アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

タデアイの生葉で藍染めをしました。~その2~

2021-08-07 11:02:31 | 草木染め
  
  考えられる原因はふたつ。
  ① 生葉を絞った液の量に比して、布を入れすぎたこと。
  ② ちゃんと空気に触れさせて酸化させる前に、水洗いしてしまったこと。
 
  ②に関して言えば、インド藍や本藍の染めだと液から出してすぐに見る見るうちに青く変色するのですが、今回の生葉染めは、色の変化が遅くて、ついつい気がはやり、水場が近くにあったこともあって、変色を待たずに水に浸けてじゃぶじゃぶ洗ってしまいました。それがいけなかった。
    生葉をくださったのは、稲武から車で30分ほどのところに住む方。近隣の人たちと昨年から藍を育て始め、刈り入れては葉をむしって乾燥させています。いずれ、藍甕を置き、昔ながらの本格的に藍を建てるご予定です。その畑の一角から、段ボール一杯の藍を刈り取りさせてもらいました。
   タデアイは薬にもなるそうで、食用にもできるとか。畑で、柔らかそうな葉を一枚むしって食べてみました。若干の苦みはありますが、食べられないこともない程度の味。でも、薬だといわれたら、食べます。そういう味でした。
 
   生葉はすぐに黄色くなります。この日も、朝刈って午後から作業に入ったのですが、数枚、早くも枯れ始めていました。
   前回は、すべての葉をミキサーにかけて(生葉50gに対して水500ml)漉してから、染めたい布を投入。そのおりの生葉の量も布の量も、かなりいい加減でした。
 
   今回は、生葉200gに対して布をだいたい、50~100g程度入れてしっかり浸水。10分経ってからぎゅっと絞り、日に干しました。
    緑色だった布がしっかり青に変わりました。
   青に変色したのを確認してから水洗い。濡れた状態では、この色です。
 
   前回、薄い水色にしか染まらなかった布のほか、同じ絹素材の白地の布も、比較のため入れてみました。生葉染めでは、重ねても濃くはならないかもしれない、という話を聞きましたが、さらの布より、少しは濃く染まったように思えます。
   一晩干したあとの、布。手前の二枚は、同じスカーフ。左側のほうは一回目で最も濃く染まったもの。右は薄い水色しかでなかったもの。濃淡がきちんと出ました。よかった!! 
    残ったすべての染液をバケツにまとめて、1回目に染めた布や白布をたくさん入れて一晩放置してみました。
  
    翌朝、よく絞って空気にさらしているところ。
 
    時間がたつにつれ、緑色が少しだけ青っぽく変わりはしましたが、前日の染めのようにはいきません。数時間干したのち、水洗いして陰干ししました。
 
    これらの布は、少し緑がかった水色の布になりそう。藍染めとはわかりにくいけれど、布を鼻に近づけると、独特の草の匂いがします。体にはいいかもしれません。
 
    二人の知人からいただいた生葉で、この夏は、思わぬ贅沢な実験をさせてもらうことができました。おもしろかった!
 
 

 

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タデアイの生葉で藍染めをしました。~その1~

2021-08-01 22:35:56 | 草木染め

  一度だけ染め講習にお越しくださった方から、「藍がたくさん収穫できたのでよかったら送ります」という、うれしい連絡をいただきました。もちろん、「ぜひともください!」とお願いしたら、一昨日、段ボール一杯のタデアイが届きました。

   生葉の藍染めは、久しぶり。以前は、どんぐり工房で育てたり、講習会の常連さんが育てたのを持ってきてくださったりして、毎夏一度は生葉染めの体験会をひらいていました。でもこのところ、ずっとご無沙汰。せっかくなので、乾燥葉にはせず、全部生のうちに使うことにしました。

   生葉染めは、まず茎からきれいな緑の葉だけを取ります。

   そして、ミキサーに葉と水を入れて回します。葉っぱ50gに対して10倍の水を入れてミキシング。

   それを濾します。

    抹茶そっくり。

    たくさんの葉を頂いたので、結構の量の液ができました。さらに水を少し加えてできあがり。

    生葉染めは、絹とウールしか染まりません。薬剤を使えば木綿や麻など植物素材も染まるのですが、今日はすべて絹を染めることにしました。

    普通の藍染め同様、最初に入れたものが最も濃い。でも、あとから入れた薄い水色もいい。白っぽくしか染まらなかった布は、多分絹とポリエステルの混紡なのだと思います。

    それぞれの青。緑が少し入ったような青もありますが、どれもとても美しい。絹のつやがさらに青を引き立てている気がします。

    採取して三日目の藍。黄色く枯れかかった葉が日ごとに増えたのですが、よく見ると、枯れた葉のすぐ上の部分に新しい小さな葉がついています。そしてそれぞれの葉柄の下には小さな根が出始めています。タデアイは、見た目はイヌタデそっくりです。違うのは大きさ。雑草に近いのか、生命力の強さに驚きました。

    インド藍の青とはまた違う、青。見飽きません。

             今回タデアイをおくってくださったのは、岡山で草木染めそのほか自然体験のワークショップを始めた女性。彼女のブログ「つぎいろ」には、いろいろの染めや自然体験が丁寧な解説付きで紹介されています。https://tsugiiro.com/

    ・・・と、先週ここまで書いてブログをアップしたのですが、翌日乾いた布を取り入れに行ったら、なんとすべてがすっかり色あせていました。

    がっかりです。フェイスブックにこう書きました。

   「きのう染めた布が、一日干したらこんなに薄い色になってしまいました。ほんとは布の重さを計って、葉の重量との比を勘案しながら染めるのがいいのですが、結構濃く染まったので欲張ってたくさんの布を液に入れてしまいました。そのせいかどうか、その場で染まった濃い色はきょうは消えて、ほとんどが水色に。こんな経験初めてです。水色もいい色ではあるのですが、昨日とは大違いです。皆さん、がっかりさせてごめんなさい。またいつか、藍の生葉が手に入ったら、今度はちゃんと計算して、欲張らずに少しずつ染め重ねることにします。求む、藍の葉!」

   すると、知人から「藍の葉がちょうど刈り入れ時です。どうぞ」とのコメントが! こののちの顛末は、追って報告します。

 

 

 

 

 

 

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