1800年代のイギリスが舞台の映画。https://eiga-watch.com/amazing-grace/
西インド諸島のプランテーションの労働力を確保するため、アフリカからの奴隷貿易が盛んにおこなわれていたころの話です。当時イギリスは、アメリカと独立戦争の真っ最中。フランスとはナポレオン戦争。
その戦時中に大儲けしたのが奴隷商人たちで、イギリスの東インド会社が莫大な利益を上げていました。当時、国会議員で、唯一人奴隷貿易反対を唱えていたのがこの映画の主人公、ウィルバーフォース。実話に基づく話です。
彼は子供のころ教会で聞いた牧師の話がずっと心にひっかかっています。牧師は元奴隷船の船長。奴隷船には、棺よりも小さい空間を与えられたアフリカ人たちが、糞尿と血にまみれて3週間の航海をします。鉄鎖でできた手かせ足かせ首輪でつながれ、ほんの少しの食糧だけ与えられるだけなので、半数以上が病気にかかり、端から海に投げ捨てられます。この牧師が作詞したのが有名な「アメイジンググレイス」。主人公は、この歌を美声で歌い上げます。
しかし、実態を知る人たちの話をいくら国会で主張しても、実利を得る人たちには通じない。一般市民の署名を集めても無駄。くじけそうになりながら、最後には奴隷貿易禁止の法律が通ります。
映画は、ほぼ再現ドラマのようで、物足りないところも多いのですが、イギリスと奴隷貿易との関わりは知らないことだったので、勉強になりました。「ああ、ヨーロッパの人たちは、こうしてひとつひとつ、戦って正義を勝ち取ってきたのだな」ということを実感することのできる映画でした。
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