晴耕雨読とか

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ひどい登山道

2012年04月03日 | 
西丹沢・白石峠から用木沢出合までの登山道は、ちょうど雪解け、雨の後ということもあって、登山道がひどいことになっていました。



登山道ができ、人が歩くと植生被覆がはがれる。



雪解けの水が登山道を浸食する。





登山道が掘れると、登山者がそこを避けるために複線化して、登山道が付け替えられる。。。いったん、登山道が谷化すると、どんどん流水による浸食が進む。上の2枚の谷に見えるところは、もと登山道だったみたい。



登山道全体が谷になっています。谷を登山道にしたのか、登山道が谷になったのかは、すでに分かりませんね。。。

丹沢の登山道の浸食は、もともとの地質、関東大震災(本当)、シカによる植生破壊、登山者の増加などが原因なのでしょうか。

一般論として、いったん山・森の土壌に線としての登山道が切られると、どうしても水によって浸食が進むのは性(さが)です。おもに植生によって回復する力と、おもに水によって進む浸食の力の関係によって、どうなるかが決まるわけですが、まぁ、丹沢の場合は浸食が勝っているというわけです。

神奈川県は水源税が導入されていて、年間約38億円の税収から、登山道の修復やシカの個体数管理にも税金が使われています(たぶん)。ちなみに平成24年からの5年間の新しい計画では「水源の森林づくり事業の推進」に134億円、「丹沢大山の保全・再生対策」に12億8000万が使われる予定です(事業の総額は5年間で300億)。なんだかピンときませんが、全国的も例をみない規模なんだと思います。

登山道に関しては、神奈川県自然環境保全センターは本当に頑張っていると思いますし、一登山者として、また納税者としても感謝もしていますが、山の崩壊に追いついていない気がするのも、まぁ、残念ながら事実でしょうか。