11月6日選挙の結果、ロムニーは現職のバラク・オバマ大統領に敗れた。世界中が選挙の行方に注目し、末日聖徒も「モルモンの時」(Mormon Moment, モルモンに焦点が当たる時)が更に継続するかどうか固唾をのんで注視した。日本の教会員も期待の目で追った。私も一面そのような期待を持ったが、一面では共和党を好んでいないので、今はオバマの勝利に安堵している。
私はロムニーの父ジョージ・ロムニーが大統領選に立候補した時のことを覚えているので、ミット・ロムニーがこの度、二度目の機会に健闘して、大接戦を演じているのを見て、三度目の正直が実現するかもしれないと見守った。彼の敗北は、彼や支持者、特に期待したldsにとって残念なことであったと思う。
ミット・ロムニー氏自身は、元々穏健派と見られていたが、立候補に当たって共和党の路線に合わせるように強硬な色合いを強めていった。ティーパーティのグループや南部福音派、あるいはかつてのネオコン的勢力から圧力を受け、彼らの意をくんだ論調になっていた可能性がある。
共和党は小さい政府を主張し、自由主義経済に立ち帰ろうと米国民に呼び掛ける。資本主義はそこから始まっているとはいえ、現在レッセフェール(なすに任せよ、行くに任せよ)のような形にもどることは現実的ではない。また、イスラエルに近い外交姿勢も中東の行方にとって懸念材料である。ブッシュの時代にもどることはないにせよ、ヨーロッパはオバマに決まって安堵したと伝えられる。
モルモン教徒にとっては、ロムニーが敗北したけれども社会にLDS教会について認識してもらうまたとない好機となった。1年前には、民主党側はアメリカ人はモルモンの大統領を選ぶことはないだろうと考えたが、実際にはアメリカ人はモルモンを嫌ってはいないことが判明した。最後まであれほど接戦するに至ったのだから。これは教徒にとってよいニュースである。しかし、ソルトレークトリビューンのペギー・スタック記者が、依然モルモンに関して12の無知・偏見(多妻を実施している、聖書を信じない、など)が残っていると書いたように、まだまだ正確には知られていない現状も明らかにされた。
米国でも日本でも、LDS教会について正しい認識が行き渡るようにさらに努力していくことが求められる。
オバマ大統領は勝利宣言をした時のスピーチを次のように結んだ。「黒人と白人、ヒスパニック、アジア系、ネイティブアメリカンを問わず、老若、金持ちと貧乏、健常者・障害者、ゲイとストレートを問わず、ここアメリカでは努力しさえすれば成功することができる。」私も拍手の気持ちでこれを聞いた。
参考記事
ロムニーを自滅させる共和党という悲劇 (2012/10/10 ネット版ニューズウィーク誌記事、日本語)
Seizing The Mormon Moment | First Things
12 myths about Mormons — From caffeine to the Bible to birth control, Salt Lake Tribune 紙
‘Mormon moment’ ends with a loss — but his religion still won 以上ネットの記事
本ブログ 2006/09/1 私はなぜ今のアメリカを嫌悪するのか
2006.03.19 イラク戦争開始後3年経過
私はロムニーの父ジョージ・ロムニーが大統領選に立候補した時のことを覚えているので、ミット・ロムニーがこの度、二度目の機会に健闘して、大接戦を演じているのを見て、三度目の正直が実現するかもしれないと見守った。彼の敗北は、彼や支持者、特に期待したldsにとって残念なことであったと思う。
ミット・ロムニー氏自身は、元々穏健派と見られていたが、立候補に当たって共和党の路線に合わせるように強硬な色合いを強めていった。ティーパーティのグループや南部福音派、あるいはかつてのネオコン的勢力から圧力を受け、彼らの意をくんだ論調になっていた可能性がある。
共和党は小さい政府を主張し、自由主義経済に立ち帰ろうと米国民に呼び掛ける。資本主義はそこから始まっているとはいえ、現在レッセフェール(なすに任せよ、行くに任せよ)のような形にもどることは現実的ではない。また、イスラエルに近い外交姿勢も中東の行方にとって懸念材料である。ブッシュの時代にもどることはないにせよ、ヨーロッパはオバマに決まって安堵したと伝えられる。
モルモン教徒にとっては、ロムニーが敗北したけれども社会にLDS教会について認識してもらうまたとない好機となった。1年前には、民主党側はアメリカ人はモルモンの大統領を選ぶことはないだろうと考えたが、実際にはアメリカ人はモルモンを嫌ってはいないことが判明した。最後まであれほど接戦するに至ったのだから。これは教徒にとってよいニュースである。しかし、ソルトレークトリビューンのペギー・スタック記者が、依然モルモンに関して12の無知・偏見(多妻を実施している、聖書を信じない、など)が残っていると書いたように、まだまだ正確には知られていない現状も明らかにされた。
米国でも日本でも、LDS教会について正しい認識が行き渡るようにさらに努力していくことが求められる。
オバマ大統領は勝利宣言をした時のスピーチを次のように結んだ。「黒人と白人、ヒスパニック、アジア系、ネイティブアメリカンを問わず、老若、金持ちと貧乏、健常者・障害者、ゲイとストレートを問わず、ここアメリカでは努力しさえすれば成功することができる。」私も拍手の気持ちでこれを聞いた。
参考記事
ロムニーを自滅させる共和党という悲劇 (2012/10/10 ネット版ニューズウィーク誌記事、日本語)
Seizing The Mormon Moment | First Things
12 myths about Mormons — From caffeine to the Bible to birth control, Salt Lake Tribune 紙
‘Mormon moment’ ends with a loss — but his religion still won 以上ネットの記事
本ブログ 2006/09/1 私はなぜ今のアメリカを嫌悪するのか
2006.03.19 イラク戦争開始後3年経過
モルモンは、聖書は不完全な書物だと信じている。
ジョセフ・スミスは独自の聖書を作ろうとした。
ま、聖書を信じてないクリスチャンなんていくらでも居ますけどね。
ldsが聖書をある意味信じてない、と豚さんに見えても全般的に信徒以外の人に比べて遥かに文字通り直解主義的な読み方をしていることも事実です。[大局的]
JSが創ろうとしたのは、独自の「聖書」というより、啓典あるいは聖典ですね。[厳密的]
末日聖徒以外のキリスト教の人が、「モルモンは聖書を信じていない」と言うのは、「自分たちと異なる解釈をしている。」と言う意味じゃないですか?
「聖書を信じています」と言う言葉そのものが、全く無意味なのだと思います。
「聖書を信じているから、私達はあなた達と同じです。」と言うのは意味が無い話です。
何処が同じで、何処が違っているのか?それが問題では?
「どのように」とか「解釈」の問題以前のレベルで、です。アメリカの大勢の市民はそれくらいldsについて知っていない。
>「聖書を信じているから、私達はあなた達と同じです。」と言うのは意味が無い話です。
そのような帰結に導こうとしているではなく、依然として思い違い(myth)に取り囲まれている、ことを取り上げた記事でした。