[最も傷つくのは子供]
事柄の重大さと日本から見ると背景がかけ離れていてまた複雑なため、再度多少補うことにする。
(一)
まず初めに、手引きの変更個所を書いたユタ州の弁護士と同業のジェームス・オルドが事情に通じていて、インタビューに答えているのでそれを取り上げる。それによると、教会は現状のままでは、子供の親が同性婚をしていた場合、子供が教会で同性婚を否定し、親を罪人視した教えを受けて、将来親から民事責任を問われることになりかねない。現在、親による疎外(子供の保護監督不足)に関する訴訟が増えていて、特にカリフォルニヤ州のようなリベラルでモルモンの人口が多い地域でその傾向がある。教会はそのような訴訟に巻き込まれないよう手を打ったと考えると筋が通る。
例えば、オルドさんの前妻が共同親権の下にある子供を教会へ連れて行き、教会が君の父(オルドさんのこと)は道をはずれた罪人であると教えていた場合、それは「不法行為」に当たる可能性が高く、オルドさんは教会を訴えるかもしれない。ユタ州では話にならないで笑い話ですむだろうが、カリフォルニヤ州では大差で勝訴に終わる可能性がある。
そのような子供は18歳になるまで教会に登録しないのが、確実に民事責任に問われない方法なのである。組織としての教会の視点に立てば、首尾一貫していて矛盾がないというわけである。
(二)
日本人と中国人の血を引くメリッサ・イノウエ*が10日ニュージーランドから次のような文を patheos.com に寄せていた。まず「手引き」とは益をもたらすために教会の管理・運営を方向づけ、また安定を乱すものを遮断するもので、時の経過と共に幾重もの層をなし、これからもそれが重ねられていくと見る。(*ディロン・イノウエの姪であると文中で述べている。)
モルモン教は個々の会員で構成され、会員は宗教を享受する立場にあるだけではなく、宗教を作り出してもいる。教会幹部も元は日曜日教会に行って日曜学校で教える先生だったかもしれない。それで、一般会員と極めて近い存在なのだ。また、モルモン教は高位の指導者も、文化面、一般会員においても一枚岩であるわけではない。各自生きた人であり、息をし反応し、魂のある存在である。
同性愛について指導者も会員も、20年前のことを思えば、一般的に理解が進み、積極的な見方になってきたと確信している。方針を立てる人々が今回意図しない否定的な反響を呼んだことを受けとめて、将来愛と理解に基づいた変更がなされることを希望している。
(短く要約[翻訳]すると、原文の重厚さや印象が薄らいでしまうのが残念である。ブログ主宰者)。
(三)
最後に教会外の研究者が見た見通しを参考に紹介したい。ハーバード大学の法学教授ノア・フェルドマンは次のようにシカゴトリビューン紙に書いている。「歴史的に見て、モルモン教は変更が不可避であると思われるまで法的、および世論の圧力が強まった時に方針が緩和されてきた。その変遷は、末日聖徒の主流と原理主義的な分派の信条と実際を見てみると実質的で実のあるものであることがわかる。そこでもしアメリカの同性婚や同性カップルに対する見方が、平等と受容の方向に変遷し続けるなら、25年もすれば教会の信条と実際も変遷していくだろう。それは同性愛者である敬虔な末日聖徒にとって、長い時間に思われるかもしれないが、神の時間表は刻々と前に進んでいる。(原文は「神の製粉機は動いている」。)- - ニューヨークタイムズ 11月6日
Source:
(一) Podcasts: Church Policy Changes and their Legal Contexts: James Ord
(二)Melissa Inouye, These Three Things Are True
(三) Mormon News Report: 10 November 2015
事柄の重大さと日本から見ると背景がかけ離れていてまた複雑なため、再度多少補うことにする。
(一)
まず初めに、手引きの変更個所を書いたユタ州の弁護士と同業のジェームス・オルドが事情に通じていて、インタビューに答えているのでそれを取り上げる。それによると、教会は現状のままでは、子供の親が同性婚をしていた場合、子供が教会で同性婚を否定し、親を罪人視した教えを受けて、将来親から民事責任を問われることになりかねない。現在、親による疎外(子供の保護監督不足)に関する訴訟が増えていて、特にカリフォルニヤ州のようなリベラルでモルモンの人口が多い地域でその傾向がある。教会はそのような訴訟に巻き込まれないよう手を打ったと考えると筋が通る。
例えば、オルドさんの前妻が共同親権の下にある子供を教会へ連れて行き、教会が君の父(オルドさんのこと)は道をはずれた罪人であると教えていた場合、それは「不法行為」に当たる可能性が高く、オルドさんは教会を訴えるかもしれない。ユタ州では話にならないで笑い話ですむだろうが、カリフォルニヤ州では大差で勝訴に終わる可能性がある。
そのような子供は18歳になるまで教会に登録しないのが、確実に民事責任に問われない方法なのである。組織としての教会の視点に立てば、首尾一貫していて矛盾がないというわけである。
(二)
日本人と中国人の血を引くメリッサ・イノウエ*が10日ニュージーランドから次のような文を patheos.com に寄せていた。まず「手引き」とは益をもたらすために教会の管理・運営を方向づけ、また安定を乱すものを遮断するもので、時の経過と共に幾重もの層をなし、これからもそれが重ねられていくと見る。(*ディロン・イノウエの姪であると文中で述べている。)
モルモン教は個々の会員で構成され、会員は宗教を享受する立場にあるだけではなく、宗教を作り出してもいる。教会幹部も元は日曜日教会に行って日曜学校で教える先生だったかもしれない。それで、一般会員と極めて近い存在なのだ。また、モルモン教は高位の指導者も、文化面、一般会員においても一枚岩であるわけではない。各自生きた人であり、息をし反応し、魂のある存在である。
同性愛について指導者も会員も、20年前のことを思えば、一般的に理解が進み、積極的な見方になってきたと確信している。方針を立てる人々が今回意図しない否定的な反響を呼んだことを受けとめて、将来愛と理解に基づいた変更がなされることを希望している。
(短く要約[翻訳]すると、原文の重厚さや印象が薄らいでしまうのが残念である。ブログ主宰者)。
(三)
最後に教会外の研究者が見た見通しを参考に紹介したい。ハーバード大学の法学教授ノア・フェルドマンは次のようにシカゴトリビューン紙に書いている。「歴史的に見て、モルモン教は変更が不可避であると思われるまで法的、および世論の圧力が強まった時に方針が緩和されてきた。その変遷は、末日聖徒の主流と原理主義的な分派の信条と実際を見てみると実質的で実のあるものであることがわかる。そこでもしアメリカの同性婚や同性カップルに対する見方が、平等と受容の方向に変遷し続けるなら、25年もすれば教会の信条と実際も変遷していくだろう。それは同性愛者である敬虔な末日聖徒にとって、長い時間に思われるかもしれないが、神の時間表は刻々と前に進んでいる。(原文は「神の製粉機は動いている」。)- - ニューヨークタイムズ 11月6日
Source:
(一) Podcasts: Church Policy Changes and their Legal Contexts: James Ord
(二)Melissa Inouye, These Three Things Are True
(三) Mormon News Report: 10 November 2015
8歳になれば<本人がふさわしい限り>バプテスマを受ける権利があると思うのですが、親の行為ゆえに本来罪の無い子の権利が認められないということのほうが訴訟の対象になるのではないでしょうか?
バプテスマの面接の際に、親とその行為を否定することを子に求めないために、バプテスマを受けさせないということかもしれませんが、私は子は親と別に考えてあげる必要があると感じています。
親が日頃から自分たちの結婚形態は、教会ではまだ認められていないが、法律上では正しいということを教えていれば、同性婚者の子にバプテスマを施すのは問題無いように感じます。
親にとっては自ら否定するようで酷な訳ですが、8歳では善悪が理解できるという考えですので、本人(子供)さえ教会の標準に外れていなければ親の行為ゆえにバプテスマの資格が制限されるのはおかしな考えのように思われます。
子に親を取るか、教会を取るかの選択をさせるようですが、外部から見ると、教会が国の法律を支持せず、子に同性婚の家族を排除しているようにしか思われないでしょう。
この方針は、教会の形態を守ると共に、孤立化を深めるような気がします。
モルモンらしいといえばそれまでですが、世の流れから逆行し、ますます隔絶された社会となるように思います。
存続の危機に陥れば、新たな啓示が下るのかもしれませんし、幹部は屹度、防護策を考えているのでしょうが、とりいそぎ、福音の純粋性を維持するための措置と捉えています。
犠牲になるのはいつもマイノリティーの弱者であるというところが残念です。
教会は政治と同じだと感じています。
この方針には<トホホ・・・・>の感があります。
そもそも聖書で罪と定められたことが本当に罪なのでしょうか?
どなたかが書いていましたが、過去のキリスト教社会では左ききの人は悪であると定められたそうです。
聖書に直接的な言及でなないものの、そのように解釈された時代があったとのこと、らい病のこともそうですし、<男色>という記載をどうとらえるかということをもっと検討してほしい。
こうなれば、モルモンお得意の恣意的な解釈でもいいので、弱者にやさしい解釈をすればいいと思うのです。
なんでもそうすれば、モルモンの伝統や先祖が作った形態を壊してしまいますが、将来、アメリカのお荷物になって大きな圧力と制限を受けることになるように感じます。
教会がボーイスカウトに圧力を掛けるように、こんどは自由の国アメリカから圧力を受けることになるのではないでしょうか?
形態を崩したくない気持ちはわかりますが、≪世に在って世に染まらない形で孤立する≫か、≪世と共生する道を選んでアメリカの支持を得る≫か、教会も<今日選びなさい>と神に言われる日がくると思います。
<子に> ・・・誤記です。すみません。
* <子に> ・・・誤記です。すみません。
度々すみません。
◆モスクワ総主教キリル1世の言葉
「教会として同性愛を宗教上の罪とみなしこれに反対するものの、同性愛者に対する迫害・差別については認めないとする。
◆米国のキリスト教会での同性婚に対する宗派内の保守系教会とリベラル系教会の対立が起きている。英国も同様が起きている。
◆南部州では合衆国から脱退して新しい連邦国家を作ろうという声をあげている人たちがいる。
◆連邦最高裁で違憲とする判決が出たとしても、立法機関である上下議会で法律改正が行われたかどうかだ。(この点を探している)
希望の持てる意見ですね。ちょっと期待しています。
教会は風向きを感知して、妥協点や良い方向性を見出すことでしょう。
黒人への神権授与についても、今は落ち着き、大きな教会の益となったことが見てとれます。
同性婚の問題も今は角が立っていますが、だんだん丸くなっていくような気がします。
将来は同性婚のカップルが夫婦伝道をすることだってあるかもしれませんね。
いまの伝道スタイルと一緒ですから違和感はありません。
ただ、現時点で悲しむ人が出ないことを願うばかりです。
ちょっと厳しい出来事でしたから・・・
現実問題として、教会は同姓婚を罪である教えるわけですから、特殊な家庭事情の子供を日曜学校や聖餐会から排除しないかぎり、バプテスマの一律停止は、訴訟リスクがより高くなるだけと思われます。
同姓婚のような預言者でさえ扱いが難しいものを、善悪がつく年頃とはいえ8歳9歳で行えというほうが無理筋なのは良くわかるような気はするけれども、いつものごとく説明責任がなってないですね。
内部用とはいえ文章が冷酷すぎだ。