先日、ご家族皆さんでご利用いただいているお客さまの、
娘さんとばったり、電車で乗り合わせました。
「そこまで一緒に」と、となりに腰かけてぽつぽつとおしゃべり。
「これまで訪ねた海外でどこが一番よかったですか?」と訊かれました。
いつものように、「アラスカです」と答え、
ユキさんは?と、私と同じ名前のその人に尋ねると、
「わたしは…あまり外国行ったことないんですけど、
ウィーンがとてもよかったです」と。
「音楽の都っていうけれど、
日本と違ってカフェでもお店でもBGMがほとんど流れてなくて。
わたし、BGMが苦手なんです。
だから、人の声のざわめきだけの街がとても居心地よくって」
そこまで聞いたところで、電車は逆瀬川駅に到着し、
私はなんとなく名残惜しい気持ちで、「ではまた」と手を振って電車を降りました。
それだけの短い会話だったのに、なぜかとても心に残っています。
ふたりで…という意味ではほとんど初対面だったのに、
ユキさんが素直に、自分の感じたことを言葉にしてくれたからかもしれません。
逆にいうと、ふだん、そういう会話をあまりしてないってことかも。
朝、だれかと顔をあわせれば「おはよう」と言い、
毎日たくさんの、たくさんの、たくさんのことばを交わしますが、
そのほとんどはあぶくのように消えていったり、あるいはワハハ!とばか笑いに転じたり。
そんななか、今日はニュージーランドへ出発するお客様のお見送り。
皆さんがゲートに向かうのを見送ってから、
「搭乗までまだ時間あるでしょ、ちょっと手伝って」と添乗のスタッフを呼び止め、
ベンチに陣取って、ふたりである単純作業に精を出しました(今週はなかなか忙しいのです)。
そんな、お互い自分の手もとの一点を見つめ、せっせと手を動かしながらのやりとり。
ニュージーランドが大好きで、唯一、海外で住みたい国だという彼女。
一方、アラスカが好きで好きでたまらない私。
国内では、尾瀬や礼文島など、好きなところが重なるのですが、
海外ではアラスカだ、いやニュージーだ、と、お互い一歩もゆずらないのです。
「どっちも自然なのに、なんででしょうね」
うん。
…ちょっと考えてから、
「きっと、アラスカは物悲しくて、ニュージーは物悲しくないからよ」
そう言ったら、あぁ、なるほど!と。
そのあたりで時間切れ。
彼女、少し名残惜しそうな顔で、…いえ、嬉々として、
大好きなニュージーランドへと続く搭乗ゲートへと走っていきました。
湿潤ではありますが、気分はあくまでからりと晴れ渡るような土地、
ニュージーランドで、みなさん良い旅を!
今日のやりとりは、記憶に残りそうな気がします。
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貸切バス・オーダメイド旅行のご相談は…
銀のステッキ旅行
TEL 0797-91-2260(平日8:30~17:00)
■銀のステッキは会員制の「旅サロン」を主催しています。
■公式ホームページ:http://www.gin-st.com
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娘さんとばったり、電車で乗り合わせました。
「そこまで一緒に」と、となりに腰かけてぽつぽつとおしゃべり。
「これまで訪ねた海外でどこが一番よかったですか?」と訊かれました。
いつものように、「アラスカです」と答え、
ユキさんは?と、私と同じ名前のその人に尋ねると、
「わたしは…あまり外国行ったことないんですけど、
ウィーンがとてもよかったです」と。
「音楽の都っていうけれど、
日本と違ってカフェでもお店でもBGMがほとんど流れてなくて。
わたし、BGMが苦手なんです。
だから、人の声のざわめきだけの街がとても居心地よくって」
そこまで聞いたところで、電車は逆瀬川駅に到着し、
私はなんとなく名残惜しい気持ちで、「ではまた」と手を振って電車を降りました。
それだけの短い会話だったのに、なぜかとても心に残っています。
ふたりで…という意味ではほとんど初対面だったのに、
ユキさんが素直に、自分の感じたことを言葉にしてくれたからかもしれません。
逆にいうと、ふだん、そういう会話をあまりしてないってことかも。
朝、だれかと顔をあわせれば「おはよう」と言い、
毎日たくさんの、たくさんの、たくさんのことばを交わしますが、
そのほとんどはあぶくのように消えていったり、あるいはワハハ!とばか笑いに転じたり。
そんななか、今日はニュージーランドへ出発するお客様のお見送り。
皆さんがゲートに向かうのを見送ってから、
「搭乗までまだ時間あるでしょ、ちょっと手伝って」と添乗のスタッフを呼び止め、
ベンチに陣取って、ふたりである単純作業に精を出しました(今週はなかなか忙しいのです)。
そんな、お互い自分の手もとの一点を見つめ、せっせと手を動かしながらのやりとり。
ニュージーランドが大好きで、唯一、海外で住みたい国だという彼女。
一方、アラスカが好きで好きでたまらない私。
国内では、尾瀬や礼文島など、好きなところが重なるのですが、
海外ではアラスカだ、いやニュージーだ、と、お互い一歩もゆずらないのです。
「どっちも自然なのに、なんででしょうね」
うん。
…ちょっと考えてから、
「きっと、アラスカは物悲しくて、ニュージーは物悲しくないからよ」
そう言ったら、あぁ、なるほど!と。
そのあたりで時間切れ。
彼女、少し名残惜しそうな顔で、…いえ、嬉々として、
大好きなニュージーランドへと続く搭乗ゲートへと走っていきました。
湿潤ではありますが、気分はあくまでからりと晴れ渡るような土地、
ニュージーランドで、みなさん良い旅を!
今日のやりとりは、記憶に残りそうな気がします。
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