京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

遺すということ・・・呉服屋の複雑な気持ち

2008-10-09 23:09:43 | ひとりごと
本日、お客様にお預かりしていたお仕立物をどっさり
納めました。




この夏の終わり頃、
「着物を売りたいのですが・・」
「着物を引き取ってもらえますか」
という問い合わせが、何件か続きました。

「新しいものしか扱っておりませんので・・・
お引取りはさせていただいておりません。」
と丁寧にお断りするのですが、
そういうお客様の言葉は、呉服屋にとってあまり気分のいいものではありません。


そんなに着物って要らないものなんだろうか・・・


ちょうどそんな時に、このお客様が
自分で仕立てもされたというお母様がなくなられ
縫おうと思われておいてあった反物を、縫って欲しいと
お持ちになられたのでした。

「趣味があわないのだけれど、せっかく母が縫おうと買ったものだから」
小紋、紬、帯、浴衣、襦袢など全部で11点もありました。

いらない着物を何とか処分したい。
遺された着物を少しでもお金に換えたい

それぞれにお考えはあるのでしょうが
遺された着物(着物と共に遺された気持ちも)を大切にしようと
してくださるとうれしく、このお預かりものをしたときは
なんだかホッとしました。

先日書かせていただいた「お義母様の着物」もそうでした。

この夏、「着物を遺す、遺される」という事についてとても考えさせられ、
まだ、上手く考えをまとめられずにいます。

また、そのうちに・・・



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする