「宿題の残るのがいい旅なんだよ」
学生時代、何度も通った北海道。
旅の宿で出会った人たちは
よくそう言っていました。
あえて100点満点とするのではなく宿題を残し、
後ろ髪を引かれながらその地をあとにすることで
次の旅へとつながっていくのだと。
今朝、帰国したスペインの旅。
カタルーニャからピレネーへとゆったり巡る9日間。
抜けるような青空に恵まれ、満開の花に迎えられ、
「オラ!」と道行く人と何十回も笑顔を交わし、
笑い声と音楽の絶えない旅でした。
お客様には…満足していただけたようです。
でも個人的には宿題が残りました。
大好きなバルセロナの街、
公私あわせて3度目の訪問となります。
今回、バルセロナには3泊してガウディとピカソを満喫し、
さらには郊外のサンサルバドルという小さな町に
寄り道をする予定でした。
その地はカタルーニャが生んだチェリスト、
パブロ・カザルスの故郷です。
フランコ政権に反対して亡命暮らしに身を置いたカザルスが
その後30年あまり望郷の念にかられながらも、
二度と帰ることのなかった地でもあります。
行程にはなかったのですが
音楽好きなお客様がそろった今回の旅。
お連れしたら、きっと喜んでいただけるだろうな。
そう思ってワクワクしていました。
ところが旅の初日、飛行機遅延のため
関西空港にて思いがけず6時間もの足止め。
バルセロナ到着が半日以上ずれこみ、
もとより行程外だったカザルス邸はやむなくカット。
う~、無念…。
大きな宿題が残ってしまいました。
でも先の旅仲間の言葉を借りるなら、これは
「またバルセロナへ来る理由ができた」、ということ。
もしいつか長い休暇がとれたなら――
そのときは絶対にバルセロナへ。
サンサルバドルの海岸も散歩して…。
カタルーニャの青い空を思いながら
そう心に決めました。
とは言いつつ…
長い休暇なんて夢のまた夢。
いつのことやら。
でも、こま切れのオフにもできることがあるのです。
明日はお休み。
バルセロナを舞台にした映画
『ビューティフル』を見に行ってきます!
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