銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

ニュージーランド、湿潤なれどウェットならず

2015年02月19日 | のほほん同志Aの日常
先日、ご家族皆さんでご利用いただいているお客さまの、
娘さんとばったり、電車で乗り合わせました。

「そこまで一緒に」と、となりに腰かけてぽつぽつとおしゃべり。
「これまで訪ねた海外でどこが一番よかったですか?」と訊かれました。

いつものように、「アラスカです」と答え、
ユキさんは?と、私と同じ名前のその人に尋ねると、

「わたしは…あまり外国行ったことないんですけど、
 ウィーンがとてもよかったです」と。

「音楽の都っていうけれど、
 日本と違ってカフェでもお店でもBGMがほとんど流れてなくて。
 わたし、BGMが苦手なんです。
 だから、人の声のざわめきだけの街がとても居心地よくって」

そこまで聞いたところで、電車は逆瀬川駅に到着し、
私はなんとなく名残惜しい気持ちで、「ではまた」と手を振って電車を降りました。

それだけの短い会話だったのに、なぜかとても心に残っています。

ふたりで…という意味ではほとんど初対面だったのに、
ユキさんが素直に、自分の感じたことを言葉にしてくれたからかもしれません。

逆にいうと、ふだん、そういう会話をあまりしてないってことかも。

朝、だれかと顔をあわせれば「おはよう」と言い、
毎日たくさんの、たくさんの、たくさんのことばを交わしますが、
そのほとんどはあぶくのように消えていったり、あるいはワハハ!とばか笑いに転じたり。


そんななか、今日はニュージーランドへ出発するお客様のお見送り。
皆さんがゲートに向かうのを見送ってから、
「搭乗までまだ時間あるでしょ、ちょっと手伝って」と添乗のスタッフを呼び止め、
ベンチに陣取って、ふたりである単純作業に精を出しました(今週はなかなか忙しいのです)。

そんな、お互い自分の手もとの一点を見つめ、せっせと手を動かしながらのやりとり。

ニュージーランドが大好きで、唯一、海外で住みたい国だという彼女。
一方、アラスカが好きで好きでたまらない私。

国内では、尾瀬や礼文島など、好きなところが重なるのですが、
海外ではアラスカだ、いやニュージーだ、と、お互い一歩もゆずらないのです。

「どっちも自然なのに、なんででしょうね」

うん。

…ちょっと考えてから、

「きっと、アラスカは物悲しくて、ニュージーは物悲しくないからよ」

そう言ったら、あぁ、なるほど!と。

そのあたりで時間切れ。

彼女、少し名残惜しそうな顔で、…いえ、嬉々として、
大好きなニュージーランドへと続く搭乗ゲートへと走っていきました。

湿潤ではありますが、気分はあくまでからりと晴れ渡るような土地、
ニュージーランドで、みなさん良い旅を!

今日のやりとりは、記憶に残りそうな気がします。


****************************************
貸切バス・オーダメイド旅行のご相談は…
銀のステッキ旅行
TEL 0797-91-2260(平日8:30~17:00)
■銀のステッキは会員制の「旅サロン」を主催しています。
■公式ホームページ:http://www.gin-st.com
****************************************

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする