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末日聖徒イエス・キリスト教会は10月22日、ジョセフ・スミスが30人から40人に及ぶ多数の女性と多妻結婚をしていたことを初めて公的に認めた。それは、インターネット上のLDS.orgに論文形式の記事、「カートランドとノーブーにおける多妻結婚」を掲載する形で行われた。これをもとに11月10日、ニューヨークタイムズが教会歴史家で教会幹部であるスティーブン・E・スノー長老のインタビューを含めて、ネット版で「教会、公的に認める」と題したニュースを公表した。紙媒体には11日に載り、続いて cnn.com、bbc.com, そしてソルトレークトリビューン紙のネット版も同じニュースを掲載した。また、日本語でも12日にYahoo!ニュース、MSN エンタテイメント、CNN Japan が短縮した形で報じた。
教会が掲載した記事の内容は、ジョセフ・スミスが大勢の女性と多妻結婚をしていたこと、若い相手では14歳の女性が含まれていたこと、既婚の婦人幾人かとも結び固められていたことを明らかにしている。55もの註を付した論文スタイルの記事で、事実末尾に学者の研究に負うところがあると記している。
今回の発表は、2012年に始まった教会の情報公開(透明化)の方向に向かう一連の記事(essay, treatise、論文とも訳せる) 発表の一環であった。これまで教会歴史や教義に関連して12の記事が発表されてきていて、次のようなものが含まれる。「アブラハム書の翻訳と史実性」「最初の示現の異なるバージョン」「人種(問題)と神権」「モルモン書とDNA学」「モルモン教徒はキリスト教徒か」など。多妻については、今年1月に「初期ユタにおける多妻結婚と家族形態」、そして最近「公式の宣言と多妻結婚の終焉」が発表されている。
これまで教会は、ジョセフ・スミスの多妻には触れずに、エマと一夫一婦の関係にあったように語ってきた。しかし、教会内の研究者はすでにかなり以前から実際を承知しており、教会内外の一般の人もネット上の情報から知識を得ていた。それで、教会はもはや二重性を維持することができないで、歴史と向き合う決断を下したものと考えられる。問題は、これまで教会が提示する情報だけに接してきた一般会員が、新しい状況にどう対処するか、教会(指導者)が戸惑う会員にどう対処するかである。教会の透明化は研究者や知者の肩身の狭さを和らげてくれ、歓迎すべき動きであるが、教会は一般会員や社会からの不評・批判の風を受けることになる。
[補足] このニュースについて、どうして「30人から40人に及ぶ」と人数が分かったのだろうか。記録でも残っているのだろうか、という質問が寄せられた。今まで知られていなかったことであるから、無理もない疑問である。この記事が参照している典拠は、Brian C. Hales, “Joseph Smith’s Polygamy”, 3 vols. (Salt Lake City: Greg Kofford Books, 2013), 1:3, 2:165である。他に教会歴史家補助アンドルー・ジェンソンは27人を数え、ジョージ・D・スミスは42人、ブローディは49人、トッド・M・コンプトンは34人をあげている。人物の特定や人数は、当事者(ジョセフ・スミスの多妻の一人となった女性、ジョセフ・スミス自身)や彼等から話を聞いた人物が残した記録など多くの資料から得られたものである。人数に異動があるのは、残された資料が不十分なとき解釈に相違が出るためである。補足後半は拙著「モルモン教をどう見るか」p. 149, 注5参照。
[補足2] LDS.orgの記事「カートランドとノーブーにおける多妻結婚」の中枢部分の翻訳が有志によってなされました。希望者は連絡ください。個別に訳文をお送り致します。jiro_nmn68@hotmail.com
メディアに取り上げられるきっかけとなったLDS.orgの記事:
https://www.lds.org/topics/plural-marriage-in-kirtland-and-nauvoo?lang=eng
ニューヨークタイムズネット版
http://www.nytimes.com/2014/11/11/us/its-official-mormon-founder-had-up-to-40-wives.html
lds.org の日本語サイトで調べましたが、一連の情報公開は見当たりませんでした。まだ、訳されていないものと思われます。どのように対処すべきか検討中なのでしょう。あるいは米本部の指示待ち!?
(合本の成句ガイドと同じような内容が掲載されているものと思われます。https://www.lds.org/?lang=jpn ⇒ 教え ⇒ 福音のテーマ ⇒ 50音のどれかを押して探す 例、「た」をクリック ⇒ 多妻結婚 ・・結果は短く古い内容が出てくるのみでした )
ここに少しジョセフ・スミスの多妻結婚について日本語で書かれていますね。
http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Joseph_Smith's_wives
http://www.mediafire.com/download/ot7rh9xj9m9898m/fireside-in-sweden-part1.mp3
http://www.mediafire.com/download/xif11bvjmjtq22i/fireside-in-sweden-part2.mp3
http://thetimchannel.files.wordpress.com/2013/07/turley_jensen_stockholm_2010.pdf
この鑑定で、夫婦関係の実態はなかったということを補強したことになったんでしょうけど・・・・
んが、なんかで見たんですが、その鑑定した学者/研究者さん、ユーゴ・ペレーゴ博士(Ugo A. Perego)は、イタリア国籍(出身)の教会員で、22歳の時、カリフォルニアで宣教師の召しを皮切りに、その後足掛け18年間のソルトレークシティでの滞米研究生活。その鑑定後は教会のセミナリー・インスティチュート教師に、現在は、イタリアはローマでインスティチュート・プログラムの総括責任者。ということは・・・・なんでは?という話もあるんだとか。
まぁね、第3者とか、入れないと・・・・いや、何ともわからんです、外野周辺域在、門外漢のたまWEBには・・・・
http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Joseph_Smith%27s_wives#Allegations_of_children_born_to_alleged_polygamous_wives
http://search.yahoo.co.jp/search?p=DNA++%22joseph+smith%22+descendants&aq=-1&oq=&ei=UTF-8&fr=top_ga1_sa&x=wrt
http://search.yahoo.co.jp/search?p=Ugo+A.+Perego+%22joseph+smith%22+dna&aq=-1&oq=&ei=UTF-8&fr=sfp_as&x=wrt
メディアに取り上げられるきっかけとなったLDS.orgの記事にある程度説明してあるようです。
殿様が家来に妻を差し出せ的な所業と受け取るには無理がある気がします。
可能性としては夫婦の結び方めではなく先祖との結び方めの延長として家族として並列的に儀式したのではないか。
もう一つの可能性は離婚が認められていない時代に女性たちの神権による結び方めに切迫していた結果ではないか。
そんな感じの説明ですかね。
情報が少なすぎる為によくわからないというのが本当のところでしょう。