウ、セリ、ヒメジオン、サクラタデ、その他多種類の生雑草をトッピング。

    生春巻きは、モヤシ、ニンジン、スナップエンドウなどと肉みそのほか、好きな雑草を巻いていただきます。

    スープの出しは、雑草。白ツメグサとセリを水から煮だし、雑草ブロスをとりました。最後はブロスでよく煮たタマネギやジャガイモと一緒に、こした滓もフードプロセッサーにかけてできあがり。きれいな緑色のポタージュができあがりました。

    とても豪華なランチとなりました。生春巻きは、結構どの雑草を入れてもおいしい。肉みそと雑草が合うようです。ただし、サクラタデだけは苦すぎてわたしはアウト。でもこの苦みがすき、という方もいて、おもしろかった。文字通り「蓼食う虫も好き好き」でした。

    オープンサンドに塗ったカキドオシソース、こちらも少々きつい。昨年、別の草で作った時はおいしいとおもいましたが、今回はそこまでおもえなかった。でも、ニンニクや粉チーズを加え、ナッツももっと増やせば、たぶんおいしくなると思います。

    写真を撮り忘れましたが、私のパンの先生で友人の倉橋知栄さんが、セイタカアワダチソウとヒメジオンをそれぞれを使って、草と野菜の入ったパンを焼いてくれました。柔らかくて食べやすく、草のえぐみをチーズが適度に消していい味になっていました。

    今回の参加者は13名。遠くからお越しいただきました。草を知ること、草を食べることに興味を持つ方がおおくて、うれしい。

    次回の開催は、秋。前田さんによれば、昨年にくらべて植生が微妙に変わっていて、草の種類が増えているとのこと。今度はどうなっているのかな。ところで、以前口にしたときよりおいしいと思ったギシギシは、ソレルという名前のハーブでもあるらしい。ソレルはソースにするといいようなので、次回はぜひ作ってみたいと思います。

     
    

    

     

    

    





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