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M.ジェンセン / H.マトソン 「信仰の危機」関連記録

2013-09-02 10:20:36 | モルモン教関連
スエーデンのH.マトソン(H. Mattsson)氏に端を発する「信仰の危機」の経緯を時系列でまとめてみた。

 左がM.K.ジェンセン, 右がH.マトソン

2000-2005年 H.マトソンが地域幹部として召されていた時、あるステーク会長から教会歴史に関する質問が出て、上級管理者である使徒L.トム・ペリー長老に尋ねたが、スエーデンを訪問したペリーは600人の聴衆を前に心配することはない、鞄からある原稿を見せてこれが出版されれば、全て解決すると述べた。その後、問い合わせてもらちがあかず、マトソンは自分で調べることになって、その結果さまざまな疑問が生じるに至った。

2010/11/28 H.マトソンが、教会歴史や教義の面で疑義を覚えると公けに述べたのを受けて、教会歴史家(当時)マーリン・K・ジェンセン長老(教会幹部、七十人)と教会歴史家補佐リチャード・E・ターリーが派遣されストックホルムでファイヤサイドが開かれた。地元の監督、ステーク会長ら25人が出席。スエーデンではマトソンを始め600人がフェースブックで意見交換を行うグループを構成していた。

2011年暮 ユタ州立大学のクラスでジェンセン長老が、教会の比較的高い地位にある会員が多数教会に疑問を持って、教会を去る事態が生じていると発言。ロイターが報じた。これは上のスエーデンでのことなどを指して語ったものと考えられる。

2012年3月 LDS教会、「スエーデンの会員に答える」(“The Swedish Rescue”) と題する声明文をスエーデンの教会に発信。2012/01/21付け上記声明文(文責:教会歴史部、M.K.Jensenの署名)を3月スエーデンのステーク会長、伝道部長、地方部長宛て、地域七十人Ingvar Olssonが発信している。

声明は長文で、トーンは理解を示しながらも疑問を持ち始めた会員をなだめ、落ち着くように求める、保守的なもの。信仰の立場を堅持するよう働きかけ、参照できる無難なインターネット上のサイトをいくつか提示している。また、ヒュー・B・ブラウン、二ール・A・マックスウェルの著、モルモ二ズム百科事典やテリル・ギヴェンズ、リチャード・L・ブッシュマン、ヒュー・ニブレーなどの著書、そしてナグ・ハマディ、死海写本の文書にまで言及している。

2013年7月 ジョン・デリンがマトソンと会見し、5部にわたる内容をMormon Stories Podcast に発表(7/22付け)。

2013/07/20 ニューヨークタイムズ紙が「一部のモルモン教徒、ウエブを検索し疑問をいだく」という記事を掲載。ニューヨークタイムズもマトソンにインタビューしている。

2013年7月下旬~8月初 関心を寄せる識者が見解を発表。7/21 David Knowlton, 7/23 John Welch, 8/6 Gregory Prince

2013年8月 スエーデンで「預言者の塾」が設けられる。将来のスエーデンの指導者育成のためという目的を掲げている。

[コメント] M.K.ジェンセン長老とりチャード・ターリーにはモルモン歴史学会で数度出会っているが、両人とも大変柔和で人当たりの柔らかい、クリスチャンらしい人柄の指導者である。特にターリーはLDS教会歴史に詳しい専門家である。二人は熟知し、何でも知っていても、当然のことであるが、知り始めた人々に接するに際しては慎重で、衝撃に耐えられるように配慮して発言する。それは、不誠実なのではなく、自分たちも経てきた困難な道を乗り切れるように助けようとする姿勢、言い換えると自然な、直感的な愛の方途ではないだろうか。私も昔、ダイアログ誌にモルモン書のことで衝撃を受けた心情を訴えた時、読者の声欄の担当者は、異邦の改宗者に配慮を示して言葉を選んで応えたのを思い出す。・・なお、ターリーは教会歴史部の幹部として来年3月来日する予定という。

参考記事
2013/07/24 末日聖徒版「信仰の危機」?
2012/07/11 モルモン歴史学会2012年カルガリー年次大会に参加して 特に「付記」の部分


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2 コメント

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コメントに感謝 (NJ)
2013-09-21 23:47:20
小森兄弟、コメントいただきありがとうございます。教会で奉仕しておいでの様子がうかがわれ感謝いたします。

アメリカが好戦的に見えるのは困った問題だと感じています。私はオバマ大統領に同情的です。評価はずっと後に好評価が出るのではないかと思っています。(実績は不評でも)。

エマ・スミスについて、なぜ西部へ行かなかったのかという初歩的な質問を含めて、コメントであげられた問題も近いうちにまとめて記事にしたいと考えています。

facebookにいろいろなことを自由に取り上げて意見を交換するグループができています。よろしかったら紹介いたしましょうか。今 40数名が会員で、いろいろな話題が取り上げられています。私のe-mail address は j i r o _ n m n 6 8 @hotmail.com です。(前半分のスペースを除いてください)。

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信仰の危機 (小森愛一郎)
2013-09-21 10:01:24
沼野兄弟

これまでに指導的な立場にもたちましたが、大きな疑問、不信を抱いたメンバーと話をするときは難しいです。

戦争の問題(なぜ保守的なアメリカ人は戦争が取っても好きなのか?ブッシュ大統領がオバマよりもよかったと考えているメンバーも多いのは、考え込んでしまいます。オバマさんが素晴らしいかというと、何処かの平和賞をいただいた後で武力行使を積極的に推進するなど、なんだかなぁと思ってしまいます。ノーベルさんは爆薬を発明した人だから、それにふさわしいのかもしれませんが)、ジョセフ・スミスについて、多彩結婚について、黒人への差別について、いろいろあります。

日本では、教会堂ではこのような話題が出てきません。FACEBOOKでモルモンフォーラムの流れが生きているようでうれしいです。

最近疑問が起こってきました。
FACEBOOKに書くかどうか考えたのですが、こちらのほうがよりクローズドだと思いましてこちらに書きます。
ジョセフスミスの死後、エマスミスは復元末日聖徒イエスキリスト教会に分かれてゆくことになったと思いますが、
彼女は昇栄できるのかしら?ジョセフスミスはエマスミスと結び固められたのかな?エマスミスは結局は主流派とたもとを分かつことになったのだからexcommunicatedになったのでしょうか?

これまでもそうですが、疑問については『あなたの救いには関係のないことだ』という回答がしばしば聞こえてきましたが、
教会から距離を置くメンバーが増えるとそうもいっていられないように思います。
教会の日曜学校や神権会は教義を学ぶ場ではなくなっているのが残念です。ずーっと昔から使われている同じ逸話やたとえなど全然進歩がないなぁと感じてしまします。

小森愛一郎
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