ある年の冬の朝。家の近くの道路でトラツグミの死体を拾った。
ガラスの大きい家の前。ちょうど目の前の家が立て替え工事のために取り壊され、空き地になっていて、丘の下から飛んできたトラツグミが、空が映ったガラスに気づかずにぶつかってしまったのだろう。
前の家の工事がなければ、おそらく事故はなかったはず。住宅街の悲劇だなあ。
そそくさと死体を拾って家に戻る。
美しい。あまりに美しい羽根。翼を広げると、なかからまたまた美しい羽根が顔を出す。自然の芸術に改めて感嘆。
バシバシ写真を撮って、目をつぶってちょっと羽根をいただいて、脇の花壇に埋めました。もう、土に帰っただろうな。