銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

やっぱり日本一! 大曲の花火

2017年08月30日 | のほほん同志Aの日常

「大曲の花火って雨が降ったら中止になるんですか?」
つい昨年まで、そんな質問には自信満々、こう答えてきたものでした。

「大丈夫です。
 よほどの大雨で、打ち上げ会場の河川敷が増水して
 水浸しになったりしないかぎり、まず開催されますから」

だからご安心下さいね、という意味だったのに…。 

今回、大会前日になって起こったのは、
打ち上げ会場の河川敷が、「よほどの大雨」で、「水浸し」になるという事態でした。

前日から降り続いた大雨が会場の雄物川上流で氾濫。
打ち上げ場所も、桟敷席も冠水してしまったのです。

3日間の大曲ツアーは、すでに十数名のお客さまとともに出発したところ。

仙台空港に到着するやいなや、主催者である大曲商工会議所に電話をし、
何回目かで、ようやくつながりました。

「えぇぁ、すっかり冠水してしまって…。
 今は雨はやんだので、 水が引くのを待って復旧にあたりますが、
 明日開催できるかどうか、今の段階では、なんともいえないです…」

予想以上に深刻な声に、あわてて商工会議所のホームページを開き、
飛びこんできた画面に呆然。

桟敷席が(ということは、対岸の打ち上げ場所も)、すっかり水没しているではありませんか。




(いずれも大会前日、午前7時の会場の様子)

この日のために完璧に準備されていたはずなのに、
前日になってこんなことになるなんて…。


夕方になって、新たな写真が、こんなコメントとともに掲載されていました。

    15時現在の会場内のようすです。
    水が引いて来ました。
    現在、明日の開催に向けて復旧作業に尽力しています。


その文字を見たとき、予定の観光をほっぽりだして、
雑巾を持って駆けつけたい衝動にかられました…。
が、どうすることもできません。

食事も喉を通らないなか、ビールでグビグビ流しこみ、
ただただ祈りながら、翌朝の正式発表を待ったのでした。

――そして迎えた翌朝。
正式発表の6時と同時に開いた商工会議所のホームページには…


   第91回全国花火競技大会「大曲の花火」は予定通り本日開催します。
   お待たせして大変申し訳ありませんでした!
  おとといの水害からの復旧が間に合いました。


すごい。
本当にすごい。
こうして発表できるまでに、どんなドラマがあったのでしょう。

午後3時前に大曲入りし、一年で一番のにぎわいを見せる町なかを歩き、
雄物川の土手にのぼると、神々しいまでの美しさの会場が私たちを待っていました。





桟敷席もきれいに乾き、泥ひとつ付いていません。

訊けば、市の職員を筆頭に町の人総出で、川の水をポンプで汲み出し、
モップで桟敷の泥を拭い、カンテラの灯りのもと、ひとつひとつ消毒してくれたのだとか。

そうして無事迎えた開幕。
雨上がりの空に打ちあがる花火の、なんという煌めき…。




花火の打ち上げにはコンピュータ技術が導入されていますが、
ひとつひとつの花火玉は人の手で作り上げるしかないそうです。

そして自然を相手とする花火大会を支えるのも、また人の手。

この夜、開催を信じて駆けつけた74万人の観客が、
両者に惜しみない拍手を送りました。

大曲の花火、やっぱり、やっぱり日本一です! 


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